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2003/02/13

マック

『昭和・平成家庭史年表』によると、マクドナルド1号店が開店したのは1971年7月20日。ハンバーガー1個80円。いまは、これより安いのだから、マックの努力は賞賛されてもいいか。しかし、記憶にあるそのバーガー(もちろん当時は「バーガー」などといわず正しく「ハンバーガー」だった)は、現在のものよりボリュームがあったような気がする。

それをそこで初めて食べたのは、すでに話題沸騰していた翌72年の春だったと思う。銀座は快晴だった。

銀座三越の、最近は行ってないから変わっているかも知れないが、「ティファニー」があるぐらいの位置にマックは開店したのだから、マックはティファニー並だったということになる。いまになってみると不思議だが、それぐらいのインパクトというかバリューがあったともいえる。

もちろんショップは道路に面していた。すでに70年に歩行者天国が実施になっていたから、おれが初めて食べたその日曜日もマックの前の銀座通りは歩行者天国だった。イスとテーブルが置かれて、ダンゴと寅さん的な旧庶民的景色とはちがう、新しい中流意識的な市民的風景を感じることができたし、おれもそこでバーガーを食べながら、その景色の一員だった。いまでは想像しにくいだろうが、そこだけが、かる~い、あかる~い、さわやか~な気分の景色だったといえる。

ハンバーガーも、たぶんコーラも、そのときが初めてだった。どちらも、それほど感心した味ではなかった、こんなに伸びるとは想像できなかった。当時、それを「うまい」という話を耳にした記憶がない。

ただ、それより、あの「立ち食い」「歩き食べ」のファッションが「革命的」といえるほど刺激的だったのは確かである。つまり、それは味わったことのない解放的な気分をもたらしたに違いないし、それがマックの前の銀座通りの景色だったと思う。それまであった旧日本的躾、「買い食い立ち食いはいけません」は、これでもろくも崩れることになった。

「神田川」という貧乏くさいうた、貧乏若者が金のかかる結婚などせずにセックスつき恋愛を楽しむ同棲が流行するのは、73年。新宿三越、これも最近行ってないから変わっているかも知れないが、「ルイビトン」のある位置ぐらいに、マックができていた。

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