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2006/04/17

「大衆食の会」1999年7月10日号から「さくら」

↓下の「寅さんシリーズ一作目に上野駅地下の食堂「さくら」が」は、昨夜寝る前に書いたのだが、「さくら」のことを書いた大衆食の会の通信が気になって探したら、データは見つからないがコピーが見つかった。このときはまだ、通信のタイトルが「ザ大衆食」ではなく「大衆食の会」だったのだな。全文をデータに変換して掲載するのは、そのうちヒマなときにやるとして、とりあえず「さくら」の記事だけを、ここに載せておこう。これを見て思い出したが、「さくら」の看板には、「ファミリーレストラン」とあったのだな。だけど、大衆食堂の姿そのままだった。いい空間だったのになあ、そして客もたくさん入っていたのに。

見出しは「上野駅地下食堂街」だ。

いったい上野駅の構内には、いくつ食堂があるかしらないが、まだ3分の1も入ったことがないだろう。パリなんかとくらべて日本の美術館や劇場の近くには「気のきいた」レストランやカフェがないと嘆くアホ文化人がいる。おかしいよな。ようするにゲイジュツなんか生活だろ、上野なら上野駅地下の食堂あたりに入ればいいのよ。気のきいた店ならいくらでもあらあ。ということで入ったのが上野しのばず口の改札口を出た左、地下食堂街入り口の階段を下りて左の「ファミリーレストラン 味の店 さくら」。改装したが大衆食堂らしさを捨てきれなかった一九七〇年代風という感じ。店の方といい、なごめる雰囲気。イヤー、平日の1時半すぎだったけど、スゲエ盛り上がり。おれが1910年頃すごしたモンパルナスの酒場かと思いましたぜ。満席状態で9割はスーツ姿のサラリーマン。ほとんどの客が酒とめしだ。スーパードライの大瓶530円、越の寒梅正一合480円、酎ハイのたぐいはジョッキ3百数十円。料理の量が二人前ぐらいある。煮魚定食ほか。長崎皿うどん760円なんかスゴイ量。カツ丼の肉の厚さ、丼のフタをかぶせて出てくる。出前でないとフタのないことが多くなったが、あれは飾りではなく料理の仕上げとして蒸らすために必要なのさ。30代のスーツ姿の男が入ってきて、メニューも見ずに「煮込み、ビール」。若い女が4人ウーロンハイでギャッハッハー、おいおい一人は居眠りだ。ホームレス風の男がひとりニヤニヤ。大声ではなし笑う男たちは、なぜか、みんな眉がハの字についている。猥雑、都会の生活と喧騒、いいゲイジュツ的空間だ。モンマルトルを愛して描いた画家たちなら、この情景を絵にしたであろう。そしておれは気分よく上野美術館へ行き、気どった連中とワシントン美術館の印象派の絵に酒くさい息をはきかけながら、印象深くゲイジュツしたというわけだ。完。

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コメント

どーも。
けっきょく、JRの駅ビルというのは、どこへ行っても同じような店が入っているのですよね。あれは画一化推進、反「地産地消」反「スローライフ」の旗印のようなものです。

投稿: エンテツ | 2006/04/20 10:43

エンテツさんこんにちは。

上野地下食堂街の話は本当に懐かしいです。
寅さんに上野はよく登場しますが、第一作目ですかぁ。
見たような見てないような・・
今度確認しようっと。

もう15年くらい前、夜勤明けで朝から「おかめ」→「じゅらく」→高崎線鴻巣の派手な絨毯の座敷のスナック、というコースで朝から夜まで飲んだ記憶が僕の懐かしい思い出です。

本当に、なんであの地下街をぶち壊しちゃったのかなあ・・
後悔してもし切れないことですよね・・

投稿: moo | 2006/04/19 20:50

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