新刊。お知らせ。

001003_210月3日新発売、鎌倉のインディーズ出版社・港の人から四月と十月文庫7『理解フノー』…クリック地獄

古典的名著、獅子文六『食味歳時記』中公文庫から復刊。解説を書きました。…クリック地獄

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◆連載中 東京新聞、毎月第3金曜日、「エンテツの大衆食堂ランチ」…クリック地獄
◆連載中 美術同人誌『四月と十月』4月と10月発行、「理解フノー」…クリック地獄
004005◆『大衆めし 激動の戦後史:「いいモノ」食ってりゃ幸せか?』ちくま新書から発売中。よろしく~。もくじなどはこちら…クリック地獄
◆好評『SYNODOS-シノドス-』――『いいモノ』食ってりゃ幸せか? われわれはみな〈社会的〉に食べている 五十嵐泰正×遠藤哲夫は、こちらでご覧いただける。…クリック地獄

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2017/11/18

「スソアキコの帽子の店」のち森美術館のち2軒ハシゴ酒。

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きのうは六本木ヒルズアリーナでやっている「生活のたのしみ展」へ行きました。タカビーな場所に、タカビーなものが並び、ボクのようなタカビーな人たちが、たくさん集まっていました。

会場も、「スソアキコの帽子の店」も、大にぎわい。アバンギャルドで実用的なスソさんの帽子がとぶように売れていました。ファッションセンスに優れたタカビーの人たちのあいだでは、「スソアキコの帽子をかぶっている」が、もうステータスになっているのです。もちろん、タカビーなボクも一つ持っていますよ。

ボクは、スソさんにご挨拶し、いつものように帽子をかぶってみてたのしんだあと、日本の芸術的タカビーのシンボル、六本木ヒルズ森タワー53階の森美術館へ行きました。今日から始まる「レアンドロ・エルリッヒ展 見ることのリアル」の内覧会を見るためです。ボクぐらいのタカビーになると、毎回内覧会とレセプションのインビテイションが届くのです。

いやあ、この展覧会は、すごくおもしろかった。ほとんどの作品が立体で、手で触れたり、そのなかに入って、自分が作品の一部になれる。遊園地にいるみたいだった。

水はないのにボートが浮かんでゆらゆら動く水面。「この鏡の迷宮から、あなたは現実の世界に戻れるか?」という展示のなかに入ったら、出られなくなりそうであせってしまった。「亡霊になった自分とご対面」や「キミも忍者になれる」「窓の向こうに、もうひとりの自分が…」など、タイトルだけでもおもしろそうでしょう。

「現実(リアル)とな何か」

まるでだまし絵のなかにいるようで、愉快にたのしんでいるうちに何が現実かわからなくなる、レアンドロ・エルリッヒは視覚的芸術的詐欺師ですね。そういえば、たくさんの人を集めていたタカビーな「生活のたのしみ展」も、糸井重里による詐欺的傑作といえましょうか。

この世は、すべて錯覚とペテンで成り立っているのです。だから、自分はビンボーだと思っているあなた、あなた、あなた、あなたたちは、けっしてビンボーではありません。ビンボーというのは錯覚で、あなたはタカビーなのです。

明日までやっている「生活のたのしみ展」へ行って、スソアキコの帽子を買ってかぶってみなさい、気分はもうタカビーです。明日のめしのことなど忘れられます。

明日になって食うものがなかったら、スソアキコの帽子をかぶって、コンビニで盗みをはたらけばよいのです。店員につかまったら、「私をだれだと思っている、この帽子が目に入らぬか」とやれば、留置場か精神病院あたりでめしにありつけるにちがいありません。

そして、1800円払って、ボクはタダで観たレアンドロ・エルリッヒ展のなかを歩いたら、もうこの世に不可能なことはなくなります。森タワー53階のガラスをぶちやぶり外へ飛び出すのです。

そうして飛び出したボクは、虎ノ門の居酒屋で、ワレにかえりました。

1010飲み物メニューの清酒に、「虎ノ門 300円」「霞ヶ関 350円」とあるではないですか。そんな酒があるなんて、これも先ほどのだまし絵の続きかと思ったのですが、それにしても、この50円のちがいはなんだ。虎ノ門の文科省より霞ヶ関の外務省や農水省が50円分エライということなのか。気になる。同行者の一人と両方とって飲み比べました。

50円の差は、わかりませんでした。ようするに役人は役人です。どちらも伏見のアル添の普通酒で、常温で飲んだのだけど、とても飲みやすく、すいすい飲めるのです。伏見の酒らしい、といえるか、やさしいさらりとした味わいでした。

もう一人の同行者が、タカビーな日高見を飲んでいたので飲み比べてみましたが、やはり純米酒はコクがありますね。でも、ボクのようなタカビーな人間は、いつもゼイタクなものを食べているせいか、普通酒の味わいのほうが身体にやさしい感じがして、虎ノ門をもう一杯飲んでしまいました。

この居酒屋は、国際詐欺団の事務所の近くにあるのですが、22時閉店で追い出されたワレワレ4人一行は、新橋駅へ向かいました。

このあいだ国際詐欺団の飲み会をやった横丁の飲み屋へ行くと、閉店の片づけ最中で入れませんでした。でも、その横丁の通路は、酒場と化していました。寒い夜でしたが、酒さえあれば、外でもかまわないわけです。味覚も寒さも錯覚ですからね。

通路にあるテーブルにテキトウに座ると、おねえさんが注文をとりにきました。

ああ、書くのがメンドウになった。

トツゼンですが、おわります。とにかく23時ごろまで飲んで帰りました。

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「見えていることだけが、現実ですか?」

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2017/11/14

来年1月14日(日)は下北沢でトーク。

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おれが美術同人誌『四月と十月』に連載の「理解フノー」と田口順二さんの絵による四月と十月文庫『理解フノー』の発売から一年がすぎた去る10月、同文庫の8冊目が刊行された。

