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2004/11/20

飲食店評価ガイドと料理評論のあいだ

昨日の続きだが、山本益博さんの「東京 味のグランプリ」のことは、まえに日記に書いたことがあるような気がして調べてみたら、やはり7月26日に書いていた。
http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2004/07/post_21.html

山本さんは、一応、「食べる側の文化」としての「料理評論」という一貫した主張がある。といっていいだろう。

ところが、彼がやったのは、主に「食味評論」と「飲食店評価」なのだ。そのあと彼に続くものが続々と登場するが、そのほとんどは、このパターンで、しかも山本益博さんより「ジャンル」を狭く絞って、「食味評論」と「飲食店評価」としての「評論」をやるようになった。

そのあと追い後発組に共通しているのは、「食べる側の文化」としての「料理評論」というような、独自の主張や見識がとくにない、ということだろう。それどころか、たとえば、「築地で仕入れている」「有機栽培のものをつかっている」「地元の新鮮な素材をつかっている」あるいは「このように調理している」などなど、だからこの店はウマイ、といった、味覚の説明になっていないことをする。飲食店つまり「つくる側」の代弁者であることが少なくない。もうほとんど「業界誌」のテーマであり内容であるようなことが少なくない。「業界通」にはなれるが、食べる側の文化の向上はない。

で、話はトツジョ方向が変わる。最近ブログの普及で増えたのは、フツウのひとがやる「飲食店評価」である。この場合、ほとんど店のひとの話を聞いて取材することはなく、まさに食べた印象そのまま、つまり「食べる側」の感性と論理で評価する。これが、いいのだ、それでいいのだ、と思う。この場合は、店の「つくる側の文化」による言葉ではなく、「自分の言葉」つまり「食べる側」の言葉で考えることになる。そこに「食べる側の文化」の可能性があるのではないか。

もっと素晴らしいなあと思うのは、たとえば「自棄酒マン」さんは日記がわりに「自棄酒マンの昼飯」を掲載しているが、11月18日に、こんなことを書いている。
http://homepage1.nifty.com/cupsakemania/200411.htm から引用。

寒い。 体が温まるものを作ろう。 近所の魚屋で、タイのあら(100円)をゲット。 これだけだと少し寂しいので、タイの切身(390円)も。 おお、500円でお釣りがきてしまった。 味噌仕立てのあら汁に、火を止めてから切身もぶち込む。 酒は「真田六文銭」。 やはりどうにも無骨な酒で、肴と一緒じゃないと厳しいな。 でも、燗つけてあらをしゃぶりつつ飲めば、うーんいい感じ。 半生状態の切身の魚臭さも酒が洗い流してくれる。 ついでのことなら私自身のあらも洗い流してくれると、 もっと立派なオトナになれそうなのだが。

引用おわり。

フツウよくあるのは、酒のつくり方がアレコレだから、これソレの味でダメとかヨイ、とかなのだが、自棄酒マンさんの場合ちがうのだ。酒は「武骨」な味でも、飲み方や食べあわせで満足点をさぐる。これこそ「食べる側の文化」としての鑑賞と批評だと思う。そして「料理評論」の原点ではないかと思う。

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