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2007/03/17

硬直した官僚主義の末路「正しい日本食」

まったくねえ、もうおれは、こういうことについてイチイチものをいう気がしないのだが。この「正しい日本食」をすすめようと動いてきた連中は、農水省がそもそもそうだが、食育基本法の推進者たちでもあることを考えると、これは悪いジョーダンと受け流すわけにはいかないとおもうよ。

もうまったく状況がわかっていない連中が国の政策を立案し推進している。そこで浪費されている税金は、未来のために一銭の役に立たないどころか、負の方向へ導かれているのだ。

世界的な「多文化」化の流れ、それを恐れるだけのような自分の殻の中の排外主義的「正しい日本」、という構図がある。うまくやれっこない。「小児病」って、このことだね。もっとオトナになって柔軟にやらなくては、複雑化する状況を乗り切れない。この政策が折れたように、日本がポキッと折れちゃうよ。って、おれは日本なんか折れようがどうしようが、どーでもいいんだけど。ま、みんなで折れれば「一億なんとやら」で怖くはないか。だけど、おれは、そんな連中と心中したくないなあ。

こういう硬直した官僚主義がいつまでもつづくのは、片方に、先日から書いている「白100%」だけを「正」とし、「白か黒か」をハッキリさせるのが「正しい」とする、日本的な根強い美徳があるのと関係するようにもおもう。一度そのように、自分たち自身を見直す必要があるのではないか。なーんて書いても、けっきょく、なるようにしかならないのだな。「ためいき」

もっと、おれのいうことに耳を傾けなさい。

しかし、なんで、あの農水省の「白100%」からはるかに離れ黒い、松岡一人を引きずりおろせないのか。「正=白100%」は偽善かよ。

以下、このニュース引用。

Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070316-00000115-yom-bus_all

日本食レストラン認証、「正しい日本食」の基準設けず
3月17日3時8分配信 読売新聞


 農林水産省は16日、2007年度から始める予定だった海外の日本食レストランへの認証制度について、「正しい日本食」を判断する統一の基準を設けない方針を決めた。

 政府が「お墨付き」を与える形もやめて、判断を民間組織に委ねる。国内外の反発を受け、当初の構想から大幅に後退した格好だ。

 農水省から委託された有識者会議がこの日、基本方針をまとめた。「日本食の定義付けは難しい」(座長の小倉和夫・国際交流基金理事長)ため、食材や調理方法など、各国・地域の実情に応じて総合的に判断する。評価にあたる民間組織は現地の料理研究家などで構成する方針だ。

 農水省は、日本食とかけ離れた「日本食レストラン」が海外で増えているとして、正しいメニューを出す料理店への認証制度を計画していた。しかし、「現地の好みに適応した日本食もある」「政府の判断を押しつけるべきではない」などと反発が相次いでいた。

最終更新:3月17日3時8分

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コメント

文化とは何かってところで、深く考えたほうがいいと思うよ。
バリエーションが出てくるのは、それが拡がりを見せている証拠でもある。

宗教にしろ文字にしろ料理にしろ、土地から土地に広がれば必ず様々な傍系ができて、他の文化の中にしみこんで行く。

そのうち原型を留めないまでに変化して、拡がり、根付いてゆく。

でもそこで、それが原型と違うから、といって根絶やしにしようとしても、止まるものではないし、全くの別物として取り扱われるだけのこと。

「これは日本料理にルーツがあるんだ」という形にしろなににしろ、ミームのルーツが「日本」にあることが残れば、それはそれで十分価値あることだと思うけどね。

投稿: たん門 | 2007/03/18 15:06

いや、これはやるべきでしょう。
要は、日本食材の海外への輸出が大きな目的だから。
食糧戦略の一環でしょう?

それを見越してやるべきなのに、表面的に日本食の基準は何だ?とかいって、やめてしまうのはどうなのか。

牛肉や穀物市場を牛耳っているアメリカやオーストラリアが捕鯨に反対するのと同じです。

もっと背景にあるものを読まないと。
最近の日本人って、頭が悪くなったなあ。


投稿: とおりすがり | 2007/03/18 01:04

 政府のかたを持つ気もさらさらありませんが。
 もともとは貿易振興機構(ジェトロ)が主導していた認証制度のようですね。日本産の農作物や加工品、日系メーカーの商品(コメや日本酒、日本資本の現地メーカーの醤油なんか)を提供していたり、そういったものの販路拡大のキッカケになりそうな店に認証を与えたかったんだと聞いています。決して「非日本人経営の日本食もどきの自称日本食店を攻撃・排除する」というのが本意ではなくて。
 税金を投入して認証制度をやれば、ゆくゆくは輸出増や大手メーカーの現地法人の売上げ拡大でモトが取れると思っていたのでしょうね。
 稲作農家や食品メーカーには、今回の認証断念でガッカリしたヒトも少なくないと思いますよ。

