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2004/07/06

実践講座 台所の美味学

おれと江原恵さんが「江原生活料理研究所」をやっていた、1980年から83年の、約3年のあいだに、江原恵さんは3冊の本を著している。82年刊行の『「生活のなかの料理」学』、83年に『カレーライスの話』、『実践講座 台所の美味学』である。

なかでも、江原さんがもっとも心血をそそぎ、そして完成をよろこんだのが、『実践講座 台所の美味学』だった。といえるだろう。かれは、この本の印税で、銀製の記念品を関係者にくばることまでした。

そして、結果的には、「江原生活料理研究所」は、この著作を残すためにあって、この著作を残しただけでも、価値があったのではないか。と、おれは思っている。実際、撮影スタジオが同じビル内にある、研究所の厨房施設がなかったら、物理的に、この企画は実現が難しかった。

『実践講座 台所の美味学』は『アサヒグラフ』1981年5月1日号より翌年10月29日号まで、「実戦家庭美味学講座」シリーズとして連載されたものを、一冊にまとめ、83年5月に発行された。その腰巻帯の惹句には「ありふれたものを美味しく食べる」とある。

料理は生活である。生活だからどうでもよいのではない。もっと、たのしく、おいしくしたい。もっと、台所の創意工夫で、日々の料理を豊かにすべきだ。あるものをおいしくたべることを、もっと、追求すべきだ。そんな考えを、いわゆる食文化エッセーとして展開しつつ、実戦ハウツーを料理につくって見せてしまう冒険をした。

■『実践講座 台所の美味学』 もくじ

はじめに
1 ブロイラーその1 ホンモノ主義にモノ申す
    蒸し鶏のマヨネーズあえ 鶏とミックス野菜のうま煮
2 ブロイラーその2 かしわを追放した実力
    鶏手羽のやわらかカレー煮込み
3 ダシとスープストック 無視されている雑節
    ダシとスープストックのとり方 味噌汁 うどん
4 タケノコその1 掘りたては本当にうまいか
    タケノコのゆで方 粉節煮 土佐煮揚げ
5 タケノコその2 中国伝来の孟宗竹
    ワカタケスープ はさみ蒸し
6 カツオその1 初夏よりも秋にうまみ
    カツオのおろし方 カツオたたき
7 カツオその2 保存性の土佐節、味の常磐節
    なまり節の炊き合わせ 洋風なまり
8 ジャガイモその1 「李さんのジャガイモ」
    炒め煮 炒めマッシュポテト
9 ジャガイモその2 品種とその使い分け
    コロッケ せん切り炒め
10 カジキ シュンとは何だろう
    酢焼き かわり揚げ
11 アジ 鮮度が落ちても工夫次第
    アジのおろし方 はさみ揚げ
12 そうめん 中国渡来の味文化
    変わりダレそうめん 北の幸冷麺
13 土佐醤油 化学調味料に抵抗する
    冷や奴土佐醤油ダレ 野菜の黄身酢あえ
14 漬物 変化する「伝承の味」
    ぬか漬け キュウリの即席辛味漬け 香り漬け
15 丼物 歴史はたかだか数十年
    親子丼 ネギマ丼
16 カレー 家庭の味もいまやプロ級
    おふくろの味 レストランの味
17 カボチャ 北海道で食べる美味しさ
    ベーコン煮 つみれ揚げ
18 ピーマン 主役になれない素材
    詰め焼き 味噌炒め
19 汁物 ”風味”とは迷信の味
    梅がゆ汁 カボチャスープ とろろ汁
20 ナス 不人気のしぎ焼き
    煮びたし 肉味噌煮
21 豆腐その1 庖丁さばきも味のうち
    白あえ 納豆豆腐 シソ豆腐
22 豆腐その2 ありふれた料理を大切に
    カニ豆腐 空也揚げ
23 ニンジン 飾り切りは中国風技法
    おろし揚げ 中華風うま煮
24 サラダ キャベツは生とはかぎらない
    マヨネーズドレッシング 味噌ドレッシング トマトソース
25 豚肉その1 まずブッロクを買うこと
    水煮 豚バラ肉の水煮刺し風と角煮
26 豚肉その2 トンカツは国際的料理
    八宝菜風うま煮 ゴマ味噌炒め煮
27 牛肉 霜降り肉は日本特産
    くわ焼き 肉だんごのうま煮
28 サバその1 料理の心得は一に塩梅
    サバのおろし方 チーズ焼き たたきなます
29 サバその2 江戸時代の料理法
    ぬた 中華風うま煮
30 ふりかけ インスタントはだめ!?
    サバのふりかけ 手作りふりかけ
31 イワシ 見直したい”下魚”
    イワシの下ごしらえ つみれ汁 酢油蒸し
32 レンコン 変えるべき「素材の常識」
    辛煮 白煮
33 サツマイモ 甘藷の功徳
    あんかけ 味噌汁 大学イモ
34 キノコ 千本姫茸の思い出
    エノキダケの吉野煮 シメジスパゲティ
35 ダイコンその1 料理に家元とは
    ピーナツバター煮 トマト煮
36 ダイコンその2 風呂吹きは過去の料理
    サバのおろし煮 煮込み風呂吹き
37 カブ 「子の刻のカブ」
    あちゃら漬け辛味あえ クリーム煮
38 ハンバーグ つまりは洋風つくね
    豆腐ハンバーグ つみれハンバーグ
39 マトン 『金瓶梅』の羊料理
    炒め煮 味噌炒め
40 モツ 下品という差別観
    豚レバーつみれの野菜炒め 鶏モツのケチャップ煮
41 卵 「虚」「実」合わせもつ古料理本
    親子とじ 鉢蒸し
42 イカ 郷土の味に創意工夫を
    ショウガ炒め 塩辛 納豆あえ
43 鍋物 ”郷土料理”のあいまいさ
    ダイコン鍋 味噌煮込み鍋
44 タマネギ 「仕事を盗む」
    サラダ チーズ煮 油揚げ包み焼き
45 タラその1 経営者気質は一方的
    昆布汁 ポテト揚げ
46 タラその2 鯛の比ではないうまさ
    イモタラ 味噌シチュー
47 サケ 上物の目印は婚姻色
    氷頭なます マリネ 粕汁
48 マグロ 「ばち者」も使いよう
    かまぼこ つくだ煮
49 カキ まずは素性の良いものを
    雑炊 フライわさび風味
50 ホタテガイ もっと干物の調理法を
    ホタテガイの下ごしらえ てんぷら 精巣・卵巣の辛煮 塩辛
51 ハクサイ キムチは卓抜の味
    中華風酢のもの 干しエビ煮
52 キャベツ 季節感より豊富さ
    ロールキャベツ サケとキャベツの一夜漬け
53 即席ラーメン 不自然食は考え違い
    牛乳ラーメン ネギマラーメン そばゲッティ
54 冷凍食品 保存食にかわるもの
    エビとミックス野菜のかき揚げ ホタテ貝柱とナスの炒め煮
55 変わり味噌汁 味噌離れとはいえない
    味噌汁ポタージュ ごった煮
56 納豆 味と味覚は別もの
    カツオ納豆たたきと納豆焼き
57 高野豆腐 待たれる新しい調理法
    揚げもの・蒸しもの まぜごはん
58 酢のもの 料理人の自負
    野菜のゴマ酢味噌 洋風酢のもの シソなます
59 野菜炒め 流通機構の変遷
    キュウリの辛味炒め キャベツ炒め
60 てんぷら 料理は暮らしである
    精進揚げとかき揚げ

索引

写真撮影 武田浩吉
装丁・レイアウト 多川精一+中村洋子

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