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2007/12/24

「昭和」や「近代」をくいつぶす「葬送の季節」。

しかし、なーんでまあ、こうなんだろうね。懐古、嘆き、追悼、そしてALWAYSな感動と涙に満ち満ちている。みな葬儀屋と参列者になったかのようだ。延々と続く、葬儀と参列者。あの町にあった、あの店が亡くなって、あの人がいなくなって、あの町へ行くのが淋しくなったとかさ。ああ「昭和のニホヒ」あの頃はよかった、ほらこの街角にこんな「昭和のニホヒ」がある、いいでしょ、こういうのが無くなっていくって淋しいなあ。ほら、ここに、こんなオモシロイひとがいたのだよ。うん、こういうのが好きなおれって、なんか優しい人間、よい人間、正しい人間、美しい人間だなあ、とかさ。おまえ、酔っ払いか! と言いたい。

あっ、酔っているのは、おれか。酒に酔っているだけだ。イブだからな、昼から飲んでいいのだ。イブだからな、ちゃんとキリスト様の血である赤ワインだ。

そーいえば、おれは近頃、葬式ってのに出たことないのだが、葬式でも、故人の歩みや業績なんかをスライドやらビデオにして見せるショーバイがあるんだってな。アア、あの人は、いっていってしまった、悲しいね、淋しいね、あのひとはワレワレにこんなよい思い出、こんなよいことを残してくれました、その意思をワレワレは継ぎましょう。テナ、ものだ。こういうのは、活字の世界じゃ、むかしから「追悼集」とかいってあったね。いまでもあるけど。そんなものは、未来へのプロセスなど展望してないのだから、いっときの感傷のネタになるだけ。

ま、それもよいだろうが、おれは、こういう葬儀屋にも参列者にも、なりたくないね。大衆食堂や大衆酒場を、そこにイマを生きているひとたちがいるのに、その人たちには、まだ未来があり明日があるのに、懐かしい過去の見世物にしてしまう。いくらなんでも、そりゃヒドイぜ、と思う。

「昭和遺産」「近代化遺産」なーんじゃそりゃ。文化庁が指定した「近代化遺産」、かと思えば役人の「遺産利権」争いか、経産省が「近代産業遺産」。なーんじゃ、そりゃ。そして民の諸君までが、その尻馬に乗って、やれ「路上昭和遺産」だとか「街角遺産」だとかなんだとか競って町を遺跡にして、みな昭和近代葬儀人になろうというのか。また、そういう本や雑誌を買って葬儀に参列する人びと。そんなに葬式が好きなのか。なるほど、感傷にふける自分がカワイイのだな。

なーんじゃ、そりゃ、もっと創造的にやれないのか。何かを生み出せないのか。創造に働く力強さを失ったのか。けっきょく、昭和や近代をくいつぶしながら滅びるんだよな。そういう文化や日本は滅びても、おれは痛くも痒くもないの。むしろ、そういうのがワケしり顔シタリ顔で、のさばっているほうが鬱陶しいの。大衆食堂や大衆酒場に必要なのは、ワケしり顔やシタリ顔じゃない。

そう思う、近頃の「葬送の季節」なのです。

こういうことを書いていると敬遠されて、仕事がこなくなるのだけど、また書いてしまった。

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