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2006/02/15

都留重人

1970年代はじめにマーケティングのシゴトをやり始めてから、経営や経済の専門書をよく読むようになった。もっともよく読んで印象に残ったなかに、都留重人さんの本がある。この人の書くものは、おれのように大学を出てないものにもわかりやすい、ということもあったが、たえず上っ面に流れずコトの本質を明らかにし、現実を見据え、よりよく変える方向を探る、という姿勢が一貫していたように思う。

その都留重人さんが亡くなっていたことを、さきほど、退屈男さんのブログで知った。こう言っては失礼だが、はあ、まだ生きておられたのか、長生きされたのだなあ、と思った。

都留重人さんというのは、評価が難しい人だと思う。おれがこの人の書に魅かれたのは、彼が書く経済学の文章に、そこはかとなく漂う、ニヒルなプラグマチックなニオイだった。ま、「ニヒルなプラグマチックなニオイ」なんていう表現は、「公式」にはないだろうが、おれにとってはそうだったのだ。

あるいはアメリカのプラグマチズムの影響なのだろうか。都留重人さんは、当時は、アメリカのハーバード大出の秀才として、鶴見俊輔と並んで有名だったが、鶴見俊輔のような派手さはなく、たしか東京都知事だか神奈川県知事だか横浜市長だかに、「革新系」から出馬の要請があったが、それを固辞し続けたはずで、そのへんは、いかにもニヒルなプラグマチックな人らしいと思ったこともある。日本では、「現実を見据え、よりよく変える方向を探る」と、保守にも革新にも、「革新系」とみなされる。政治意識は、そのレベルに幼稚なのだ。なにしろ、朝日新聞はアカの巣窟で、読売新聞はアメリカのエージェントなんていう話が、いまだにまかり通っているぐらいだ。都留重人さんは、出馬しなくて正解だったろう。

ようするに都留重人さんは、現実だけをみて、幻想は持たなかった。おれの都合のよいように解釈すれば、そういうことだろう。彼がみた、浮かれた日本は、まだ続いている。

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コメント

どーも、退屈男さん。93歳とは、またビックリ。ま、考えてみれば、それぐらいになっていて不思議じゃないんだけど。

私が、都留さんの本を読んだのは、主に70年代で、80年代以後はほとんど読んでないんだけど、経済学者もエコロジーだのなんだの言い出した80年代以降、都留さんはどんなことを書いていたのか、チョイと気になる。

投稿: エンテツ | 2006/02/16 07:51

都留さん、九三歳だったということですね。ぼくも、まだ存命だったとはじつは知らなかったのですが(アメリカのカトリーナのときにファッツ・ドミノがまだ生きていたと知ったのも驚いたです)。
都留さんのことは、別のひとの本の中に出てくるのを読んではいましたが、本人の著書はほとんど読んだことがなく、こんど手にしてみたいと思っています。

投稿: 退屈男 | 2006/02/16 00:37

エンテツ様
ありがとうございます。

消息不明ですか、ハードボイルドですね・・・。

「食文化本のドッ研究」の更新、気長にお待ちします。

投稿: でれすけ | 2006/02/15 17:48

でれすけ様

江原恵さんの消息は、わからないのです。1996年ごろの消息が最後だと思うのですが、そのときすでに、ある出版社で進行していた本の校正ができない状態でした。

「食文化本のドッ研究」ご覧いただきありがとうございます。まだ書き加えなくてはならないのがありながら、放置状態で、すみません。

投稿: エンテツ | 2006/02/15 14:46

エンテツ様
消息記事?に便乗して質問させて下さい。
「江原恵」さんはご健在なのでしょうか?

「食文化本のドッ研究」に挙げられた本を現在
読み漁っているのですが、一番印象に残った方でした。

「今」をどう見てらっしゃるんでしょうかね・・・。


投稿: でれすけ | 2006/02/15 14:08

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