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2005/12/01

台所道具の歴史

「書評のメルマガ」に連載の「食の本つまみぐい」は、こんど12月中旬ごろ発行の号の掲載になる。これから原稿を書くのだが、つぎは、栄久庵憲司+GK研究所『台所道具の歴史』柴田書店 味覚選書、1976年。

料理は食べればなくなるので、イチバン近い物的証拠あるいは料理や味覚の手がかりというと、台所と台所道具なのだ。料理は、その条件にしばられる。拙著「汁かけめし快食學」にも書いたが、たとえばフライパンの普及がないのに、フライパンでルーをつくる「西洋料理式」のカレーライスが普及するはずはない。ま、とにかく、料理や味覚を語るなら、台所道具の歴史ぐらいは知っておいたほうがよいね。

とくに「食育」を掲げエラソウにしている人たちは、細木数子さんのように、誤った情報でものをいわないように、ちゃんとベンキョウしましょうね。かなりイイカゲンなことを言っているひとが少なくないよ。食に関するイイカゲンな誤った情報を流して「食育」じゃあ、そりゃおかしいよ。

ということで、あとは、「書評のメルマガ」を読んでもらうとして、著者の話に、まだ十分な検討がされてない注目すべきオモシロイことがあったのでメモしておく。

著者は、「四 日本食の成立と台所の整備」で、このように述べる。「つまり鎌倉時代の食生活には三つの潮流があったわけである。しかし、武家の肉食は公家にも影響を与え、精進料理は寺院外に浸透する。そしてこの三者の融合の中に日本食が成立する。」

三つの潮流というのは、「不労階級」である公家の古い有識故実の伝統にしばられた食事、田畑を耕し狩猟をし戦をする肉体労働者である武家の食事、新しく渡来の寺院とくに禅寺の食事。そして公家と武家に共通しているのが酒宴で、その酒宴から発達したのが庖丁。「酒宴の魅力は大きかった。魅力が大きい食事の仕方は、道具を進化させる。宴席が育てた台所道具の代表が庖丁である。」と。これは、オモシロイ見方だ。

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コメント

いま、調べたら、同じ著者でした。
「幕の内弁当の美学」は、かなり話題になりましたよね。
どうやら朝日文庫になっているようです。
「台所道具の歴史」も文庫で出してほしいです。

投稿: エンテツ | 2005/12/02 13:15

この本の著者、確か
「幕の内弁当の美学」という著作でも
有名な方じゃなかったでしょうか。
もう内容は忘れましたが苗字が
珍しいため、記憶に残ってる感じですが。

投稿: ボン 大塚 | 2005/12/02 10:24

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