牧野伊三夫さんの『仕事場訪問』だ。

これは、『四月と十月』に随時連載していた「仕事場訪問」から、編集しなおしたもの。

連載中からおもしろかったが、こうやってまとめてみると、さらにおもしろい。

なにがおもしろいかというと、美術家や芸術家といった人たちのジンジョーじゃない姿が浮かびあがるからだ。いろいろな意味でジンジョーではない。

しかし、読み終わるごろには、人間って一人一人、あんたもあんたもあんたも…おれも、いろいろな意味でジンジョーじゃねえんだなとおもえてくるところが、またおもしろい。

そういうジンジョーじゃない人間たちが集まってつくりあげているこの世は、ジンジョーじゃないのはアタリマエで、理解フノーなわけです。

ところで、『仕事場訪問』発刊を記念したトークイベントが決まり、なりゆきでおれも登壇することになった。

1月14日(日)、下北沢のB&Bで、15時からです。

トークのテーマなど詳細は後日あらためて告知します。

これまで、四月と十月文庫発刊のたびに出版記念会が行われ、前作の著者が新刊の著者に「脱稿旗」を渡すことをしてきた。

7冊目の『理解フノー』の前は、牧野伊三夫さんの『僕は太陽をのむ』だったから、牧野さんからおれが「脱稿旗」を受け取った。

いまおれの手元にあるそれ(じつはそのときの出版記念会で泥酔しすぎて持ち帰れず、都内某所にあずけたままになっている)を、また牧野さんに渡すことになる。

その「脱稿旗」を受け継ぐ式を、このB&Bのトークの場でやる予定だ。との連絡が入っている。いったい、どういうトークになるのか。

とにかく、ジンジョーでなく、たのしいおもしろいことになるにちがいない。1月14日を予定しておいてください。

牧野さんの本は、単著では、これで3冊目。『僕は太陽をのむ』のあと、昨年12月に『かぼちゃを塩で煮る』(幻冬舎)がある。これがまたよいんですね。かっこつけない、自由でのびのびした料理と食事と文章と絵が、牧野さんらしい。ぜひご覧ください。

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2017/11/13

初めての北戸田で。

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埼京線の北戸田駅に降りたのは初めてだった。

鈍感なおれにもグサッとくる殺伐さに興奮して、思わず写真を撮りまくった。

コンクリートと鉄のむき出しの空間。

駅前にはKOBANと送電線の鉄塔を背景に芸術的な彫刻が無造作にあったり、出来たばかりの頃はオシャレに見えたであろうサビだらけのポールの街灯、その向こうにそびえる唯一の高層建築、タワーマンション、まわりは空き地だらけだ。

そして、なんと、何もない駅前に、ポツンと一軒の本屋があるのだ。おお、これぞ、荒野の開拓者魂。「本好き」のみなさんは、おしゃれなセレクトショップばかりに色目を使ってないで、もっと広い荒野へ向かって、このような書店を応援するべきではないのか。

おれは荒っぽい景色が好きなんだな。だいたい気取ったオシャレな化粧の街にはうんざりだ。あれは見た目とちがい廃墟だよ。

こういう景色のところには、必ず生々しい「生」の姿がある。

身体をはって生きるものたち。

きのうは、北戸田駅に13時集合だった。人だまりのない「無」の空間に集まった身体をはって生きるものたち一行は、建設現場へ向かうようなワゴンに乗せられた。

どこか知らないところへ拉致されるのだ。

駅からどんどん離れる。殺伐とした景色は続く。

この世は物流で出来ている。人間だってモノにはちがいない。そのモノが移動し交わることで、文化が生まれるのだ。文化は、殺伐とした景色のあとについてくる。と、あらためて感じ入るほど、頑丈な道路が交差しては続いていた。

先にモノの流れありき。

ワレワレが乗った車は、資材置き場やダンプが並ぶ荒れ地のような一角、工事現場のような囲い塀の中に吸い込まれた。うーむ、なにが始まるのか、麻薬の取り引きか拳銃の取り引きか。

しかし、この建物には、しびれた。しばし、あんぐり口をあけて眺めた。ほれぼれ。

ああ、もう書くのが面倒だ。

ここで、なんと22時まで缶詰にされ、その間に支給された弁当一つを食べ、酒はない。ワレワレがやったのは、ピンク映画のエキストラなのだ。もちろんエキストラ代は、いただきました。目の教養にもなりました。

まさに、生々しい「生」と「性」の現場。

しかし、何カット撮ったのだろう。ずいぶんたくさんあった。

撮影現場は昔から、フィルム、ビデオとも何度も経験しているし、そうそう「おとな選手権」なんていうお色気DVDにも出演したことがあるけど、ピンクは初めて。いい経験になった、人間の「生」と「性」について考えることも多かった。

以前からこのブログをご覧の方には、この映画の監督が誰かわかるだろう。あの哲学的リクツの多い、そしてあの話題の文芸映画の脚本を書いている方だ。その監督が、俳優に向かって、マジメな顔で「もっと股の奥に手を入れて」とかやっている景色は、なかなかいいものでした。

この映画は、来月上旬に初回試写があり、来年早々公開の予定。タイトルはまだ変わると思うので、はっきりしたら、上映日とあわせ告知します。とにかく、「チカンモノ」なんだけど、この監督らしく、チカンが切り刻まれるチカン撲滅ピンク映画なのであります。傑作に仕上がるでしょう。

楽しみだねえ。

北戸田もまた行きたい。ピンク映画のエキストラもまたやりたい、いや、主演男優をやらせてくれないかなあ。

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