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2003/08/26

犬肉食

「日本人も犬肉を食べているけど、たぶん量は少ないし、知らん顔しているから実態がなかなかわからないんですよ」

ソウル食堂でポシンタンを食べながらショクドーが話した。日本で犬食を聞き出すのは、なかなか難しい。何度か会って、この人ならしゃべっても大事にならないだろうと安心されるまで、聞くことができない。犬肉をくっていると、おかしな眼で見られることを意識しているし、だからこそ食べている人たちは「特別な」仲間意識で、それを隠そうとする。そもそも日本人はなんでも食べているくせに、狭量といってよいほど、偏見差別意識の強い民族である。自分のことはふせて、正義漢づらで他人を非難する。おまけに見栄を張るから本当のことはしゃべらない。食の実態は、なかなか聞き出すのが難しい。

しかしショクドーは二か所で、犬を食べた話を聞いている。どちらも山間の集落でのことで、熊や猪や、他の野生の動物の肉を食べているし、犬も食べている。一度はショクドーは、猟をやるひとの家で、一緒に犬鍋を食べた。

猟をやるが、もちろん猟師として生計を立ているわけではない。そして食べた犬は、いつも何匹か猟犬として飼っているなかで、使いものにならない犬を殺して食べるのだといった。ずっと以前から、それが普通なのだそうである。可愛がっていたものは人には渡さない、優秀な猟犬を残すには、そのようにして淘汰するのが「伝統」だというのだ。冷凍庫のなかには、熊や猪や兎の肉の塊と混ざって、犬の肉があった。

その猟師のところで食べた犬鍋より、ポシンタンのほうがはるかにうまいとショクドーは思った。食堂のひとに聞いてみると、そもそも下ごしらえがしっかりしているのだ。猟師の家では下ごしらえなどせずに、いきなり鍋にしていた。それでも、他の獣肉の鍋や汁より、犬肉はうまかった。

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