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2006/06/25

カルチュラル・タイフーン 2006 下北沢 続き

当シンポジウムは、初日の6月30日は北沢区民会館「北沢タウンホール」で3会場9セッション。7月1日と2日は下北沢成徳高等学校で、6会場44セッションが予定されている。一般の方は2000円払えば、そのどこにも参加できるというわけだ。

「闇市と戦後の記憶 大衆の痕跡」の会場は、150名ぐらいは収容可能らしい。

このシンポジウムは「都市」をテーマにしているとはいえ、「文化台風」だから、都市のハードとしての都市計画などより、ソフトとしての都市文化についての報告と討議が多いようだ。ま、ハコの空間にあるコトというか。

再開発でハコが変わることで中身まで変わってしまう場合が多いし、またハコは変わっても中身はあまり変わらないということもあるし、ハコは変わらないのに中身が「再開発」されちゃうということがある。

「闇市と戦後の記憶 大衆の痕跡」は、どういうパネルか、司会の五十嵐泰正さん(日本学術振興会/一橋大学)の言葉を借りながら、説明すると、こうなるかな。

70年代~80年代「若者の街シモキタ」の形成そのものが、既存の盛り場の大衆文化や近隣向け商店街を破壊しながら進行した側面、つまりハコは変わらないのに中身は「再開発」され「若者の街」になってしまった側面があるかも知れないという問題意識をふまえ、闇市、戦後の大衆文化、多層的なジェントリフィケーションをキーワードに、地理学・都市計画・大衆食文化研究・社会学といった幅広い視点から、20世紀後半以降の東京の商業地の存立を再考する。「現在台頭している戦後や昭和30年代的なものへのノスタルジーブームも、議論の俎上に載せられるだろう。またこうしたパネリストの報告に対し、実際に北口商店街で育った方に、コメンテーターとして応答いただく」

報告者は、報告の順番に、初田香成(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻) 報告タイトル「ヤミ市における都市計画、都市計画におけるヤミ市 ―戦後東京の事例研究―」 →遠藤哲夫(フリーライター/大衆食の会主宰) 報告タイトル「大衆食や大衆食堂から見た東京の町」 →原口剛(大阪市立大学) 報告タイトル「労働の記憶を語り継ぐ 大阪「築港」の社会史」

おれの報告は、再開発前の大衆食堂があった町と再開発後の様子などを写真でご覧いただきながら、要旨は、こんなことになりそう。

大衆食堂が町のアタリマエの景色だった時代は、東京のどの町も「労働し生活し憩う」ところだった。それはまた、どこの町にも魚屋や肉屋や八百屋や喫茶店などがあった時代で、それら各種の生業が通りの雑多な風景をつくっていた。そういう町が消費主義的な市場に変わっていくのが、1970年代なかごろからで、「若者文化」がもてはやされるようになる時代、その一つの象徴が下北沢の「イタリアントマト」……下北沢が「遊びの町」化する始まりだった。
それはまた飲食が町のレジャーやファッションの顔として、「仕掛け人」たちによりマーケティングされる時代の始まりだった。コンセプトとターゲットあるいはゾーニングなどによる町づくりのエレメントとして、飲食が「労働し生活し憩う」から分離され、「ライフスタイル」論によって分解され、レジャーやファッションとして扱われる。「多様」な飲食スタイルが市場として生まれた。それがオシャレな「若者文化」ってことで、「若者」は単に若いというだけではなく「遊んで過ごす」イメージではなかったか、これこそ消費主義の極地。実際に労働し生活していても、その感覚のない気持ち悪い文化がマンエンしていく……そして東京は「遊びの町」化する。「イタリアントマト」以後の下北沢も、そうした流れにあった。
雑多な人々が「労働し生活し憩う」基点だった大衆食堂は「遊びの町」のオモテからは消えていった。でも、無くならない、また新しいスタイルの大衆食堂も生まれている。そこに町の再生の道があるのではないか。


この件については、たぶん、また、明日書く、だろう。か。

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