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2003/12/31

よい年を迎えましょう

それではみなさま
よい年を迎えましょう

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2003/12/29

抱負なるもの

女…まだ、なにか抱負があるそうで。

男…あるともよ。けっきょく、70年代からこちら、主に食はレジャーつまりエンタテーメントか栄養でしか語られてこなかった。それがしかも「食文化」であるかごとき装いで行われてきた。「研究」だの「評論」と称して中味は、ただ全国食べ歩きの道楽だったりとか。そのツケは、もういろいろなカタチででているけど。働くことと食べることが密接である食文化をキチンと構築しなくては、食の問題は、もっと深刻になるだろうね。

女…ということは、食のレジャーやエンターテーメントとトコトン闘うのですか。

男…そうだなあ、やはり発言に関する責任というのはエンタテーメントとはいえあるわけだから、内容によっては厳しく批判されなくてはならないだろうし、またすべきだとおもうね。

女…またまた、そういうことやると嫌われますよ。なにしろ、明るく楽しければよいというみなさんが圧倒的に多いのだから。

男…食の現実が、明るく楽しければよいとばかりいっていられなくなるよ。それに、働くことと食べることが密接な食にだって楽しみはあるのだし、そこに楽しみをみつけてこそ、グルメ騒動のムナシサを乗り越えた、普段の食の充実が得られるのさ。それはまた生きることの充実でもあるわけだけど。

女…ま、どうぞご勝手に。

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2003/12/28

抱負なるもの

女…来年の抱負をおねがいします。

男…「日本一うまい」といった表現をトコトン攻撃し、やめさせたい。

女…ほかには?

男…「上品な味でよい」といった表現をトコトン攻撃し、やめさせたい。

女…ほかには?

男…「本場の味」「本物の味」といった表現をトコトン攻撃し、やめさせたい。

女…ほかには?

男…つまりだな、「サバ味噌煮やとん汁や野菜炒めやマカロニサラダ」から食や料理の文化や歴史を考えるということだよ。

女…酒にたとえれば、純米酒や吟醸酒の話ばかりして、普通酒の話をしなくては、普通の生活はよくならないということですね。

男…そういうこと。

女…でも、そんな話、アリガタミがないから、誰も相手にしませんよ。みんな普通の生活がよくなるより、アリガタミの話が好きなのですよ。

男…アリガタミなんかクソクラエ。

女…孤独な闘いですね。

男…力強くめしをくっていたものが生き残る。

女…トシで、どんぶりめしを力強くくえなくなったといっていたではありませんか。

男…ま、トシ相応にということだ。

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2003/12/27

男のあがき

女…とにかく、本の原稿は、土壇場の26日に間に合ったようですね。

男…ぐったり。

女…でも、新年のほうが大変になりますよ。

男…それをいうな。来年のことは考えたくない。とりあえず酒だ酒。

女…まだ、年内のシゴトが残ってますよ。

男…うるへえ。

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2003/12/25

イブの翌日に女は荒れる

女…昨日はテレビ局の取材があったそうだけど。

男…ああ、「食と情報」というかんじで、新潟放送の取材を受けたのだけどね、それでいろいろ思い出したよ。いまのグルメ騒動の潮流は1970年前後に始まる。そのころは「情報化元年」といっていいぐらい、マスコミが「情報化社会」という言葉をつくりキャンペーンを始めた。

んで、また別の動きで、そのころは「レジャー元年」といってもよい状況が生まれていた。官僚主導の「余暇開発センター」なんてものができて、おかしなおかしなことに、「余暇」というプライバシーなことに官僚の指導が入るのだな。ヤレやれ余暇、ソレやれ余暇で、「余暇白書」がはじめてできるのも70年代前半。それはどういうことかというと、高度経済成長でなんとなくカネとヒマができたような状態になり、本当は借金がしやすくなっただけなのだけど、それをどう消費するかということになったのだな。

そこで浮上したのが「食のレジャー」だ。つまり「食べ歩き」ってやつだ。ところが、そのころはまだ「男子厨房に入るべからず」で、食通という特別な人種の道楽以外は、ま、食は文化的荒野状態だった。

そこで、カタログ情報誌が次々に誕生し、ヒマとカネができたけど貧乏な未熟な市民を導くことになる。「アンアン」「ノンノ」「ポパイ」「ホットドッグプレス」「るるぶ」というぐあいで。それは、いわば「余暇開発カタログ情報誌」ともいうべきものだった。

で、それを片手に旅行と食べ歩きがブームになる。つまり、外食と情報はおんぶにだっこで動きだすのだよ。で、台所のほうはほったらかし。グルメブームは、そういうふうに台所の外で情報とふっついて始まったところに大きな特徴があるんだな。それに「食のレジャー」は最初から官僚主導であって、消費者の主体性に欠ける面が、なかなか克服されず、よけい情報にふりまわされる状況が生まれているというわけだよ。ま、おおざっぱ、そういうこと。

女…ふーん。つまり、あなたにいわせると、消費者の主体が問題なのね。そんなの無理よ。日本は、栄養のことまで国家がめんどうみる国だから、消費者の主体なんて無理よ。「余暇開発センター」だって、「財団法人自由時間デザイン協会」って名前変えてやっているし。日本人は「自由時間」まで官僚のお世話になるザマよ。

男…おぬし、今日はなんだか荒れているな。昨夜のイブに男にふられたな。

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2003/12/24

アナオソロシヤ

女…こちらをサボリましたね。なにをやっているんですか。

男…なにをやっているって、本の原稿に没頭しているに決まっているでしょう。まもなく完成。ところが、あんまり没頭しすぎちゃって、書きすぎたようだ。昨日、最後の章にかかるので、その前に、何枚ぐらい書いたかなと思って数えたら、ななななななななああああああんと、1000枚も書いていた。400字千枚分だぞ。

女…バカ、としかいいようがない。編集者が、いくらでも書いていいと言ったにしても、そんなに書くなんて。

男…いくらでも書くことがあって、パソコンだと素早くどんどんどんどん書けてしまうんだよな。で、ワードで書いていたのだけど、最初はね、1ページ40字×20行で設定していた、それを読みにくいので、40字×40行に設定を変えた、そのことを忘れて1ページは2枚分というアタマで書いていたのだな。

