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2005/06/27

狭いスキマから脱出せよ

30年ぐらい前だろうか? 「専門バカ」ということが盛んに言われ「学際」が人気になったことがあった。脱専門、総合的包括的全体的な方向が求められ、「ホリスティック」だの「シナジー」だのというコンセプトも流通した。しかし、ますます専門は細分化され、もうニッチもサッチもいかないぐらい、狭いスキマにはまりこんでいるようだ。

「ニッチ」なるコンセプトも、最初のころはダイナミズムにあふれていたが、いまや単に狭いところを突きまわっているぐらいのもので、可能性は失せたかんじだ。

食の分野においても、それは顕著だ。たとえば「○○が健康によい」という「○○」は、たいがい横文字の化学用語だかなんだかわけがわからない専門用語で、「トレーサビリティ」なんてのもいつの間にか普段語になっているが、あれなんかは中味を把握しようとすると専門用語だらけで、ほんとうにみんなわかっているのかい、と思うのだが。とにかく、つぎつぎと専門家たちに「発見」された、狭い専門知識が、どんどん生活の場に出回っている。

食の分野では、それだけではなく、どんどん「ニッチ」だね。いわゆる「食べ歩き」や「外食」や「グルメ」の分野も「専門化」と「専門家」がすすみ、ラーメン、うどん、そば、おでん、たこやき、回転すし、オムライス、カレーライス、和菓子、スイーツ……とか品種別に、あるいはA級B級低級とグレード別に、あるいは業種や業態別に、はてまあ「立飲み専門家」もいる始末。狭いスキマで細かい知識をひけらかしあったり突きあっている。ただただ「ニッチ」をねらっているだけで、本当に「専門化」か「専門家」かどうかもわかならい。とにかく、それを知っているからって、だからなんなのさ、というかんじの、やたらマニアックな知識だけがはびこる。

ま、5月8日の「失われた全体像」で書いているが、ようするに、全体像も、全体像の模索も、ないのだ。そして、じつに狭苦しい細かい知識から、いきなりバクゼンとしたココロのモンダイになってしまうのだな。狭いところからでも全体を見渡すとか、すくなくとも、いくつかの上位概念のレベルで、包括的に考えられないものかと思うのだが。

「生活習慣病」なんていう言葉も、そんなもの本当にあるのか、と思うね。その一つ一つを追っていくと、専門知識の隘路に入り込み、そこを脱出しようとすると、包括的には「社会習慣病」や「会社習慣病」の存在を考えたほうがよいのじゃないかと思ってしまう。

しかし、セコイところに入り込んでしまったよなあ。もうたくさんの人が、狭いスキマでひしめきあっているんだよなあ。世界は広いのに。

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