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2008/03/15

北区の『街よ! 元気になれ』。

Kitaku_kankou2きょねんの10月末ごろに話があって関わってきた、東京都の北区まちづくり公社が発行する『街よ! 元気になれ』2008年春号が完成した。B5、本文34ページ。当ブログでも、ときどきそのことは書き、「観光」特集と呼んできたが、正しくは「「新北区紀行」~観光のススメ~」だ。『街よ! 元気になれ』は、年に2回発行され、一本は「地域版」、もう一本は「全区版」で、今回は後者になる。

全員がボランティアの企画編集委員会が、編集業務をやっている。そのほとんど、おれが編集会議であったひとたちだが、編集や印刷の知識のあるひとは一人もいない。デザインやレイアウトもイラストも素人で、みな自分たちでやる。予算も印刷代しかなく、まさに「手づくり」だ。そういうことでは、『雲のうえ』と対極にある。

企画編集委員の一人の方が、おれが『散歩の達人』に北区のことを書いたのをご覧になったのがきっかけで、当ブログやサイトを見るようになった。そして、おれに「会ってみたい」と思ったのが、そもそもの始まりらしい。その後、彼女と会議で同席したとき、彼女は、どうせボランティアでやっているのだから、自分がふだん会えない人、知らない人にあってみたい、そういう楽しみがなくては、ボランティアはやっていられないといった。ナルホド。

彼女からの最初のメールは、10月24日だった。

正直なところ北区で「観光」と言いましても、
私自身どう考えたらいいのか分からず困惑している状態ですので、
何をどう書いていただいたらいいのかすら頭に浮かびません。
そのような状態にもかかわらず、
遠藤様にこのような依頼文を送るとは失礼なことと思っております。
誠に申し訳ありません。

と、あった。そのテーマと、彼女の率直と積極にこころが動いた。それに、北区は、よく散歩というより呑みに行く好きなところだ。彼女は、そのメールをくれたあと、遠方に出かけ不在だったため、とりあえず、北区まちづくり公社がどんなところか知りたかったし、事務局の方にあって話を聞いた。できたら、月に1回の企画編集会議にも出てほしいとのことだった。

おれが書かなくてはならないのは、リード文に相当するものだった。ま、特集巻頭文だ。しかし、全体が、どのようになるか、わからない。おれが書くのは、4ページ。企画編集委員のダレソレさんが書くのは、○ページといったぐあいに、各自にページが割り当てられ、そこをそれぞれの興味や関心で埋める。というような作り方なのだ。

企画編集会議に出なくては、全体がどうなるかわからないから、書けない。ということもあって、いったい、こういう冊子は、どのようにつくられるのか、そもそも北区まちづくり公社は、なにをするところかという野次馬根性もあって、11月、12月、今年の1月は都合が悪く、2月というぐあいに参加した。原稿は1月末の締切りに間に合わせ、おととい13日の会議で完成品を受け取った。

簡単にいえば、編集の専門家から見たら、まったくダメな冊子だろう。だけど、これが、なかなかオモシロイのだ。それぞれが興味や関心のあることに向かっているから、なるほど表現はまずく、全体的なまとまりに欠けているが、それぞれの記事は、それぞれがキッチリ「対象」に向かっている。その素朴というか粗雑というか、荒っぽい熱意と姿勢が、ときには読みにくい見にくい表現をこえてしまう。

ま、ほかにも、いろいろ感じることがあり、大いに勉強になった。自分では、「プロ意識」などはもたずに、フツウの目線でやっているつもりだが、いつのまにか「専門家」らしき「高い」ところからの目線や、狭い教条にとらわれているものだ。とくに商業出版物は、読者対象を絞り込むのがフツウであり、嫌いなやつも好きなやつも、とにかく区民の全てを相手にしなくてはならないこういうものと、かなりちがう。

それは、『雲のうえ』のときも思ったことだが。知らず知らずに、みなマーケティングをやって、対象を絞ったりしている。経済活動を効率よくするためであり、それによって失われるものがある。ところが、それに慣れてしまう。作るほうも、読者も、そういうものに慣れてしまっている。メディア擦れしてるのだ。あちこちに批評を書いてカネをもらっている「評論家」が、ときどき「一読者」としてだの、「一愛好家」として、なんていいながら批評するが、おかしなことだ。だけど、そういうことにも気づかなくなる。

Kitaku_kankou1世間でメディアを通して評価される「成功」なんてのは、たいがいそういうものだ。ちかごろは「対費用効果」が政府や自治体でも幅を利かせているが、公共の「対費用効果」と企業の「対費用効果」のちがいが、明確であるかどうか、かなり疑問だ。ま、「上手、下手」の前に、やはり「愚直に」対象にせまっているかどうかだろう。この冊子のばあい、「作る」ことそのものが、ボランティアを媒介とするまちづくりになるという考え、そうあろうとしている。

と、また話が転がりそうだから、これぐらいにして。おれの原稿のタイトルは、「ごく私的な手づくり観光への誘い」。レイアウトはテキトウにやっていただいた。

北区に在住かお勤めの方、北区まちづくり公社では、ボランティアの企画編集委員を募集しています。また入手ご希望の方は、北区まちづくり公社まで。…クリック地獄

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コメント

こちらこそ、ありがとうございました。

また、なにかオモシロイことやりましょう。
沖縄でも。

投稿: エンテツ | 2008/03/18 08:37

なりふり構わないお願いにもかかわらず、
寄稿してくださいまして、ありがとうございます。
書いてくださった原稿は、北区限定のことだけではなく、「観光」についての鋭い考察に満ち、いろいろと考えさせられました。それだけでなく、北区に対する温かな内容・文章でもあり、感激いたしました。
この冊子と冊子に関わるボランティアにとって、とても幸福なことと感謝しております。

投稿: T.T. | 2008/03/17 14:58

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