投稿: 近藤昌 | 2007/03/17 20:56

どうも、コメントありがとうございます。チト時間がないので、吸うさん、anonymousさん、まとめて共通する点について。また明日、本文の方に書きますんで、とりあえずってことで。

おれがいまここに書いたのは、この認証制度が浮上した、「問題の本質」とか「日本人としてのアイデンティティ」のレベルのことじゃなく、読んでいただけばわかるとおもいますが、政策レベルのことなんですよ。

だから、「日本食」のアイデンティティとか、それにからむ政策レベル、それとこれは産業政策がからんでいたとおもう。もちろん、そこに日本人のアイデンティティや日本文化のアイデンティティを期待したひとはいるだろう。ま、いろいろな期待はあっても、だけどこれは農水省の政策としてやろうとしたことなんですよ。

食育基本法とちがって、そこにそもそもタテ割り官僚主義の弊害があらわれているようにおもうけど、いまさら「日本食の定義付けは難しい」なんておかしいですよ。ちなみに、農水省・厚労省・文部省が協同しての食育基本法では、まがりなりにも「日本型食生活」については定義らしいものがありますね。

さらにちなみに、このブログやザ大衆食のほうを読んでもらっていれば、おれの関心は「近代日本食とはなにか」なんだけど、とくに研究者じゃないおれだって、チョイと知識があれば、そもそも「日本食」の定義すら困難を極めるだろうぐらい、すぐわかることなんですよ。農水省の役人は、そのへんをどう考えていたか知らないけど、現にいまごろになって「日本食の定義付けは難しい」では、いかにもお粗末、状況の把握や認識が悪いか。こういう実態把握すらしてない、それは官僚主義そのものじゃないですか。

それから、なにもかも認証制度で解決するかのような、日本料理の現状は、そんなに簡単じゃないでしょう。刺身、寿司、といったぐあいに個別の対応策を考えなかったのか、たぶん企業ならそうするだろうけど、もっと個別のテストをやってから根本的な解決策へむかうとか、いきなり認証制度ではなくても、いろいろ方法はあるわけで、それをひとからげに認証制度にする。これは、プランニングの常識からすれば、とても奇異なわけで。

おれはこういう状況をみると、かつて「食生活の向上」をタテマエに栄養士という認証制度とはちがうけど、そういうものを大量に生み出したけど、食生活は悪くなったという、そしてじゃあ食育基本法だ食育指導員だとか、そういうものにお墨付きをあたえようという。そういう、いつまでたってもおなじことの繰り返し。

そのたぐい「お墨付き」で解決できるかのような硬直化した官僚主義、これは、アイデンティティといったレベルとは別の、現状把握、政策立案遂行能力の問題だろうとおもっています。

急いで書いているから、最後のほうチトおかしいか、ま、とりあえず、そういうことで、あとは明日。

投稿: エンテツ | 2007/03/17 17:34

根本的に勘違いされているようですが、この問題の本質は官僚主義ではないでしょう。

現在、日本料理の修行経験もろくにないアジア人による自称「日本料理」を通して、海外での日本文化の評価が貶められるところまできています。
それを防ぐ施策を検討するのは、歴史のあるまともな国家としては当たり前のこと。

あなたの言う「多文化」化の流れはその通りだと思いますが、日本人としてのアイデンティティまで欠如すると、それこそ世界から笑われますよ。

投稿: anonymous | 2007/03/17 15:50

認定でもなんでもやりゃぁいいんですよ。結局、旨ければ客は来ますからね。
例えば中国政府が同じように日本の中華料理屋にお墨付きを与える制度を作ったって、町のラーメン屋に閑古鳥が鳴くなんてことあるわきゃないんすからね。中華丼が喰えなくなるなんてことにはならないっすから。
まあ、「日本食」と称してキムチなんかの韓国料理ばっかりが出てきたり、生モノの扱い方を知らないから悪い刺身で食中毒をおこしたりなんて事例が欧州あたりじゃ時々あるようで、そういうことで警鐘を鳴らすって意味では悪いことじゃないんすけどね。

どうも役人のやることは野暮ったいんすよね。

投稿: 吸う | 2007/03/17 15:09

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