女…ボケ。このあいだも15枚のところ、30枚書いてしまって半分に削ったといっていたでしょ。

男…ああ、あの原稿も、おなじ間違い。そういや、あの原稿、明日の発行だな。

女…どこに載るの。

男…財団法人塩事業センターというオカタイとこが発行している、ものすごいオカタイ「Webマガジンen」というサイトに載るんだよ。ものすごい「知的」でガクジュツ的なサイトだよ。おれは「食を探る」というコーナーで、『大衆食と「普通にうまい」』というタイトルで書いている。まったくガクジュツ的じゃないけどね。アナオソロシヤ、まわりはみんな研究者や専門家というひとたちばかり。明日になったら、リンクをはっておくから見てくれ。

女…原稿の書きすぎといい、アナオソロシヤ状態。

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2003/12/21

ああ年末

女…いろいろ忙しそうですね。

男…いろいろ忙しい。きのうはBOOKMANの会があって、発表会があって、そのあと忘年会。ひさしぶりに朝まで飲んで朝帰り。

女…原稿は、どうなったのですか。

男…それをいってくれるな。ちゃんと進んでいる。今年は昨日の忘年会以外、みんなパスしてやっているのだ。それにな、とつぜん舞い込んできたシゴトもあってな。新潟日報のインタビューに応じたのだが、元旦の記事になるのだそうだ。で、それは記者に来ていただいてこなしたのだが、それは来年一年間かけてやる食関係の連載企画特集の最初のインタビューなのだが。ところが、新潟ローカル局のテレビ番組とリンクしてやるのだそうで、年内に録画もしなくてはならないという話になって、困っている。こっちに来てもらって、なんとか時間のヤリクリはつくのだがなあ。落ち着いて原稿を仕上げたいのに思うようにいかんなあ。

女…朝まで酒飲んでるくせに何いってるの。で、そのインタビューの内容は、どんなことだったの。

男…ああ、ま、ようするに、いまは書くのがめんどうだ。じゃあな。新潟のかたは、元旦の新潟日報を見てください。

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2003/12/20

溶けた豆腐、昨日の続き

女…溶けた豆腐の件は、どうなりました?

男…今日は忙しい、というか本の原稿が最後の山の佳境に入ったかんじだから、一気に書き上げたい気分。溶けた豆腐なんか、どうでもよい気分。

女…豆腐屋さんから電話があったのでしょ。

男…あったあった。豆腐屋さんというより、豆腐メーカーだけどね。でも、豆腐屋のオヤジというかんじだったが。

女…で、なぜ溶けたの。

男…想像していたとおり、異物やなにかの混入ではなくて、原料調整のミスだね。凝固剤が微妙にすくなすぎたのさ。「なるべく凝固剤を少なくしようとやっているもので」といっていたけど……。ま、そういうこと、じゃあね。

女…あんあんあん、もっと聞かせて。

男…あやまりにくるといったから、そんなめんどうしなくていいといった。それじゃ気がすまないからと、なにか送ってくれるようだ。

女…もっと怒って抗議しなかったの。

男…異物混入なら怒ったけど、そういう原料調整の微妙なミスは、わざとじゃなくて、気をつけていてもおきるし、怒っても解決するものじゃないからね。じゃあ、まちがいなくかためるために凝固剤ふやしてしまえという安直なことになっても、解決にならないし、メーカーと客が理解しあい納得しながら、現状で望ましいよい状態をつくるより仕方ないから。

女…ふーん、そういうものなの。

男…そういうもの。消費者も、客だからと威張っているだけじゃなく、問題があったら、ただヒステリックに騒ぐだけじゃなく、生産者とどうよい製品をつくるかということで関係をつくらないと、お互いに進歩はしないよ。

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2003/12/19

アリガタミのない話

男…昨夜、すごいことがありました。

女…なんですか?

男…鍋をやりました。豆腐を入れました。すると、その豆腐が、熱せられるにしたがい、崩れ溶けるのです。

女…えっ、その鍋、どこの女とやったのですか。わたし以外の、どこの女と。

男…これこれ、問題は、溶けた豆腐でしょう。とにかく、それを食べないと、もう食べるものがない、なにしろみんな一緒に鍋にほおりこんだのでね。だけど、鍋のなかはカス汁みたいに白くドロドロ。これは、溶けた豆腐は食べていいのかどうか、はじめてなのでわからない。で、電話したんだよ。

女…食べればよかったのに。

男…これこれ、それで、豆腐のパッケージにあったメーカーのお客様相談室に電話したけど、もう夜の8時だから通じない。買ってきたスーパーに電話した。で、事情を話して、これはこのまま食べていいものかどうか相談した。とくにおかしなニオイはしないし、ちょっと食べてみたけど、舌に刺激があるようなことはない、とにかく腹がすいているから、食べようかどうか迷っていると。すると、それは食べないでくれというのだな、万一なにかあるといけないから。でもそれじゃ食べるものがなくなるというと、いますぐ鍋のものを持っていくから、食べないでくれ、鍋には何をつかっていますか、というので、これとそれとあれといった。そしたら、10分ぐらいで、営業マネージャーというひとが、それを持って現れた。みんな実際に買った倍ぐらいの量に、豆腐代と電話代を持ってきたのさ。しかし、豆腐が溶けるのには、おどろいたなあ。スーパーの人も、崩れることはあっても、溶けるのは初めてだといっていたよ。

女…それでおしまいなの?

男…今日、メーカーからなぜ溶けたかについて、電話があることになっている。それから、そのスーパーが持って来た大量の鍋用の具があるから、また鍋をやるというわけ。

女…それでおしまいなの?

