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2008/02/10

理屈っぽいピンク映画と泥酔記憶喪失、雪の夜路上に死す。

きのうは2008/02/06のタイトルのように「大宮オークラで山崎邦紀監督の映画を観て、いづみやで呑もう」の日だった。

どうせなら最初から観ようと、やらねばならぬことタンマリあるのでギリギリまで片付けていたら昼飯をくいそこね、午後2時直前に大宮オークラに到着。切符売場の前に山崎さん。山崎さんのブログのコメントで見かける、やみぃさんを紹介される。入場券を買おうとすると、売っているおばさんがカネはいらないという。山崎さんの「顔」ということらしい、ありがたくそのようにする。缶ビールを買ってのむ。すきっ腹に効く~。

タノさんがいて、一緒に中にはいって座るとき、彼は「離れて座ったほうがいいのでしょうかね」という。たいがいは、ぱらぱら離れているのが「正常」なのだが、ま、いいじゃないのホモのようにふっついて座る。

思ったより入っていた。女の客も多かった。女専用席はヒモでかこってある。あとで山崎さんに聞いたところによると、それでも通路側に座っていたひとは触られて内側に移動したそうだ。いかにもピンクの客らしい。こういうイベントだと知って知らずか、トウゼン普段の正しいピンクの客もいて、その動き生態を見ていると映画よりおもしろい。

と言うと映画はつまらなかったように聞こえるかも知れないが、そうではない。山崎監督らしさを堪能した。笑ってしまう、コミカルな場面が多い。以前、塩の字に、浜野監督より山崎監督のほうがボッキすると聞いていたが、まったくボッキしない。おれはやはりインポになってしまったのか、悲しい。などと。

だけど、あとの呑み会で浜野監督と話したのだが、とにかく山崎さんは理屈っぽい。ブログもそうだが。ボクはああでもなくこうでもなくだからこうでああで、ではヤルゾという感じでからみパコパコする。モノローグ10分に3秒のからみパコパコ早漏という感じである。なのに、音声がよく聞こえない。音響設備のメンテナンスなんかやってないから、ボリュームをあげると音が割れちゃうのだそうだ。そこで、それをちゃんと聞かなくては山崎監督の映画を観たことにならない、長いモノローグを一生懸命聞こうと集中していると、ボッキどころではないのだな。

2時から1時間一本が終わり3時から山崎さんと女優さんが舞台に立ってトーク。佐々木基子さんのほかに、里見瑤子さんとささきふう香さんも加わった。基子さんと瑤子さんは、上映したばかりの作品に出演しているベテラン。ふう香さんは、まだ一年半ぐらいでAVが主だったから、山崎さんとは仕事をしたことがない。

基子さんは踊り子からピンク映画に入ったひとで、普通はその逆が多いらしく、めずらしいのだという。ふう香さんのAVと映画の作り方のちがいの話がおもしろかった。簡単にいってしまえば、AVは撮影時間も短いし、監督と俳優が役づくりや演技について突っ込んだ話をすることもないということだ。ところが、ただでさえそうなのに、山崎さんのばあい理屈っぽいのだから、監督と俳優が、ああでもないこうでもない意見をかわすのを楽しみながら作っている様子が伝わった。

瑤子さんは、映画の印象とちがって、話し方も話している内容も、わりと好みのタイプだった。あとの呑み会でせまろうと思っていたが、残念ながら呑み会には参加されなかった。

映画を、あと2本2時間、5時半ぐらいに終了。なんども理屈っぽいと書くが、そのぶん、映像の細部へのこだわりもすごく、なかなかみごたえがあった。男優の声の出し方がおかしく、笑えた。山崎監督の映画の楽しさは、非日常反日常の感覚で、常識的な日常性を笑いとばすような楽しさなのだな。

呑み会は、山崎さんと10人ぐらいの参加だろうと話していたのだが、なんと21名も。大宮いづみや第二支店の店長に話し、2階を占拠させてもらう。頼りになる店長、お世話になった。

エロ漫画一筋30年の一水社の多田さん、おなじく一筋者の漫画屋の塩山芳明さんとひさしぶりに会う。閉館イベントに山崎監督と浜野監督を選んだ目が高い大宮オークラの佐々木支配人、元国語の教師という従業員技師、大蔵映画の方、大学の先生や評論家の先生、エロ漫画家、佐々木基子さん、里見瑤子さん、それにわが呑み人の会のタノさん、クマさん、コンさん。多彩な顔ぶれ。

乾杯のあとは、席を移動しながら、いろいろな人とおしゃべり。最初の一杯は生ビールだったが、あとは燗酒をグイグイ呑む。大学の先生と神社の話しをし、そのあと休筆中の女性のエロ漫画家と話しているあたりから、まったく記憶がない。

北浦和の駅から歩いている最中だと思う。雪の中にいることに気づく、ウチが遠い歩くのがイヤになっていた。身体がヨレヨレ、もう動きたくない。一瞬、ああ、おれは雪の中で行き倒れかと思った。ような気がする。目が覚めたら朝、着のみ着のままで、ふとんのなかだった。財布を見たら、あまり減っていないが、少し減っていた。

来週17日にちようびは、『女が映画を作るとき』(平凡社新書)の浜野佐知監督特集です。大宮オークラは、この日が最後で閉館になります。おれは、ほかに予定があって行けないのだが、ぜひ参加してください。浜野監督は、「私の映画は、山崎監督のように理屈っぽくないから、ぞんぶんに楽しんでください」と言っていましたよ。浜野監督もおもしろいひとです。呑み会にも参加しておしゃべりしてみては。女専用席あります。

大宮オークラの閉館は、地主との契約が切れる関係だそうです。

山崎監督の「影への隠遁Blog」…クリック地獄

正しい翻訳のため岩波書店と闘う「やみぃの屋根裏部屋」…クリック地獄

山崎さん、浜野さんたちの会社「旦々舎」…クリック地獄

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コメント

映画も映画館も呑み会も楽しかったです。こういうふうに一度にイロイロ楽しめる機会は、めったにないので、心身ともにパワーアップしたような気分。なんだか、気どらない「悪所」ほど、「ココロの洗濯」になりますですね。

投稿: エンテツ | 2008/02/11 13:24

お世話になりました。有り難うございました。お昼も食べないで来て頂き、帰りには雪で遭難しそうになったとか。申し訳ありません。しかし、エンテツさんのいわゆる「普段のピンクの正しい客」の挙動には笑いましたね。ロープで仕切られた女性専用席の周囲を、スクリーンそっちのけで睨みながらグルグル回る男たち。まるで羊の檻のまわりに群がる狼さながらで、こんな古典的な男たちがピンク映画館には生存していたのだと、変な意味で感動してしまいました。それ以外にも3人ぐらいの女装のお姐さんたちがたむろしていたり、何か貴重な悪所であったことを改めて再認識しました。セリフも聞き取れない音響には、監督としてはガックリでしたが、リアル・ピンク映画館を体感してもらったような気がします。エンテツさんのお忙しい中のご好意に感謝します。

投稿: ヤマザキ・クニノリ | 2008/02/11 01:34

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