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2005/08/27

「輪郭のはっきりした味」のアイマイさ

グルメなみなさまがよく使う「味覚用語」に、「輪郭のはっきりした味」というのがある。「輪郭のはっきりした味」で、Web検索すると、たくさんヒットする。そして、これは高い評価、つまり「A級」の味のようである。

人によってその解釈は異なっているようだし、必ずしも「輪郭のはっきりしない味」を否定しているわけじゃないような人もいるが、大勢としては「輪郭のはっきりした味」はスグレモノで「輪郭のはっきりしない味」はイケナイという関係にあるようだ。

しかし、そのように「上下」関係をつけるのはオカシイような気がする。「輪郭のはっきりした」ものも「アイマイな輪郭」のものも、それぞれの味わいというものではないだろうか。

なかだえりさんという、イラストレーターというか画家というか、千住の古いボロな蔵をアトリエにして活動している人がいる。彼女の画集に、『とらえどころのない曖昧な輪郭』がある。そもそも彼女の作品は、輪郭のはっきりしないものが少なくない。「とらえどころのない曖昧な輪郭」の作品を描き、「とらえどころのない曖昧な輪郭」の千住の街を愛し、「とらえどころのない曖昧な輪郭」の古い蔵をアトリエにし、「とらえどころのない曖昧な輪郭」の大衆酒場を愛している。そして、彼女は、「とらえどころのない曖昧な輪郭」の風景の東北で育った。しかし、輪郭がハッキリした顔立ちをしている。

誰か著名な作家が懐かしい味の一つに、ガキのころ畑から盗って食べたトマトをあげていたように思う。あの味は、輪郭がハッキリしない味だし、むかしのたいがいの野菜は、そうだった。そういえば、糠漬けなんか、輪郭がハッキリしない味だなあ。

とにかく、味覚のことになるとすぐ上下関係をつける「鑑賞癖」があるようだ。「輪郭のはっきりした味」はスグレモノで「輪郭のはっきりしない味」はイケナイという意識や感覚には、イマイチ説得力がないし、偏見を感じる。のは、おれだけだろうか。と、今日はチト高尚なフンイキで書いてみた。

近年は、味の素の「輪郭のはっきりした味」がふえた。ブッ、屁一発。

なかだえりさんのホームページ
http://www.nakadaeri.com/

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コメント

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うまいよー

投稿: KKAZU | 2005/08/28 02:01

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