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2006/07/25

やるか、大衆食堂

ブッ屁一発、ドジをやるところだった。そもそもこれは5月に始まった話だ。某出版社の編集さんからメールがあって、じゃない、電話だったかな? ま、大衆食堂の本のハナシだ。それじゃ、こんな案ではどうですか、と、メールを送った、それに対して、メールをもらって、じゃあもうちょっと、こんなアンバイがよいかなあ……と、思いつつ何も考えないで酒ばかり飲んでいるうちに、ま、もともと企画は寝かせてジックリ熟成がよいとアセルことはしないタチというかメンドウくさがりが本音か、それにたぶん下北沢シンポの準備がしだいに佳境に入っていくにしたがい、その企画をつめて考えることをしなくなって、ま、ようするに記憶の底へ沈んでしまったのだな。

そして、ボン大塚さん、ありがとうございます。22日「なんだか、うまいものこだわりは切ないなあ」にコメントをいただき、そこに安西水丸さんの「大衆食堂へ行こう」のことがあって、オオオオオッ、そうだおれも、こうしちゃおれん話があるのだったと、一気に脳みその奥から、そのことが浮上、勢いがついた。アレコレ考え、きのうメールで、考えた案を送り、返事があり、また返事をし……今日は引き続き資料を探したり整理したり、さらに構成を考えたりと、急速に「やるか!」という雰囲気と気分が高まるのだった。やれやれ、このまま、葬り去られないでよかった。

しかし、なんだね、もう決まってスケジュール化された仕事は、ほとんど、誰かさんのようにズルズル延ばすことなくキチンと上げていくのだが、企画中のものは、こうなりやすい。目先の面白そうなことに引きずられてしまう、反省もせずに昔のことを思い出した。

かつて1970年代のこと囲碁を覚え始め、もうおもしろくておもしろくて夢中になった。それで、おれが担当する丸の内が本社の大手の、あれはなんだったか、何かの製品かテーマで、年間の広告や販促一切合財のプランのコンペがあって、ほかに大手広告代理店一社、準大手広告代理店二社が参加だった。そのプレゼンの当日、すでに企画書やコンテなど揃って、たぶん徹夜して揃えたのだったと思う。で、時間に余裕があったので碁を始めたのだった。当時、おれがいた企画会社は昼から碁やろうが将棋やろうがバクチやろうが酒飲もうが勝手だった。それに碁の相手も周りのものも、おれがコンペのプレゼンをひかえているなんて知らないから、止めるものはいない。ズルズルズルと夢中でやって、ありゃりゃりゃ、プレゼンの時間すぎちゃったよ~。それは年間で千数百万円の売り上げになるプランで、その企画会社の年間売り上げの一割近くに相当するものだった。それをぽしゃってしまったのだ。それから、そのクライアントからは冷たくされるし、しばらくついていなかったなあ。げははははは、ま、そういうこともあるさ。

しかし、なんだね、こうやっていま古い大衆食堂の写真を探しているのだけど、『大衆食堂の研究』を刊行した1995年頃は、ま、大衆食堂が本になるなんてもう二度とないだろうなあ、三一書房はよくやってくれたよというかんじで。出版界で長年食べてきた三鷹の水喜大先輩からは、大衆食堂の写真をちゃんと撮って持っているといいよとアドバイスもあったのだけど、もともとレトロ趣味がないうえ、そんなものが興味を持たれるとは思えなかったから、気まぐれに撮影しただけで、そして何より整理が悪く、かなり散逸しているのだ。

それから、これは覚えているぞ、NHKの某元ディレクターだ。アンタはNHKのニンゲンにしてはだらしのないいいかげんなイイ男で、そもそもNHKのディレクターが大衆食堂で番組をつくろうとマジメにやったのは、アンタだけだから名前は出さないが、アンタに貸した資料や写真それもネガのままのものも、あれ全部なくしやがって。クソ野郎。だいたいコイツ、担いでいるバッグが、いつも大荷物で擦り切れ穴があき、そこからボロボロものを落としながら歩いているやつなんだよな。ま、でもおれは、そういうバカさ加減は好きだし、寛容の精神が深く広いからね。それに、プロデューサーに何度もダメを出されながら、懲りずに何度も挑戦し、ついにおれたちの努力は報われることはなかったが、おれはNHKがどういうところか知っているから、どうせ無理だろうとは思っていたが、アンタは熱心だったし、ま、いいのさ。

ということまで思い出すのだった。

とにかく、この大衆食堂の本の話は、まだこれからどうなるかわからない、なにしろ出版界というのは永田町に最も近い体質と構造だからね、ムラボスコネ社会であり、一寸先は闇ですから。もしおれの大衆食堂の本を見たいという方がいたら、企画とヤル気が消えてしまわないよう、いまから大いに応援してくださいましよ。

そうそう、ここは、というオススメ食堂があったら、メールでお知らせください。ザ大衆食のトップページに公開しているyahooのアドレスにメールをするときは、ご自分の送信者名に日本語を入れるか、件名に「エンテツ」や「遠藤」とか入っていると、素早く見ることができます。なにせ、スパンメールがドカドカ多くて、いろいろ対策がしてあるもので。

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コメント

五十嵐さん、どーも。

どうやら下北沢シンポで、この本のことをすっかり忘れてしまったようだったけど、下北沢シンポでは「愛嬌の大衆食堂パラダイス」だったから、大いに役に立ちそうです。

大阪、いいなあ、行きたいですねえ。余所者の目で大阪の大衆食堂を語る、なーんての、架空座談会みたいにして入れたくなってしまう。

投稿: エンテツ | 2006/07/26 17:41

吸うさん、野糞でアドバイスありがとう。
早速、やっておきました。

投稿: エンテツ | 2006/07/26 17:32

おおおー、いよいよ来ましたね。
楽しみにして待ってますです。
早く、「大衆食堂パラダイス」を肴に、ああこうやりたいですね。

来月末には、また大阪に行く予定ですよ。あっちでは、輪をかけて面白そうなところを、原口くんが開拓してくれています!

投稿: yas-igarashi | 2006/07/26 14:48

ああ、エンテツ先生様、メールアドレスを公表するんだったら、noguso@konnichiwa.ne.jpのように「@」だけ大文字にしておくとか、noguso @konnichiwa.ne.jpのように一箇所スペースを入れておくとかすると少しはスパムが減りますよ。
まあ、その場合には「スパム対策のため〜してあります」と注意書きしておかないと「なんだエンテツ、メールアドレス使えねえぞ!!」と怒られますが...

投稿: 吸う | 2006/07/26 12:03

ども、ボンさん。いやはや、私の本を出してもらえるなんて、喜んで急いでかからなくてはいけないのに、すっかり忘れて放りっぱなしにしてしまい、でも、なんとか話はつながっていますので、このまま一気に行きたく思っています。

いま進んでいる構成だと、ま、ベースはありますが、ほとんど書き下ろしになると思います。まさに「大衆食堂パラダイス」という感じですに。

根がナマケモノですので、あの話はポシャリましたとならないよう、これからの応援ムチ入れ、よろしくお願い致します。

投稿: エンテツ | 2006/07/26 08:48

待ってました、「やるぞ、大衆食堂」の心意気
いろいろ大変そうですが、実現を願っています
「研究」本の続編か増補版の形なんでしょうか
大衆食堂パラダイスみたいになればいいですね

投稿: ボン 大塚 | 2006/07/26 08:27

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