男…それだけ。とにかく豆腐が溶けたというのが、おどろき、おもしろいことがあるという話。最近は、どこもコストダウンで材料調整をしているから、それでなにか失敗したんだろうなあ。

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2003/12/18

アリガタミといふこと

男…まだまだアリガタミで、このあいだに続き、「栄養」と「健康」だ。近年、これほど味覚を無視したアリガタミはない。

女…太りすぎ、カロリー、高血圧、ガン、植物繊維を気にしていますね。で、痩せられる、カロリー控えめ、植物繊維がある、高血圧をふせぐ、ガンの予防になるというと飛びつきます。アリガタイアリガタイです。

男…だいたいね、太りすぎや高血圧の基準ってのは、どうやってきまるの。個体差があるはずじゃないの。

女…いえいえ、それは国の基準で決まるのです。でね、ここ10年ぐらいのあいだに、肥満とされる基準、高血圧とされる基準が、引き下げられたのですよ。これは当然、肥満がふえ高血圧がふえます。健康なひとまで不健康にさせられます。なぜそういうことを国がやるかというと、健保財政の赤字対策なの。医者の収入を削れないから、病気で医者にかかるまえに、本人のカネで病気を防ぐ体制をつくろうと。そこで脚光を浴びたのが「予防医学」というわけね。

男…あらかじめ半病人をつくり、自分のカネで注意をさせ、もって政府の赤字を防ぐという「予防」。で、基準値を下げて、マットウな人間にむかって、あなた太りすぎです、高血圧です、と不健康人間を増やした。「生活習慣病」という言葉までつくってね。政府医者御用栄養士学者ら結託の大キャンペーンのなかで、粗食なるものもブームになった。

女…「上品なうす味がよい」も大人気。自分が不健康だと思っているから、味覚まで変わってしまう。ガンガン働いて健康な人間なら、ショッカライもの食べて当然だし、それで「うまい」とおもう、それが健康というものでしょ。本当に身体の調子が悪いときは、塩あじがきつくかんじるものよ。それが、いまはいつも塩分ひかえめだから、味覚の変化で、自分の健康状態を自分で判断することもできない。

男…太りすぎや高血圧に注意しなくては、とかいう意識がいつも休みなくアタマのなかを占領している環境だよ。大衆食堂のメニューにまでカロリーが書いてあるからね。大衆食堂でめしくう人間がカロリーを気にする。おかしいよ。

女…そうなると、うまいかうまくないかにかかわらず、「上品なうす味」に安心しますね。もう、うす味でコクもない、まずいものだらけ。だけど「上品なうす味」アリガタヤアリガタヤなのです。もう味覚がおかしくなってます。

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2003/12/17

アリガタミといふこと

女…このアリガタミの話はいつまで続くの。

男…さあね、このサイトをつくっている男が、とにかく原稿書きに追われていて忙しくて、こっちをテキトウに惰性でやっているからね。

女…それではアリガタミ言葉というか、アリガタミ言葉だけで、味の表現がない典型というと、こういう漫画ですね『美味しんぼ』。

そもそも、この主人公の山岡記者は、ロボットのような男で表情がないのだけど、言っていることもロボットみたいにアリガタミ言葉の「本物」をオウム返しするだけ。このカツ丼なんか、こうですよ。

「まず豚肉だ、薩摩の黒豚のロース肉」「サツマイモを食べずに育った黒豚なんて本物の黒豚とは言えない」「パン粉は自分で作る。小麦とイースト菌だけの本物のパンだ」「卵は愛知県の良心的な農場の卵、醤油は大豆と小麦だけを使って二年以上寝かせて作った、御坊市の本物の醤油、味醂はモチ米と本物の焼酎だけで作った本物の味醂」というぐあいで、食べたお味については「これがカツ丼!? すっごい上品な味よ!」「ただのカツ丼も本物の材料を使えばこんなに洗練された味になるのね!」だって。

どこにも味の内容、具体的な味の表現がないの。もうアリガタミ言葉のオンパーレードで、まったく中味のない漫画。こんな漫画つくっているほうも見ているほうも、「本物のグルメ」とは思えない、「ニセモノのグルメ」でしょう。

男…ようするに、あの山岡という男は、思考能力のない、受け売りしかできない、ロボット人間なのさ。ということで、今日はやめましょう。

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2003/12/16

アリガタミといふこと

男…たしか視聴率操作をしたテレビ会社だったと思うけど、「幻のイセエビ」で「やらせ」をやったと問題になってたね。食品メーカーがインチキ表示をやると会社が傾くほどの大騒ぎをマスコミをあげてやるのに、自分たち身内のことは、あまり騒がない。

女…それはアタリマエでしょ。マスコミも医師会もおなじよ。ウソやインチキやって人が死んでも平気なの。大きなビル、ええかっこしで、やっていることは低脳よ。だいたいね、むかしは、医者の裏口入学が問題になったけど、最近じゃまったく問題にならないでしょ。もう当然になっているの。

男…ある地方の青年が医者になるため、ある私立の医大の試験を受けました。一年目不合格、二年目不合格。試験のたびに泊まっていた、東京の親戚のオヤジが、青年に「どこを受けているの?」と聞きました。初めてオヤジは青年が医者の学校を受験していると知りました。「なんだ、田舎者は、これだから困るよな、いまどき私立の医者の学校に試験だけで入ろうってのが間違っているよ」と。そのオヤジのコネで、ある医大の教授とコネができました。合格しました。普通の入学費用のほかに1千万円を教授に渡しました。しかし、医者には国家試験があります。これを、どうやってパスしたのでしょうか。彼は8年かかったのですが。

女…それはね、医師の国家試験というのはね……。

男…あっ、その話は、いいの、そういうことじゃなくて、問題は「幻のイセエビ」

女…いまや「幻」はアリガタミ言葉です。もうこれがついているだけで、うまいことになってしまうわね。

男…このあいだ「幻」のつくラーメン屋で食べたけど、オゲッとなるほどマズかったのに、いつも混んでいるんだよ。日本人の舌は、どうかしていると思うね。

女…「幻」がアリタガタミになったのは、日本人の舌がアジノモトのおかげで機械的な感覚になったからよ。もうアジノモトの味では反応しない、その味はアタリマエだ、ってことで、「幻」が登場したの。だから「幻」のラーメン屋はチェーン店でしょ。つまり「幻」のアリガタミがわかる人は、アジノモトを味わいつくした機械的な感覚のひとなのよ。だからね、なんどもいわせないで、まったくこのバカ男。アジノモトがもはや普通でアタリマエになった機械的な感覚がマスとして存在するわけよ。だから儲けるためにはそこをターゲットにアリガタミを売ることなの。わかった?

