« コンビニ研グルメ班日記 | トップページ | コナモンの日 »

2004/05/06

アバヨ!思い出横丁

 もう「惜別の情」もわかない。何回も見てきた、同じことの繰り返しだ。
 報道によれば、「JR新宿駅西口のバラック風商店街「西口飲食店街」(通称・思い出横丁、やきとり横丁)に再開発計画が浮上している。幅約30メートル、長さ約80メートルのわずかな敷地に焼き鳥屋や飲み屋など計81店舗がひしめくこの一角を取り壊し、地上11階、地下2階の商業ビルを建設しようという計画だ。地権者は準備組合を設立し、08年秋の完成を目指して連休明けにも再開発案の調整に入る。ただ、独特の雰囲気が消えていくのを惜しむ声も根強い」とのことだ。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/shakai/20040506/K0001201911012.html

 すでに、もう何回も見てきたことである。この横にそびえる、正式の名前は知らないが、いま「さくらや」が入っているビル、「地下鉄ビル」と呼んでいたが、そこがそうだった。あそこが再開発のときには、それまでそこでバラックで営業していた思い出横丁のような飲食店が、再開発ビルの地下や一階に残っていたが、しだいに姿を消した。いまや、どこへ行ってもあるビッグストアだらけ。近年では、おれも「散歩の達人」でレポートした、JR総武線の平井駅前の再開発があり、そして上野駅のリニューアル?だ。
 「再開発組合」などといったって、背後にゼネコン土建屋がいて、それが手をひけば、どうにもならない「組合」である。こういうことがあると「経済効率第一主義」が非難され、昔ながらの人情のある街を守れ、という声も上がるが、じつは「経済効率第一主義」にもなっていないズサンな計画が、ほとんどである。
 欲と儲けの土建屋が勧める計画は、目先の欲得にまみれている。歴史も文化も、そこで生きてきた人間のココロの奥底を見る目もない。再開発ビルができあがると、土建屋は銀行からカネをもらって逃げ、あとはローンと固定資産税にまみれた空間が残る。けっきょく、そのカネの手当てができる、例の同じサービスの大会社が入ることになる。小さい経営だからできた関係は消えてゆく。
 背景には、いまの石原都政になってからの、強引に土地から税収を上げる「悪循環の方法」がからんでいる。なんの生産性も創造性も組織できず、「お上」の強権だけで仕切ろうという、土地封建領主とかわらぬ政策だ。もう何度も見てきた光景である。
 いまさら、なにか言う気もしない。
 ふん。ワレワレは新宿がダメなら、新大久保も大久保も中野も高円寺も阿佐ヶ谷も大塚も田端もあるでよ、イヤ浦和のガード下があるさ、と、タイトな強権管理が行き届かないルーズな空間をめざす。銀座や霞ヶ関の横には、ちゃんと猥雑な新橋が生きてきたように、どんな強権管理の空間も庶民の猥雑な人間関係の空間を、完全に死滅させることはできない。新宿も思い出横丁も捨ててやるさ。
 それにしても、新宿で終電まで飲んだくれるところがなくなるのは、困ったものだ。ああ!

ご参考。「ザ大衆食」から。
思い出横丁の景観
平井の大衆食堂「福住」と再開発
上野駅地下食堂街の消滅

|

« コンビニ研グルメ班日記 | トップページ | コナモンの日 »

コメント

横丁調査人さん、はじめまして。

「やみ市横丁研究所」とはオモシロイですね。HPも拝見しました。

わたしも横丁には興味があって、いちおう別のサイトに「横丁回廊」というコーナーをつくっているのですが、最近は更新が途絶えたまま。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Ocean/9413/yokocyo_top.htm

東京の場合とくに、「再開発=高層ビル化」というのがオカシイですね。どこの再開発計画も、コンクリートと鉄の土建屋と大規模不動産業のためのようなもので。

そうそう、北区王子駅北側の、やはりやみ市から始まった横丁の柳小路の「福助」という飲み屋は、やみ市当時のバラックの区画割のままです。店舗が狭いうえに四角じゃなく間口から奥に向かって「斜め」。

横丁調査、期待しています。

投稿: エンテツ | 2005/01/07 11:44

はじめまして!
横丁が次々と再開発されていきますね。
無念です。。

投稿: 横丁調査人 | 2005/01/07 02:34

存在は知っていましたが近寄ることはなかった思い出横丁。
それが近頃、急に親しみを持てるようになりました。

再開発は残念ですが、今のうちにしっかりと堪能しようと
思います。

投稿: dai1975 | 2004/07/13 10:15

koitaro様

コメントありがとうございます。blogページも拝見しましたよ~。これからも、ときどきのぞかせてもらいます。

けっきょく軒を連ねての生業商売と、ビルのテナント商売とでは、まるで違いますから。よほどうまく「企業的転進」をしないと、立ち行かなくなりますね。ま、それを待って、地権を全部手中におさめようというのが、再開発に投資する人たちのネライですから。

ビルの、それも地下などに入ったら、古い常連もだんだん離れていきます。軒を連ねて生業的にやっていたからこそあった関係や雰囲気、ある意味、空間の文化が、みなビルによって壊れてしまいますから。

投稿: エンテツ | 2004/05/31 01:12

浜松町の駅ビルの地下に、いかにも昔近所で軒を連ねていたであろう店が所狭しと追いやられていますが、あれはどんなもんでしょう?

僕は地下に用事があっていっても、あまり店に入ろうとは思わないんですよねぇ。なぜか。

投稿: koitaro8 | 2004/05/31 00:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30930/547751

この記事へのトラックバック一覧です: アバヨ!思い出横丁:

» 新宿・思い出横丁 [へりくつブログ]
今日の晩ご飯はお腹が空いていたので、迷わず吉野家に駆け込んだ。ちょうど牛鉄鍋膳が未食だったし、いざお手合わせ願おう、というところでもあったのだ。 で¥38... [続きを読む]

受信: 2004/07/12 23:44

« コンビニ研グルメ班日記 | トップページ | コナモンの日 »