サービス精神は燃えているか
『うすバカ風俗伝』を読み終えた。けっこうなボリュームだし、吹きだしのセリフより、なんていうのかなト書きのような文章が多くて、まさに「読み終えた」というかんじだ。
きのうの話の続きになるが、東陽さんは、自ら書いているが、けっこうサービス精神が旺盛なほうらしい。
なんにつけサービス精神が旺盛というのは、悪くはないと思うが、他人様のサービス精神が自分にむけられるならよいが他人に向けられていると、「なれあい」だのと悪態つくやつもいる。しかも、なれあっているサービス精神旺盛なやつを槍玉にあげるなら、まだわかるが、そうではないところに矛先がむいて終るなんて、チトおかしいな。いいトシの男が嫉妬しているのか、ボケがまわったかと思いたくなる。ま、それも嫌われ罵詈雑言芸のうちなのかも知れない。でも、とかく、「辛口批評」を自称するものには、そういうトンチンカンが多いが、本人は、マットウなことを言っているつもりなのだな。だけど、ようするに、自分が気に入らないだけなのさ。
ひとの弱みをみつけて、辛口こいて悪態こいても、的をはずしたら、お笑いだ。セコイだけ。そこへいくとサービス精神、いいねえ。雰囲気を、おおらかにする。なれあいといわれようが、サービス精神旺盛にいこう。かあちゃんととうちゃんがサービス精神旺盛でなれあわないと家庭の食卓はうまくいかないよ。食事は「義務」じゃないのだからさ。
お東陽さんの場合、ホテトル嬢を相手に、「ワタシはたまらずペロペロと、Nさんをナメ始めてしまいました。考えてみっとこれは、客がラーメンを作って店員に食わしているようなもんであります」なーんて、股をペロペロペロ。
そういえば東陽さんはラーメン屋的比喩が得意だな。鶯谷の80分1万8千円ホテトルについて、「それにしてもこの料金ですと、おそらく女の子の取り分は、駅前ソープの人たちと大差ないと思われます。つまり低料金で回転させる事により、利益を上げているのでしょう。そういや先程電話をした時、奥で何度もコール音が鳴って忙しそうでした」「まるで、安さと飽きないギリギリの味でチェーン展開する、ラーメン屋さんみたいなホテトル店であります」と。中華食堂チェーンの来来軒を思い出してしまった。
最後の掌編「ご近所おフーゾクは貯金減らしの元凶だった。のまき」では、「よく行く近所のラーメン屋で、チャーハン・ギョーザを食ってるところ」から始まる。テーブルにも壁にもゴキブリが。チャーハンほうばってニコニコの東陽さんのコマ「とりたててウマい訳でもないのに、ナゼか来ちゃうんだもんね」「ま、チャーハンとギョーザなんて、どこで食っても同じだよな」の次のコマで東陽さんは平身低頭「なんつーと、全国の食通の人が文句を言いに来そうなので、気の弱いワタシは先に謝ってしまいます」「へへ~、すいませんス、すいませんス」
と、だが、次のコマでは頭から火山噴火の怒りの東陽さん「たかがチャーハンとギョーザごときで、わざわざ遠くへ食いに行けるか、ベーロー!!」「と彼らが帰ったあと、ひとり毒づくのでした」「特にクソまずくない限り、腹が減ったなら近所のラーメン屋で充分なのです。専門店やチェーン店の勢力に押されて、町のラーメン屋が泣いてる今日この頃であります」と。たしかに、けっきょくラーメンブームがもたらしたのは、平均化された味のラーメンチェーンがはびこり、街角の大衆食堂的ラーメン屋が衰退する構造だった。
もっとも東陽さんの話は、それからがちがう、つまり「これは、そのままおフーゾクにも当てはまりまして、チンポが立ったなら、出来れバ近所で済ませたいつー気持ちが、誰しもあると思います」という展開になるのだ。
しかし、このへんにきのう書いたように、オイシイ「食い物」「セックスプレイ」の話とは違う、東陽的「食事」「性事」の世界があるように思うのだが。
あ、それで、なんの話を書こうとしたか忘れたので、これまで。
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