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2003/12/15

アリガタミといふこと

女…アリガタミというと京都ね。あの優雅。

男…どうだ、アリガタイだろうヒカエオロウ、だね京都は。京都の料理なんか、アリガタミだけで食べさせているし、アリガタミだけで食べているような客がおおいから、内容のないこと天下一品。

女…「天下一品」なんていう名前を堂々と使うラーメン屋も京都です。でも、京都はアリガタミの土地ですから、そういうことを堂々とやれるわけです。見習わなくてはいけませんね。

男…あのラーメン、京都では食べたことないけど、東京の某所で食べて、不味くてまいった。

女…京都のモノに、味をいってはいけません。ひたすら京都だ京都だとありがたがって食べると、アリガタミがあっておいしいのです。

男…ふん、京都の料理というのはさ、どれもこれも味がないようなもので、しかも量が少ないから、まったく食べた気がしない。これはうまいまずい以前の問題だよ。

女…だから、そういう内容のないもので高いカネをとる、それがアリガタミの商法というものです。よく勉強しなさい。

男…とにかく、京都のケチは大阪のケチよりすざましくて、わたし大阪のようなガサツなケチじゃございませんという顔して、おっとりした顔で、実際はものすごくイジマシイケチで、京都の料理の、あの味がないにひとしいうえに量がすくない、あのみすぼらしさいじましさは、京都のケチ体質から生まれたものだね。

女…あなた、もしかして、京都の女にふられた恨みかなんかあるの。とにかく、京都の観光は、究極のアリガタミ商売の寺社仏閣に貴族の伝統、これですから、あそこは丸ごとアリガタミの博物館です。アリガタミを研究するなら京都ですね。

男…ふん、京都の女がなんだ。でも、大衆食堂となると、京都も東京も大阪もかわらんね。大衆食堂は、どこも実質だから。

女…大衆食堂の京都はアリガタミに関係ないの。あなた、京都へ行ったら大衆食堂になんか入らずに、京都のアリガタミを、もっと研究しなさい。

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2003/12/14

アリガタミといふこと

男…おれがアリガタミの男になって儲かる方法を考えました。「実は大衆食堂は、バランス食の宝庫なのですぞ!」と女性が女性に向かっていっている。これです。

女…はぁ?

男…つまり、栄養バランスは、女性にとってはアリガタミなんだよ。ほら、いまやメニューにカロリーが書いてないといけないぐらい、栄養バランスはアリガタミなのさ。大衆食堂が、そのバランス食の宝庫であるならば、大衆食堂はアリガタミの宝庫であり、大衆食堂の帝王であるおれはアリガタミの帝王になるじゃないか。どうだ。

女…でも、栄養というのは、生理の実質であって、経済のカネとおなじで、それはアリガタミじゃなく、実質というものでしょう。まだ、あなた、アリガタミがわかってないわね。アリガタミというのは、実質はないの、ないけどアリガタイものなのよ。

男…なにいう、アホ。栄養学そのものがインチキで実質がないじゃないか。

女…あら、そんなこといって、カワイイ女性がたくさんいる栄養士の先生方を敵にまわしていいの。

男…ふん、おれの興味は真実で女じゃない。栄養学なんてのは、まっとうなものじゃないぞ。あれは、もともと、その始まりからしてそうだが、医者が病気治療に考えたものだ、健康じゃない人間、病人用のものなのだ。それが、いまやみんな強迫観念にかられ、栄養をありがたがっているだけなのさ。医者が病人をつくるように、医者と栄養士たちが結託し、太りすぎだカロリーとりすぎだと脅して商売にしている。あの粗食のデタラメとかいうベストセラー本なんか、その典型だよ。あれ読めば、まともな人間は一人もいなくなってしまう。そこだよ、な。この脅迫観念ってのがだな、アリガタミのもとにあるのだよ。

女…で、なによ、皇太子妃雅子さんがストレスで長期療養になったのは、大衆食堂のめしをくってなかったからだとか、そういうことをいうの。

男…そうそう、よいとこに気がついた、そうだ、皇族のどなたかに大衆食堂にきてもらって、雅子さまの病気治癒の祈願にサバ味噌煮定食を食べてもらうってのはいいな。そうなりゃ、栄養バランスのアリガタミに、皇室のアリガタミ、女たちにとっては二大アリガタミの両方を大衆食堂は手にし、これでアリガタミとしては鬼に金棒だろう。そこでオレサマ大衆食堂の帝王は、もうアリガタミの帝王だ。わかったか。

女…ああ、神様、このバカ男をなんとかしてください。

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2003/12/13

アリガタミといふこと

男…おかしい。あの雪印問題や、それからあとの狂牛病問題や不正表示問題、大騒ぎだった。おかしな言い方かもしれないけど、一人も死んでなくても大騒ぎで、経営が危機に陥る有様。だけどね、ここのところズーット医療事故が続いて死ぬ人、殺される人がたくさんいるのに、大騒ぎにならない。経営の傾く病院もない。

女…食品はアリガタミがなく、お医者様はアリガタミがあるからですわね。なにしろお医者様がオススメの食品はサルでも争って買うぐらいアリガタミがありますもの。ね。

男…ちゃかすんじゃない、このアホ女。おれは本気で怒っているぞ。これはな、医者の問題を騒がないのは、医師会が特権階級で、マスコミは特権階級に弱いからだ。政府だって、医師会を敵にまわせないぞ、自民党にとっては一番重要な支持団体だし。医者はやりたい放題さ。

女…またまた、そんなこといって。騒がないのはマスコミじゃなくて、一般市民さまよ。あなたの好きな大衆様が騒がないからマスコミも騒がないのよ。それはね大衆にとって、お医者様はアリガタミだからの。

