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2003/11/20

食文化

たとえば、プロバイダーやポータルサイトなどの検索カテゴリーを見ると、「食文化」や、それに類するカテゴリーがない。「グルメ」や「レシピ」など、食べ歩き情報や料理技術情報にまとめられる傾向がある。

「食文化」という概念が脚光を浴びたのは日本では新しいことで、1970年代後半以後だ。そのリーダー的な存在の石毛直道さんは、「食の文化」について、つぎのように述べている。「"日常茶飯事"ともみえる『食』のなかに文化を発見し、学問研究の対象とする。すると、そこに現れてくる『食の文化』の本質は、食べものや食事に対する態度を決めている精神のなかにひそむもの、すなわち人びとの食物に関する観念や価値の体系であるといえる。食べることに関するモノや技術、人体のメカニズムをいわばハードウエアとすれば、これはソフトウエアに当たるものである。」……学者の立場の発言で、言葉づかいが難しい。

ようするに「よい食事とは何か」に関することである。それは、「うまさ」に関する精神のありようも深く関係する。

ハードとソフトのバランスが崩れるとどういうことになるかは、いま「医療事故」でみることができる。つまり医療機器やハードのシステムの日進月歩はあっても、それに応じた医療文化の成長がないところから人為的なミスが続くとみることができる。「医療文化」とは、「よい医療とは何か」に関わることだ。

食文化の場合も似たような状況があって、実際に「事故」あるいは「事件」が少なくない。新しい食品や料理技術はドンドン導入されグルメだのなんだのと騒いだけど、さっぱり食文化の成長がないのだ。食文化の成長とは何かということが議論にもならない。カテゴリーに「食文化」や、それに類する言葉がないのは、そのあらわれだろう。もっとも、おかげで、グルメやレシピのサイトなど、日本の食文化が、どのように偏向しているかの資料としては事欠かない。

ま、一応、当サイトは大衆食の中に食文化を発見していこうというスタンスなのだが。おかげで、どこのカテゴリーを見ても、ピッタリくるものがない。

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