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2005/03/02

味の素トイフモノ

『魯山人味道』(中公文庫)を見ると、北大路魯山人さんは、昭和13年(1938)の「料理の妙味」で、「塩、醤油、酒、味醂、砂糖、味の素、かつおぶし、昆布、煮干しなどは、味付料としていずれもよき味の持ち主ではあるが」と述べている。味の素が含まれているのがオモシロイ。化学調味料という認識は、なかったのだろうか。

昭和33年(1958)の「味を知るもの鮮し」(「鮮し」は「すくなし」)では、「砂糖の乱用と化学調味料を無定見に用いることは、充分慎むべきことであろう」と述べている。

化学調味料を、完全に否定してはいない。そのまま、受け止めれば、彼の味覚は、味の素や化学調味料を完全に否定していたわけではないことになる。

1970年代、築地周辺の有名な寿司屋のカウンターには、卓上用の味の素のビンがあった。小皿に注いだ醤油に、味の素をたっぷりふり、寿司や刺身をそれにつけて食べる「通」たちがいた。

1972年ごろ、おれは初めて築地へ行って、驚いたのは、大量の新鮮な魚ではない。築地の場外の問屋の店先に、10キロ単位ぐらいでビニールの袋につめた味の素が、山と積まれていたことだ。おれは、最初それを見たとき、まさか味の素がそのような業務用の姿で大量に売られているとは思わなかったから、案内で同行していた魚卸会社の社員に「あれは、なんですか」と聞いたものだ。

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