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2007/01/09

おいしい灯り

「日本人は工場のような照明の下で食事をしている」とアメリカ人は笑う、というような話があるらしい。おめえら無神経の殺人鬼の見本のようなアメリカ人にそんなこといわれたくないよ、だいたいあのマクドナルドの下品な明るさを持ち込んだのはおめえらじゃないか、と思うが、おれが一緒にシゴトをしたことがあるニューヨークのデザイン会社の店舗デザイナーは、「光の魔術師」といってよいぐらい照明のデザインがうまかった。

どうってことない安上がりの光源に、テキトウな安いアクリル板などを反射板がわりにつかったり、とくに間接照明用の工事をしなくてもその効果が出る設計にしたりと、ま、じつに巧みだった。彼らは、みなイタリア系だったけどね。とにかく、だから、照明によって客の回転率を操作してしまおうなんてことをトコトン追求したのもアメリカ人だな。

明るさと色合いで、落ち着きぐあいが変わるし、味覚も変わる。ということは、いまでは多くのひとが知るようになった。

落ち着くからおいしく食べられるということもあるらしいし、白色系の蛍光灯より白熱灯のほうが、うまそうに見えるということもあるらしい。あまりに明るいと、料理の微妙なシズル感が、ふっとんでしまうということもあるようだ。

となれば、むかしふうのコキタナイ部屋の裸電球の下が、うまく食べられたリクツになるような気がする。レトロ趣味も、それが関係するか。

ま、むかしも、薄暗い照明を「ムード」があるとか「高級感」という方面でつかってはいたのだが。しかしビカビカの蛍光灯が「高級感」だった時代もあるな。とにかく日常の食事の灯りについても、照明の種類は増えたし、考えられるようになった。照明の食文化も「成長」しているようだ。

が、しかしだよ、それでもやはり、となると、ますます自分の「うまさ」の基準というのがアヤシイというかんじがしないでもない。どこまでが「主観」で、どこまでが「客観」なのか。ワタシって、なに? だれ?

先日、わがボロアパートのDKのメイン照明のカバーが壊れたので照明器ごと変えたら、白色系蛍光ランプで、ギャッというほど明るくなった。照度の調整はできるのだが、イマイチ落ち着かない。それで気がついたのだが、そのとき、照明屋さんが、代わりのランプを置いていってくれた。それが、ちゃんと気をきかして、白熱灯系の色のランプだったのだ。で、今日は、それにつけかえようと思って、こんなことを書いてしまった。「好食」のおいしい灯り、の話でした。

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