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2005/09/28

トレンドな「外食」

広告屋とメディアは大の「仲良し」だ。大メディアも大広告屋には逆らえない、なんていうウワサも、ときどき耳にする。某大広告屋は大メディアに対し絶大な影響力を持っているとか。ウワサだけどね。きのうの『コンセプトノート84』の続き。きのうの分で、サブコンセプトが落ちていたのがあったから書き足しておいた。ま、自分のための覚書だけど。

広告屋がマスコミの第一線に踊り出た1980年代。『コンセプトノート84』の「はじめに」は、「コピーライター、デザイナー、アートディレクター、クリエィティブディレクターなどは、ほんの数年前までは、広告主のための広告作りの黒子としてもくもくと働いていました。いまや、こういった肩書きの人々が、マスコミの第一線で自ら華々しく大活躍しています。と同じように、広告会社の地位も、大学生の就職時の企業の人気番付でみられるように少しずつ高くなっているようです。」だって。

70年代までの広告屋の評判の悪さを考えたら、たいへんな様変わり。「マスコミの第一線で自ら華々しく大活躍」し、いったん名声を得てしまえばシメタものというふんいきがアリアリ。このころから、新聞屋テレビ屋は広告屋のようになり、腐敗が深くなっていったようでもある。

広告屋は、おとといの引用で談編集長が書いているように「消費者にたくさんモノを買ってもらいたいだけなんだ」そのためには、ありとあらゆることをする。新聞屋テレビ屋は、読者である消費者の立場を考えたら、そうは簡単に手を組めない相手のはずだが……。

『コンセプトノート84』の第一章「頂点」(いただき)コンセプトは、「社会との関係を積極的に見出していく。裾野から山頂へ脇目もふらずひた走るパワーがある。いつの日か頂きに立つために、手段は問わず、労力をいとわない」「時代の最先端をいく、エライ、ニクイ、スゴイヤツ」と説明がある。はあ、ホリエモンのことかな。

これは、まさに当の広告屋の願望であり、また新聞屋テレビ屋の願望だったのではないか。彼らは、そのように手を組んだのだ。そして、新聞屋テレビ屋は、広告屋のようにトレンドを追い、広告屋がマスコミの一線で華々しく大活躍するにしたがい、「ニュース」は「トレンド」に場をゆずり、広告屋のような煽りコトバを平気でやるようになった。広告屋と関係ないはずのNHKまで「いま渋谷の若者のあいだでは○○が流行っています」というようなことを「ニュース」するようになった。いまや、エリートの集まりになった広告屋新聞屋テレビ屋は、ともに手をたずさえ、「おいしい生活」の頂点をめざす。のだろうか。

オモシロイのは、これだ。コンセプトⅡ・「生一本」、第二章「いま、最も感動を呼ぶのは何か」の「「生一本」コンセプトの使い方」に、こうあるね。「アレモ、コレモ言うのではなく、一点をピチッとおさえ、そこをはずさない、はずれない商品、広告、生き方はわかりやすく、親しみやすい。そこに価値ある一点が、存在するかどうかが人気を決める時代である」

なーんと、最近の「郵政選挙」「小泉人気」のことじゃないか。民主党は、あの党首のポスターにしても、70年代の訴求法だしね。で、こんど小泉は、憲法改変論議を「靖国参拝イエスかノー」かの生一本に、「わかりやすく」すりかえた方法をとるにちがいない。

それはともかく、『コンセプトノート84』は、前年までのデータをもとにしている。「グルメ」については、そのコトバも登場することなく、ほとんどふれられてない。コンセプトⅥ・「知的」、第六章「経済的豊かさを得た大衆」で、「知的こだわりである「うんちく」もはやっている」という例として「男の料理」があがっているにすぎない。これは、まだ70年代の状態だ。

しかし、コンセプトレベルでは、ある分野で「頂点」に立つ、最先端をゆく、「エライ、ニクイ、スゴイヤツ」を気どる「センスエリート」や「知的な己にウットリ」とか、「おもしろさ、自慢、興奮度」や「回顧・懐古主義」などあって、コンニチの立ち飲み屋や大衆酒場や大衆食堂やラーメン屋あたりの様子を考えると、そのセンでグルメブームが煽られていったのだなあ、と思い起こすことができる。いずれにせよ、トレンドを語るとき「外食」の分野がはずせなくなるのは、このころから急速だった。

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