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2004/11/22

「マイルドにクセがない」以後は?

「乳と食 SNOW 2004年秋号」(雪印乳業、04年10月1日発行)に、雪印乳業でチーズ研究所所長などを歴任したチーズ研究家、栢英彦(かや・ひでひこ)さんの、このような発言がある。

「つくる側からいうと、できるだけ多くの人に食べてもらいたい気持ちがあるので、どうしてもマイルドにクセがないチーズをつくる方向で考えてしまいがちです」

昨日の話の続きになるが、ここ数十年間の、食品や飲食サービスのマーケティングの現実を簡潔にいっていると思う。

「マイルドにクセがない」は、さらに一言でいえば「無難な味」ということだった。別の表現では「上品な味」「うす味」「淡味」「さっぱり味」「ライト」などと関係する。おれのように雑な、クセのある味や人間や文章は、「下品」といって嫌われるのだな。

とにかく、この傾向は、「味覚のファッシズム」かと思うほど、えらそうな顔をしていた。しかし最近は、やや違った「個性的」な動きがみられる。

それは「コク」という味覚に関係して顕著になったと思われるが、コクが汁かけめしに関係することは、拙著「汁かけめし快食學」に書いた。それで、前記の「乳と食 SNOW 2004年秋号」には「おいしさ研究所」というコーナーがあって、「コクって何だ?」とやっている。おれエンテツと研究員AとBの3人でしゃべっている。B5見開き2ページだが、これは、これからの「マイルドにクセがない」以後を考える、なかなかオモシロイ座談なのだ。この小冊子は一般では手に入らないので、ごらんになりたい人は、おれまでメールください。

しかし多くのひとが、なぜ「マイルドにクセがない」に流れてしまったのか、興味あるではないか。いまじゃ、クセがあるはずのトマト、ニンジン、ピーマンまで、みなマイルド。そして一方では、クセのあるナチュラルチーズやハーブやキムチや焼酎などが普及。はてはて。

■メモ 「食べ物を楽しむ能力の欠如」(『食卓の歴史』スティーブン・メネル著、北代美和子訳、中央公論社、1989年)

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