男…なにいう、アホ女。食品問題のときと、「医療事故」のときと、マスコミの報道の仕方がまったく違うだろ。とにかく、健康保険制度の問題にしてもだ、医者も政府・与党も結託して臨んで、最初は「医療改革」と「健保改革」だといっておいて、健保の大衆負担だけ増額したら、医療改革なんていう言葉も聞かれなくなって、医者はカネをとりたい放題、患者を殺し放題になっただけじゃないか。クソッタレ。どうして食品メーカー問題では、あれだけ大騒ぎして、これだけ死んでる医療問題じゃ騒がないのだ。東大病院だって殺しているぞ、慶応病院だって殺しているぞ、慈恵大病院だって殺しているぞ、北里大病院だって殺しているぞ、それから……もうすごいものだ。だけど、まったく大騒ぎにならない。まだまだ殺されるだろう。

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2003/12/12

アリガタミといふこと

女…あなた、まだわかっていないわね、アリガタミというのは、中味や実質がなくて、ただ観念で、アリガタイものじゃないといけないのよ。元祖とか、本家とか、本場とか、本物とか、そうでしょ。おカネは、実質だから。アリガタイモノで、アリガタミではないの。わかった。

男…ははあ、最近「東京がウィーンになる夜」というキャッチフレーズをみたけど。この場合、「ウィーン」はアリガタミ言葉ということか。

女…そう、東京は東京だものね。だけど音楽ファンには「ウィーン」はアリガタミなのよ。ほら、ここにある料理の先生のプロフィールには、「ニューヨークとパリの製菓学校に留学した経験」とかあるわね、これなんかアリガタミね。だからそれがどうしたのよ、というものでしょ。でも菓子を作ろうかなという人には、ニューヨークとパリはアリガタミなの。「毎日築地へ仕入れに行きます」なんてのもアリガタミね。築地といってもなかはピンからキリまであるのだから。でもね、それが世間のみなさまにとってはアリガタイの。神棚のお札みたいなものなのよ。あなたも、「貧乏暮らしが趣味」なんていう、まるでアリガタミのないこといってないで、もっとアリガタミのある経歴をつくりなさい。

男…本場の男です。

女…バカ。元祖大衆食研究家とか本家大衆食研究家とかいうものよ。なにかないの。

男…本物の男です。

女…バカ。本物のバカにはちがいないわね。

男…大衆食堂は男の本場です、大衆食堂は本物の男がめしくうところです、そこを愛するワタクシは本場の男、本物の男です。

女…ああ、もうやってらんない、あんたは本物のバカ。

男…話はちがうけど、さきほど共同通信で「自衛隊派遣先に決まったイラク南部サマワの目抜き通りに掛けられている「ようこそ自衛隊の皆様」と日本語で記された横断幕が、日本人ジャーナリストによって書かれ、アラビア語の原文にない「自衛隊」が加えられていたことが12日までに分かった。横断幕の映像は派遣に絡む報道で何度も放映された」というニュースが流れたね。

女…憲法をキチンと改正しないで、前文の解釈だけでムリヤリ海外派兵の既成事実をつくろうということだから、なんでもするでしょ。小泉なんていう男、厄病神の貧乏神で、生活は悪くなるし実質はないのに首相でいられるのは、アリガタミを創作するのがうまいからよ。

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2003/12/11

アリガタミといふこと

男…新聞やテレビや雑誌にのったとか、あるいは、そこに登場しているひとが来たとか、皇族や有名人のダレソレさんも来る店だとか食べたものだとか、そういうものもアリガタミだね。ようするに「グルメ」のアタマと舌は、アリガタミの能書き情報で占拠されている。

女…そうよ、だから私がもう何度もいっているでしょ。だからアリガタミ言葉をつかって書かなきゃ、いけないの。売れているひとは、みんなやっているでしょ。ありふれたものをおいしく、普通を大切にじゃ、だめなのよ。バカねえ、あなたって。

男…クソクラエ言葉なら知っているけど、アリガタミ言葉ってのはどうもね苦手だね、また続けてみてくれよ。

女…あなたお酒飲むでしょ。

男…地位より酒がほしい。

女…アリガタミのある酒があるでしょ、ドコドコの純米酒とかドコドコの吟醸酒とか。

男…アルコールであれば、なんでもいい。酒にあった飲み方します。

女…ああ、しょうがないわねえ、アリガタミのある米があるでしょ、「魚沼産コシヒカリ」

男…米であるならなんでもいい。米にあわせて料理します。

女…アリガタミのある野菜あるでしょ、「有機栽培」とか。

男…野菜であるならなんでもいい。野菜にあわせて料理します。だいたいね、おれの行くスーパーなんか腐った野菜も平気で陳列しているよ。コスト管理だけ徹底して、野菜の見方も知らないような学生アルバイトを使っているからね。

女…じゃあ、アリガタミのある女ってのいるでしょ。

男…います。カネを貢いでくれる女。あなたのように金をつかわせる女は、アリガタミありません。

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2003/12/10

アリガタミといふこと

男「開高健の『新しい天体』だけど、最後、パンツをおろしてかがみこむと、瞬間的、しかも全容において完璧な雪崩が音をたててほとばしりはじめた、というふうになるよね」

女「そうそう、あの終わり方、すごい。ブウ助にプウ太郎、びちゃ右衛門にビチ左衛門……」

男「そして食べまくったもの一切合財が喊声をあげて流出する」

女「有楽町のたこ焼き。神戸のたこ焼き。道頓堀のドテ焼き。たこ梅のサエズリ。ゴウボウ巻き。ひろうす。トリガイ。カマボコ。コンニャク。タコ。松江のスズキの奉書焼き。シラウオの踊り。アカガイ。イカ。津田カブ。出雲そば。カモの貝焼。コイの糸づくり。出雲ウナギ。めのはめし。アマエビ。四ツ谷の丸梅のウズラめし。シラカワ。マロン・シャンティ。北海道のホッケ。チュ。キンキン。メンメン。カジカ鍋。メフン。ジャガイモ。トウモロコシ。オヒョウ。サケ。毛ガニ。ホッキガイ。ホタテガイ。シシャモ。タラ。秋田のキリタンポ。十和田のヒメマス。とんぶり。八戸のキク。盛岡のドッコイジャンジャンのわんこそば……ああ、もう、いくつ並ぶの」

