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2006/03/14

貧乏も格差も、ブームというわけで

格差「広がっている」81%…読売世論調査[読売新聞社:2006年03月13日 23時56分]なーんていう見出し。マスコミあたりで食べている連中は気楽なもんだ。日本発の恐慌を引き起こさないために銀行に税金を投入すべきだ、税金で銀行を救い、小泉竹中改革をやれば、またもや、みんなで楽しく浮かれる景気のよい日が来るかのような幻想をふりまいたのは、誰だろうか。

ちかごろは、「貧乏」や「格差」や「下流」をネタに稼ごうという動きが、メディアを舞台にあからさまだ。それは、ネタにして稼ぐだけで、貧乏の本質を追及したり、先の展望を探るココロザシなどマッタクない。自分たちは、無関係というか、ま、貧乏より上の中流か?もっと上あたりからの視線で、それをネタにして稼ぐのだな。

そもそも、あのバブルのころでも、マル金派マル貧(ビ)派とか、貧乏や人様の生活をネタにものを書いて稼ぐ連中はいたのである。風俗は、いつの時代でも、かっこうのネタなのであるが。でも、チト、ちかごろは、あからさますぎやしないかという感じはある。ハイエナが群がるように、貧乏に群がる。

メディアを舞台に食べている連中も過当競争時代だから、恥も外聞もなく、いち早く流行のネタをとりこまなくてはならない。それにマーケティング的には、成長時の稼ぎ方があるように、縮小時の稼ぎ方もある。縮小日本のマーケティングとしては、貧乏は、確かによいネタだ。

『貧民の食卓』なーんていうタイトルの漫画も、あるんだなあ。一巻だけ持っている。これは、2001年の初出で、もうチト古いが。作者のおおつぼマキさんは、「不況や不況やと世の中は騒いでいますが仕事をする気のない人にとってはハナから関係ありません」「この物語の主人公は仕事もせず一日中プラプラしていますが実は僕の理想だったりするわけで…」と述べている。

そういう視点で、『貧民の食卓』を描いているので、貧民よりは経済的に余裕のある人間が貧乏を理想のネタにしているのだ。そういう意味では、登場する一生懸命に働く勤労者サラリーマンに対しても、またその反対の主人公に対しても、理解も愛情もない。で、作者が登場しては、アレコレ能書きをたれる。アシスタントや料理の先生や家族まで登場する。

チト、それなら、その主人公は、なんなのよ、作者の仕事場物語として描けばよいじゃないか、といいたくなるほど。でも、それには、作者の仕事場は貧民の生活とは遠く離れている。アシスタントを置いてやっているぐらい仕事もあるのだし。ようするに自分は、フツウの勤労者サラリーマンでもなければ、貧民ニートでもない。高いところから、貧乏をネタにする。自分の体験しないことを対象にするのは、それは職業として、よくあることだろうが、研究やストーリーづくりが貧弱で、作者が登場し能書きをたれると、どうしても、作者が偉そうにみえる。ま、自ら「自分には超甘くて他人にはビシバシのおおつぼだ~~~」とか、がなっている。超甘いのだ。

登場する料理は、ようするに安上がりのものだけを揃えたというだけで、それは単価換算にすれば安上がりだけど、実際の買い物は、バラで買えるものは少ない。つまり、貧乏食生活からすれば矛盾だらけなのだ。

でも、こういう漫画で安上がりの料理を覚えればよいという考えも成り立つのだろう。それはそれで納得できる。しかし、それなら、これは安上がりに「抜く」ことを目的にしたエロ漫画とかわりはない。そして、きのう書いたエロ漫画「レモンクラブ」の作品と比べたら、ストーリーやキャラクターづくりなど、レモンクラブの作者のほうが、よく考えている面もある。だがしかし、エロ漫画を描いている人は、あまり偉そうにできないのだな。

きのう書いた漫画屋の塩山編集長(この人はだいぶ偉そうにしているが)の日記「漫画屋無駄話」其の1894を見ると、「久々に『フロムA』に出稿しようとすると、成年漫画の編集は困ると拒否。まるで風俗産業扱い。『an』の学生援護会も同様。同業者の皆さん、どう対応してんの?暴力エロ小説&漫画の広告で儲けてる、書評雑誌まで出してるリクルートが、よくやるぜ」と。其の1900を見ても、状況は変わっていないようだ。つまり、NHKなどより順法精神のある会社が、求人誌で求人できない。こういう不当な職業差別がある。職業差別は貧乏の根源、固定化にほかならない。

食欲も性欲も、それぞれの満たし方があるだろう。おなじ出版にあって、『貧民の食卓』的食欲漫画が許されて、レモンクラブ的性欲漫画が許されないのは、まったくおかしい。偏見以外のなにものでもない。

ああ、また、タイトルと、かなりズレてしまった。
漫画屋に愛を。まだ求人中のようだから、誰か応募してね。
と、デタラメに終る、『貧民の食卓』考なのだった。

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