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2005/01/12

ようは日々の感覚なんだろう

自分は優れた人間であると偉そうにしたい気持はわかるが、「グルメ」の悪癖に、とりわけその傾向があるのはなぜだろうか。

それも「おれはこんなに高いものを食べているのだぞ」と偉そうにするなら、まだわかりやすいし納得できるが、そうではなくて、自分がよい本物の味を知る人間であると偉そうにする。たとえ知っていたとしても偉そうにすることはないと思うが。「実るほど首をたれる稲穂かな」という言葉があるようにね。

ようするに、とても、生活や食を楽しんでいるようにはおもえない。

田舎のローカル線に乗り換えたら、男女が乗ってきた。初老の夫婦だ。車掌との会話で、東京から来て、温泉に行くらしいことがわかった。男は、元東京都公務員の管理職、というフンイキである。

電車がはしりだすと、男は立ち上がり外を見て「ああ、田舎はいいなあ、自然はいいなあ、なあおまえ見ろよ」と同行の女に言った。「見ろよ」といわれなくても、座席に座ったままで見えているのだが、男は、そう言った。そしてまた座りながら「田舎も自然もいいけど、暮らすとこじゃないよな」と言った。

それから数日後、おれは都心の喫茶店で1人の女性と仕事の打ち合わせをした。終わって帰り、近くの駅までの道で、彼女は、こう言った。「都心にも自然はあるんですよね」

トツゼンだったので、おれは「えっ」と言った。すると彼女は、紅葉した葉を貧しげにつけている一本のやせ衰えた街路樹を指さして、「ほら都心にも四季があるんですよね」と言ったのだ。

おれは、後者の女の方が、日々の生活や食を愛し楽しんでいるような気がしてならない。そして「グルメ」の悪癖は、同行の女に外の景色を「見ろよ」と言った男のようである。

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