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2003/02/25

料理とは2

整理すると、
A→B→C→…→X
これが通時的な処理。








これが共時的な処理。
料理は、基本的には、素材を集める→料理(調理)する→盛り付ける→配膳する、というぐあいに通時的に行われる。が、実際には、通時的な処理がいくつか平行して行われ、どこかで合わさったり。あるいは、たとえば通時的処理のBが別の共時的処理の下ごしらえで得られたモノであったり、というぐあいに、いくつかの処理の組み合わせになっていることが多い。

たばこ総合研究センター発行の『TASC MONTHLY』00年10月号に、知人で料理に詳しい博学の佐藤真さんが「ソシュール食堂のすすめ」を寄稿している。料理の通時的活動と共時的活動を解説しながら、「料理は基本的に言語の構造と同じなのである。ただし、多くの料理の場合、そのプロセスが複雑に錯綜し、また入れ子構造になっているものも少なくない」と述べる。そこにつけこんで、料理を経験主義と精神主義と神秘主義の祭壇に祭り上げる人物は少なくないが、彼はもちろん違う。最近のイタリア料理ブームを分析し、それが外食の場だけではなく家庭の台所にまで入ってきた原因をさぐる。

それはともかく、佐藤さんの解説は面白い。「<僕は、トマトソースのパスタが好きだ。>この文章は、→の方向に、<「僕」+「は」+「トマトソース」+「の」+「パスタ」+「が」+「好き」+「だ」>という順番でつながっている」「たとえば<「好き」+「は」+「トマトソース」+「僕」+「だ」+「が」+「パスタ」+「の」>というように、もし前後をバラバラに入れ替えてしっまたとしたら、意味がわからなくなる」

通時的処理は、その意味では厳密だが、しかし、その「トマトソースのパスタ」は「サバの味噌煮」と置き換えることはできる。

だから佐藤さんは、料理の「通時的な流れは、言語と同様に、変換がきかない。変換は全く別の料理への変換か、もしくは失敗を意味する。それに対して共時的な変換、つまり素材を換えたり調理法を換えたりすることで、バリエーションをつくりだす」と述べる。

ま、しょっちゅう料理しているひとには、すぐ合点がいく話しだと思う。問題は、それが、イタリア料理のブームや料理の歴史に関係していることにある。

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