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2006/08/19

もうすぐ鍋の季節だからカキの知識

前にもお知らせしたが、8月15日発売の「食品商業」9月号の「食のこころ、こころの食」は「飢餓はこの世からなくせるか」という壮大なテーマで書いている。

今日は、そのことじゃない、まもなく締め切りのこれが連載の打ち切り最終回となる10月号の原稿でもまとめようかと、その9月号をパラパラ見ていた。表紙は、日本人の秋のVSOP(古い流行語だね~)のサンマの写真。そして本文では、鍋物セールがらみの記事が多い。

パートタイマーのためのケーススタディ「あいまいな知識が混乱を招く」に面白い話があった。これは、わりと消費者が間違いやすい。

問題は、カキ。売り場には「生食用」と「加熱用」が並ぶだろう、あれのことだ。あれを、「生食用」の方が割高なので品質もよいだろうと、加熱料理にも利用する人が意外にいる。鍋をやるのに、わざわざ「生食用」を買って、やっぱ高級な生食用はうまいね~、これがホンモノのカキの味なんだよ、高いカネを出した価値はある、なーんてよろこんじゃったり。

実際は、どうか。食品商業の、その記事だ。これは、きむらマーケティング&マネジメント研究所の木村博さんが書いているのだが。

パートの木村さんが鮮魚の中田チーフに、「こちらのお客さまが鍋でカキを食べるとき、生食用カキと加熱用カキでは価格の高い生食用のカキの方がよいかと尋ねてこられたのですが、どうでしょうか?」と聞く。

中田…鍋でカキを食べるなら、加熱用のカキの方がおいしいですよ。
お客さま…え、そうなの? 生食用のカキの方が、価格が高いから新鮮だと思っていたのよ。
中田…それは誤解ですよ、カキは殻から出されると水で洗浄されます。生食用は生で食べても大丈夫なように何回も洗浄します。一方加熱用カキは加熱されることが前提ですから、洗浄の回数は少ないのです。従って、洗浄という手間が多い生食用は価格が高くなり、洗浄という手間が少ない加熱用は価格が低くなります。また味という面から言うとカキは水で洗浄されるほど、うま味も流されてしまいます。従って、加熱用の方が生食用よりうま味が残っています。ですから鍋には加熱用カキを使った方がおいしいはずです。

というぐあいなのだ。これは、あくまでもあいまいな知識でお客にアドバイスしないためのケーススタディとして書かれた一部を引用しただけだが。客もまた、高ければ、味の品質もよいものと思いがちだ。カキなどは、生食用のように、よく洗浄して白く輝いて見えるものが「うまそう」と思われたりする。

食べ物にかぎらないようだが、値段が高い、白い、輝いて透明感がある、これに惑わされやすい。とくにオトコは、オンナのこれに惑わされやすいようだ。…って、関係ないか。

そして、よく洗浄して安全安心だけど、うま味のぬけたカキを食べて、この生の味が、ホンモンのカキの味なんだヨ。なーんて、楽しくウンチクを傾ける。

好き好きだが、うま味のぬけてしまった「生食用」カキは、清酒や白ワインで洗って食べると、うまく食べられる。黙っていれば、そのようにアルコールで洗ったことも知られずに、これが手をかけないホンモノのカキの味と思って食べてもらえる。祝着至極。

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コメント

自分はテレビのニュースで、無菌の海水で生食用に
しているのをみたわけですが
ニュースになるくらいですから、それが普遍的な
方法であるとは考えにくいですな
いわれるとうり一般的には加熱用のほうが
うまみがあるというのは より実際の生活の知恵と
いうことになりそうですね

生ガキもいいのですが、フライが一番食べやすくて
好きなんです。はやく季節がこないかなあ

投稿: なるほど | 2006/08/26 04:37

コメントありがとうございます。

殻付カキは、もちろんあります。それからむいた生食用でも、おっしゃる方法で洗浄したものも流通していると思います。

その流通量について全体の何割ぐらいあるかは知らないのですが、ここにあげた例は、説明してありますように、スーパーマーケットの「あくまでもあいまいな知識でお客にアドバイスしないためのケーススタディとして書かれた一部」の話でして、その場合、対象になるのは、もっとも流通量の多い一般的なものになるわけです。

あと、うまみのぬけぐあいのていどの差をどう判断するかは、それぞれの味覚のモンダイになると思いますが、加熱用には加熱用を使用した方が、うまみはよいというのも一般的知識としては、差し支えないように思います。

投稿: エンテツ | 2006/08/24 07:51

殻のついたままの、生食カキもあるはずですが
それは水揚げした生きている状態のカキを、無菌状態にした海水につけて毒を抜く方法だったはずです

その殻をむいて出荷されているカキはそれほど
水洗いをされておらず、うまみも抜けていないと
思われるのですが、最近はそういったカキは市場に
出ていないのでしょうか

投稿: あれ? | 2006/08/24 06:50

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