男「その調子で、あれって、ほとんど能書きのあるアリガタミのものなのだけど、アリガタミの言葉をあげてみてください」

女「とにかくね、アリガタミといったらね、本家、本場、本物、これ御三家でしょ。ヘヘェでしょ、あれは、それを食べ歩いて、最後クソにしてしまうという、もうこれは風刺といいましょうか皮肉といいましょうか」

男「アリガタミ言葉クソクラエ」

女「だから、それじゃあ、クリスマスだっていうのに、わたしをアリガタミのあるホテルへ連れて行けないでしょ」

男「クソクラエ言葉をあなたにプレゼントしたい」

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2003/12/09

アリガタミといふこと

男「では、そのアリガタミになる言葉をあげてみてください」

女「そんなの簡単よ、そのへんにゴロゴロよ。たとえば、幻、達人、シュン、プロ、老舗、フランス料理、シェフ。たとえば、西洋料理界の長老関塚喜平氏(プロスペール・モンタニエ日本支部会長)、20数年のキャリア、御三家、鹿児島の黒豚、千葉県御宿の地鶏の卵、日高こんぶ、器は美濃の蓋丼、といった表現。だからそれが何よってかんじではありますね、でもアリガタミになるの」

男「なんだそれは、古雑誌じゃないか」

女「そうよ、これはね、たまたまこれはそばにあっただけ。danchyuが創刊になった年の6月号の、塩田丸男さんの記事。このひとのこの文から、こういう表現をとると、何もないぐらい徹底している。エライ。でも、みんな、というかメジャーなメディアの内容は、こういうものなのよ、これでアリガタヤアリガタヤでみんなはうれしいの」

男「あのひとは御用ライターで”平和ボケ”なんていう言葉でしか日本人と日本をめぐる情勢を認識できないひとだから、そんなていどでしょうねえ。モノゴトを認識する力はないのです。そういうことが、アリガタミのために必要だと、あなたはいうわけだ」

女「そうよ、これがね、ほら、アリガタイでしょ、日本百名水でつくった酒ですとか」

男「オッ、でも、ここにある、小沢昭一さんの文は、なかなかじゃないか。ほら、”カツ丼と言えば、肉ばかりでなく、玉子も違うし、パン粉も油も違う。すべて良質のものに変わった。しかし、良質のものの組み合わせが、必ずしも良いものを生むかというと、どうも違う気がする。適度な悪質が混じるから旨くなると思うし、味にも個性が出てくると思う”ホラ、これこそ自分の眼で見、考え、自分の感覚で味わっているひとの言葉じゃないか。内容のない塩田丸男とは、まるで違うね。こうでなきゃいけないよな」

女「だから、それじゃね、ちっともアリガタミがないでしょ。この小沢さん、ブタの味の話だけど”僕は、昔はブタが生ゴミを食べていたからじゃないかと睨む。あれが旨さの素だったんじゃないかと思う”ナーンテ、これじゃ豚小屋のクサイ臭いだけで、ちっともアリガタミがないでしょ、だから”平和ボケ”のようにバカにもわかる単純化した表現として”鹿児島の黒豚”といえば、それでアリガタミになるからいいの」

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2003/12/08

アリガタミといふこと

男「日本にはさ、といっても、外国のことは知らないけど、”有難味”つまり”アリガタミ”という”味”があるのだよね」

女「そうよ、あなた知らなかったの、アリガタミのある男がモテルのよ」

男「いや、ま、そういうこともあるかも知れないけど、男女の問題じゃなくて。このあいだ、カレーライスは、かりに”伝来モノ”でもよいとしよう、しかし、日本の食文化においては汁かけめしであることには違いないのだという話を、あるひとにしたら、それはわかるけどそれでは”アリガタミがないね”といわれたのさ」

女「だから、そのことよ。あなたみたいに、実体だのなんだのと、本質的なことばかり言っていると、しらけてアリガタミがなくなるの。ウソでもイイカゲンでもいいから、アリガタミのある話をすると、みんなはよろこぶのよ。イイカゲンな低脳なヤラセのテレビ番組を少しはみならいなさい。カレーライスにかぎらないけど、ルーツや先祖や元祖を日本人がよろこぶのはね、アリガタミのためなのよ。それが汁かけめしじゃ、アリガタミがないでしょ」

男「しかし、オカシイことはオカシイだろ」

女「なんでもいいのよ、ウソでもいいのよ、アリガタミがあれば」

男「しかし、それじゃ歴史はゆがむし、だいいち正しい自己認識や社会認識ができないではないか」

女「だから、いいのよ、正しい歴史や自己認識や社会認識など、そんなにアリガタイものじゃないの、日本人にとってはね。そんなことどうでもいいの」

男「しかし、では、あの紙の箱に入った酒が、あんなにスーパーに並んでいるのは、どうしたわけ。紙の箱じゃ、さっぱりアリガタミがないと思うけど、売れているじゃないか」

女「だから、あなたはアリガタミがわかってないというの、箱にはね、いろいろな能書きが印刷されていて、アリガタミをつけているでしょ。そういうふうに、アリガタミが大事なのよ。中味、実体なんか、どうでもいいの」

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2003/12/07

「鑑賞」といふこと

昨日の日記にあげた、開高健さんの『新しい天体』は、何度読んでも面白い。読むたびに、新しい発見がある。今日は、開高健さんの食に関係ないエッセイや小説まで本棚から探しだして読んでしまった。原稿を書くために読んでいたのに、どんどん原稿書くの忘れてしまう。マズイ。

一昨日、ちょっと登場した田中康夫さんと開高健さんの共通するところは、「普通」をよく理解していることだと思う。それは当然でなければいけないと思うし、そういう作家は、ほかにもいて、たとえば林真理子さんや東海林さだおさんや椎名誠さんや玉村豊男さんなど、そうだ。

もちろん食べ物、食べることについてだが。普通をよく理解したうえで、よいものうまいものを語る。そこが、普通も理解しないまま、「究極」だのなんだのといっている連中とはちがう。つまり、普通のものを語るのがイチバン難しく、本当に理解しないと語れないのだ。

