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2006/08/25

メイドに萌えの昭和初期の男たち

きのう書いたように、秋葉原の街頭でメイドちゃんを見た。ウワサでは聞いたりネットで画像を見たりはしていたが、現物を間近に数体も見たのは初めて。しかし60過ぎの男は、あのむき出しの白い腿に萌え発情するほど若くはなく、灼熱の街角でボワ~と眺めながら冷静な知性で、そういえばこの格好は、むかしの飲食店風景にあったなあと思い出したのだった。

Meidoんで、みつけました、この挿絵。クリック地獄で拡大。まさしく、メイドちゃん。これは、由緒正しいお上品な日本橋高島屋食堂の「女給」さん。昭和初期の風俗ゆえ、スカート丈はいまほどミニじゃないが、しかし、ヒザややギリギリ上だから、当時としては露出の多い方だ。ホッソリ体形に、首が長く、顔が小さいあたりは、アニメチックでもある。

これが載っている本は、ザ大衆食のサイトに紹介途中のまま放り出してある、「東京名物食べある記」……クリック地獄。1929年(昭和4)発行だが、時事新報社家庭部記者が、1923年の関東大震災から復興した東京の飲食店を食べ歩いて紹介する新聞連載記事で、かなり評判だったものをまとめた。

この挿絵のところで、記者たちは、こんな会話をしている。

久「女給さんの服装もいいじゃありませんか」
M「エプロンも仲々洒落ている」
S「何処までも少女らしいかんじでいい」

当時の新聞記者といえば、インテリ中のインテリ。その会話だ。むかしもいまもメイドファッションに萌えの男たちは、その「少女らしさ」が魅力であるのか。オトナな女は苦手なのか。そういう心理が昭和初期とイマの時期に、東京の街角の風俗として露出する、なにか必然はあるのだろうか……?。

「東京名物食べある記」の挿絵で、いちばん多い「女給」のファッションは、着物姿にエプロンだ。いちおうエプロン姿が、モダンであり、モダンの「色気」として、スタンダードであったようだ。

ほかに、この絵のようなファッションもあるが、スカート丈は長くエプロンも大きい。スカート丈が短いほど、ヒラヒラのついたエプロンは小さいほど、「少女らしいかんじでいい」と、男は萌えなのかも知れない。

関東大震災で江戸の名残りの風俗は一新され、東京では地方の貧困がウソのような、「モダン」が流行する。拙著「大衆食堂の研究」にも引用したが、昭和三年八月の『東京市ノ状況』に東京市役所統計課の役人が、「粋ナ純日本式ノ建物ニ大江戸ノ名残ヲ偲バセテ江戸前ノ庖刀ヲ誇ル日本料理店ヨリ所謂カフェーノ名ヲ以テ呼バレテ居ル西洋料理店ヘノ推移ニハ現代人ノ有スル生活意識ト歓楽ヘノ欲求ガカナリ濃厚二彩ラレテ居ルヨウニ思フ」と書いたようなアンバイになる。

はて、「現代人ノ有スル生活意識ト歓楽ヘノ欲求」は、なんなのでしょうかねえ。

今日締め切りの原稿のために、明治期の西洋料理店の資料を見ている。「女給」は和装が圧倒的だが、どのみち、エプロン姿はない。

ってことで、オシゴトにもどろ。

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