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2007/04/19

「ないよりマシ」という横着

「食育基本法」のときにも、「ないよりマシ」ということがいわれた。現状が、あまりにもヒドイから、ないよりマシというのだ。ちかごろでは、たいがいのことが、ないよりマシで片付けられる。大きなことから小さな情報まで。

小さな情報でいえば、いわゆる「昭和30年代ブーム」「昭和レトロブーム」などに包括される、大衆食堂や大衆酒場や立ち飲み屋などに関する情報だ。ないよりマシ、だというのだ。「昭和の古きよき時代」を知らない若い人たちに「昭和の正しい姿」を伝える。下町や庶民の「よい文化」を伝える。企業の儲け主義とはちがう「正しい食文化」を伝える。そして知りたいというニーズもある。そのためにも、ないよりマシだというのだ。

ほんとうに、そうだろうか。そういう言い方には、なにか思考をサボる横着があるようにおもう。そもそも「ないよりマシ」といったバクゼンとした考えから、なにかプラスになることが生まれるほど、現状は甘くはないだろう。ましてや「ブーム」というのは、どんなに「文化的な虚飾」をほどこしたところで、なにかを生むものではない。とりわけ昨今では、情報を消費してオワリだ。

情報は生贄になる子羊ちゃんを集めるエサにすぎない。集まった子羊ちゃんは残り少ない芝生をアッというまに踏み荒らす。そして集まった子羊は、大きな虎さんにパクッとくわれてしまう。「ラーメンブーム」が、そうだったでしょ。昭和下町レトロブームだって。

2007/04/14「生活と趣味のあいだ」に書いたことに関連するが、またまたその「情報公害」にあった酒場の話を聞いた。ちかごろ、そういう話を聞くたびに、ザ大衆食のサイトや、このブログの、大衆食堂の情報を消したほうがよいかも知れないと悩む。しかし、そんなことで解決することじゃなし。座して荒野を待つより仕方ないのか。

情報を発信したり書くという行為の「正」と「負」をシッカリ考えながらやらないと、「無責任不祥事企業」とたいして変わらないことを「正義」づらしてやっていることになる。

すくなくとも、「ないよりマシ」と安直に流れるのではなく、こういうことに悩みながら、つくったり書いたりする姿勢だけは失いたくない。

…と、横着このうえないおれですら、しみじみ思うのだった。ああ、こころがポキッと折れそう。

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