それは、吟醸酒や純米酒について語るのは簡単でも、普通酒を語るのは難しい、という例を考えてもらえばわかるだろう。特別なものは特別な特徴があるのだから、究極だのなんだのって、いくらでも美辞麗句を並べることはできる、しかし「普通のもの」については、ま、開高健さんの言葉を借りれば、「”鑑賞”とひとくちに呼ばれる観察眼、洞察力、素養などが明滅する」のである。

といいながら、いつも大衆食のような普通のものを語っているおれは、観察眼、洞察力、素養など、大丈夫なのか? 大丈夫のはずねえだろ。

と、これを書いたネライは、おれのことはダメでもいいから、挑戦している熱意だけ買っていただいて、と都合のよいことをいって、ほかの食べ物について書いているものを読んだら、その作者の観察眼、洞察力、素養などの明滅ぐあいを、よくチェックしましょうねと、そっちに話をふるためなのだ。とくにグルメを気どるひとの文章は、厳しく、そのようにチェックするように。そのことでまた自分も、”鑑賞”の力がつくと思うのだが。

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2003/12/06

言葉の理解

人間は、その所属する集団のなかでモノゴトを考え、モノを言う。それを理解して、その言葉を理解しなくてはならない。しかし、それをしないで、自分の都合で、その言葉を用いることはよくある。

そして一方、このアタリマエのことがわかって、自分の実になるようにひとの言葉をヨミ、より人びとの幸せになるように、その言葉を用いるひともいる。

ブリア=サヴァランの言葉などは、世界中でよく使われているが、そのようにブリア=サヴァランを、もっともよく理解していた日本人は、書いているものを見た範囲内ではだが、開高健さんではないかと思われる。彼はブリア=サヴァラン『美味礼賛』の「新しい御馳走の発見は人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」の箴言を用いて、『新しい天体』という「食味小説」を生んだ。それを読むと、つくづく、ひとの言葉をよく理解することの大事さ大変さがよくわかる。

今日は、イラクで死んだ政府の役人の葬式で、その人が言った言葉を用いてキャンペーンが始まっている。最初から政府が2人の死をどう利用しようかという意図はハッキリしているのだが、あまりにも露骨で、いささかウンザリである。

1人が「いまさら引き下がれない」と友人にしていたメールの一言を取り上げて、それを「強い使命感」だとしている。それは死人に口なし、一度肉体を離れ文字になった言葉は1人歩きするのたぐいを、勝手に利用する例だろう。

「いまさら引き下がれない」は、そういう状況に陥っているという、それはまさに彼が所属した集団である政府が、強引にコトをやった結果を表しているにすぎない。それを「強い使命感」などというのは、生き残っている政府の人間の身勝手だし、彼が陥った、そのように極まった苦境を国民全体のものにしようという政府の意図の働きにほかならない。死人の言葉に対して、あまりにも稚拙。

おれはかつて山岳部に所属し登山をよくやって、山で死んだひとの葬式に何度か出た。決まったように「山で死んで本望だろう」「勇敢だった」「男らしかった」というセリフが出る。しかし、それでは山の遭難死は減らないわけで、慰めとしてそういうことは言っても、もっとキチンと自分は同じ遭難はしないようにしようと考えるものなのである。それがアタリマエというもの。彼が生前、仮に「山で死にたい」といっていても、その遺志を継ごうなんていうひとはいない。生命は貴重なのだ。

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2003/12/05

神戸の大衆食堂

「ヨッ大衆食堂」に「なーるほど! 神戸の大衆食堂と大衆食」というリンクをはった。神戸のMSHIBATAさんのサイトの「ちょっといいお昼ごはんの店」にジャンプする。

MSHIBATAさんは、おれが「入ってみたい食堂」で勝手にリンクをはっていた皆様食堂やマルイ食堂が載っているサイトの主宰者なのであった。検索で見つけたとメールをいただいた。無断リンクでしかもホームページにはリンクしてないし、皆様食堂もマルイ食堂もどちらも似たつくりだなとは思ったが探求もしなかったので、同じサイトの同じコーナーとは気がつかなかった。

そういうわけであったが、勝手にリンクをとがめられることもなく、ま、とがめないのがアタリマエだとは思うが、初めてメールをいただいてからも新たに魅力的な食堂が掲載になるし、そもそもナゼ神戸には、そのようによい大衆食堂つまりは大衆食が多いのか、そのワケは、ここを見るとよくわかる。だから、ここにリンクをはってしまったのだ。更新情報は載せないけど、ときどきチェックしてください。

神戸の大衆食堂については、前によく、田中康夫チャンが「ペログリ」に書いていたね。

神戸へ行ったら、ここに載っている食堂で神戸の大衆食を食べ、おれのとこにルポをください。

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2003/12/04

本日は

体調不良につき、休み。

アイスノン頭に一日中ウツラウツラしていたら、闇の中から、「よく60まで生きましたね」という声がした。

ああ、お迎えか、だけどちょっと待ってくれと、意識をはっきりさせて、わかった。

その声は、このあいだ、カラオケボックスで、おれの横に座っていた、おれの子供ぐらいのトシの幽霊のようなモノカキ男が、おれの耳元で囁いた言葉だった。アブナイ、アブナイ。

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2003/12/03

気になる棚

スーパーやコンビニで棚が気になる。いまはなんていうのか知らんが、おれが現場にいたころは「フェイシング」といっていた。商品を棚にならべるとき、客の方に顔を向けて置く、ま、その「面取り」とでもいうか、どの商品がどれぐらい棚の面を取っているかである。

以前は、そのフェイシングと売り場の大きさをザッと見ると、店の一日の売上げの見当がついた。そんなに大きくは、はずれない。ま、オシゴトで、しょっちゅう、そういう風に店を見ていたのだから、それは当然なのだが。いまはもう売上げの見当はつけられない。ただ、自分の買い物の経験で、よく行くスーパーの平均客単価は見当がつく。とにかく、棚の品種を観察するクセがついている。

それで棚を見ていると、いろいろ気になることがある。おれがよく買い物をするスーパーは、3カ所で、客単価にすると、それぞれちょうど三段階にわかれる。客単価が低、中、高、というぐあいなのだ。

いろいろ気になるのだが、ダシの素の類のフェイシングが、ほぼどこも同じということ。つまり高所得家庭も低所得家庭も大差なく、つかっていると推測できるのだ。なぜでしょうかね~。

すごく面白いのは、低のスーパーのパン売り場は、そもそもパン売り場の面積が小さい上に、食パンは、ほんのわずかで、これは中、高と比べると、すごい特徴的な差なのだ。ほとんど菓子パンの類である。なぜかな~

中、高ほど、惣菜や加工食品の割合がふえる。この理由は、わかるね。ビンボウニンは安い生鮮品を買ってきて調理したほうが、安くつくからさ。そういうわけで、上のパン売り場の問題もわかりますね。ビンボウニンは安い米を買っておいて、米飯中心にメニューを組み立てたほうが、腹一杯コストパフォーマンスがよいからさ。菓子パンはおやつで、三度の食事にパンを食べることは、あまりない。おれはビンボウニンだから、そのへんはよくわかる。

しかし、ダシの素が、ほぼ同じとは、どういうわけだ? 最近、それが、気になっているのだ。

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2003/12/02

貴賎意識と肉食

「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が国立ハンセン病療養所「菊池恵楓(けいふう)園」に入所する元患者らの宿泊を拒否した問題は、ホテルを経営する「アイスター」が、「人権侵害と宿泊拒否は別問題。人権を無視した考えはまったくない。宿泊拒否はホテルとして当然の判断だった」と開き直って決着したようだ。前にも、ちょっと書いたと思うが、アイスターは「"美しく 心とともに美しく"」でやってきた。

その「美」だが、日本の場合は、背後に貴賎意識があって、それが差別意識の根深いところを形成していると思う。これは食べ物に深く関わっているのだが、一膳めしを「賎人の食なり」といったりした。蕎麦も寿司も天ぷらも、そのように言われた。その「賎」は同時にキタナイモノをも意味していた。

どの社会でも優劣観はあって、それに食べ物がつきまとっているのが普通である。しかし、それは現実の社会階層、つまり貧富の差であって、ジャガイモやキャベツは「貧しき者が食べる」といっても、「貴賎意識」とはずいぶん違うのだ。

日本の人権意識の低さは、この貴賎意識が、ごく最近までオフィシャルなものであり、この「アイスター」の態度が示すところでは、依然として健在なのである。その「美」は「貴」で「上品」であり、それにそぐわないものは「醜」で「賎」で「下品」なのである。その意識が、まだ依然と強いものであることを、アイスターは包み隠さず開き直ってみせてくれた。

今回の人権問題はともかく、この貴賎意識のために、日本の食の歴史、とくに肉食の歴史がはっきりしない。「貴」の「美」は、上辺のキレイゴトが好きで、とにもかくにも、「貴」で「美」で「上品」なる感情が、気持よいのでなければならないのだ。じつに感情的である。彼らには「公平」とか「平等」とか「客観」とか「事実」とかいう言葉はない。そして血みどろの肉はキタナイ。

モツ煮込みや肉煮込みなどは、あきらかに江戸期にはあった。資料が手元にないのだが、牛肉食は平安期に行われている形跡があるようだ。これらすべて「賎民」のことで、なにしろ、つい半世紀ほど前までは「貴」の代表者たる天皇の時代であったのだから、なかなかわからない。そこに日本人の自己認識と社会認識を困難にする一因もあると思う。

しかし、ボチボチとだが、はっきりしてきてはいる。「豚は御一新前に大いに流行った」とか、「犬鍋屋」もあったとか。

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2003/12/01

イラク問題、これでオシマイ

この話は、今日でオシマイにするが。

岡本行夫首相補佐官は30日、イラクで外務省の奥克彦参事官が殺害されたことに関連し、「奥氏には1つの夢があった。(8月の)国連本部爆破を見て、奥参事官は『これを見て(我々が)引くことが出来ますか』と言っていた。私は、奥氏のやりかけたことをやり遂げたい」と成田空港で記者団に述べ、奥氏の遺志を引き継ぎ、イラク復興支援に全力を挙げる考えを示した。

という読売新聞社のニュースだ。いつものことだが、死人に口なしを利用して生きている間の言葉をもって「遺志」などという、それは個人的な感情の問題であって、責任ある立場ではないだろう。人の死を感情的に利用する卑怯である。もっと政府もマスコミも政策的な立場でものをいうべきだ。

それにねえ「テロとの戦い」とか「テロに屈しない」とかいうけど、イラク戦争は大量破壊兵器が絶対あるから見つけて破棄するという、ブッシュの国連に耳を傾けないゴリ押しで始まったんじゃないの。その国際ルール無視の暴力がテロであり、そのテロがテロを生んでいるのではないか。これは戦争なんだが。「テロに屈しない」じゃなくて、テロをなくすことが目的だろう。となれば国連の場に問題を返すべきじゃないの。ブッシュも小泉も責任とって退陣し、ちゃんとした国際協力の交渉と戦いと復興によって解決すべき。

だいたいイラクはアフガン戦線の拡大のわけだけど、あれもおかしいよ。9.11テロがアルカイーダがやったという証拠もないまま始めて、しかもラディンだかラビィンだかは捕まってないし。証拠もまだあがってない。そもそも、あのテロはCIAが情報を握っていたという話は、どうなったの、アメリカは余所をかきまわす前に自分のとこをよく調べる責任があるだろう。

この戦争で一番得しているのは誰か、はっきりしている。東西冷戦の解消で商売がやりにくくなっていたアメリカの基幹産業「死の商人」たちであり、そこから金をもらっている政治家どもさ。ブッシュの、次期大統領選用の法外もない寄付は、どこから集まったのか。

しかし公明党というのも、自民党と連立しブッシュを支持しているわけだが、これはもう自民党の弱みにつけこんで政権にいたい党利党略しかないわけで、小泉がブッシュを支持するよりタチが悪いし、そんな党利党略連立内閣のために戦地にやられる人たちは本当に可愛そうだよ、理不尽だよなあ。

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