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2008/10/12

わめぞ月の湯古本まつりと秋田能代の喜一郎、泥酔。そして内澤旬子「おやじがき」。

きのうは、わめぞの「第2回月の湯古本まつり」だった。以前に書いているように「わめぞ」にはチョイと思い入れがあり勝手に協賛のこころ。また、春の第1回のときには、「酒とつまみ」編集発行人の大竹聡さんと、月の湯の風呂場でトークショーをやっている。メディアでの露出もふえ有名になった「わめぞ」だが、今回はどんなアンバイか気になるから、ビールを飲むだけでもよいとおもい、行った。月の湯とは、文京区目白台にある銭湯で、その脱衣場や風呂場をつかい古本市をやるのだ。

池袋から初めての地下鉄副都心線に乗り一つめ雑司が谷駅で降り10分ばかり歩く。暑くて汗ばむ陽気。会場に着き男湯のほうから入る。すぐ旅猫雑貨の金子女史、風呂場で武藤さんが酒を売っているという。古本見ないで、男湯風呂場へ。タイルの床の上に座布団を置いた「カフェ」というか「茶屋」というか。おっ、退屈男さんがいる、おっ、岡崎武志さんも、なにやら女子たちと。とにかく、のどが渇いていた。まず缶ビール、武藤女史に300円渡し受けとり、岡崎さんに挨拶し隣に座ろうとするやいなや、イキナリ岡崎さんに「すばらしい家じゃないですか」テナことをいわれる。えっ、まさかのまさか、岡崎さんがこのブログを見ていたなんて、おそれ多い。「いや、岡崎さんの書庫ほどの大きさもない家です」とかいいながら座り。その話。あの家におれがいる姿が想像つかない、もしかして外にテントを張って寝るのでは、いやあもしかすると家出離婚のウワサもあります、とかにぎやかに。初対面の女史のみなさんは、晶文社、ジュンク堂大宮店、名古屋からの本屋さんの方。全国各地から、わめぞは盛況。えーと、古書ほうろうの宮地夫妻、ふぉっくす舎のネギさん、などご挨拶。

缶ビール、もう一つあけたところで、イチオウ古本市なので、男湯と女湯の脱衣所と女風呂場に展開の古本市をみる。すぐ読まない本は買わない主義だが、知っているひとの出店もあるから敬意を表して買ってもよいかとおもい見るうちに、けっこう買ってしまった。だけど、漫画屋の塩山芳明さんの「嫌記箱」店。おれですら、これで売れそうな本をそろえたつもりだろうかと思ったほど、なにも感じない品揃え。これは売上げ最下位だろうと判じ、おっ、時計を見ると17時近い。

17時半に池袋駅で待ち合わせがあるのだ。急いでもどろうとすると、T野女史が入ってきた。顔を合わせるのは正月に飲んで以来だとおもうが、2、3日前に飲み相談のメールのやりとりをしたばかり、なので久しぶりの気もせず。一緒の友人の編集女史を紹介され、挨拶もそこそこに外へ出る。と、刃研ぎ堂さんと彼の同居女史が。女史が貴重な話をする。つまり、彼女は日光出身なのだが、給食がカーレライスのときは、いつも麦飯だったというのだ。しかも、ほかにも、そういうところがあるらしいと。麦飯カレーライス!学校給食でもあったのか、これは大事な話、よく調べる必要がある。

雑司が谷駅から池袋駅北口。17時半待ち合わせは、「おつまみ横丁」絶好調の瀬尾幸子さんとササキ女史。前日夕方、瀬尾女史から誘いの電話があった。秋田県能代の喜久水酒造の若旦那が東武デパートで試飲販売している。この若旦那が、瀬尾女史やおれと薄い縁があるだのが、その話は略。というわけで、若旦那、喜一郎さんと初対面。

Kikusuisyuzou_kiitiro喜一郎さんが、親の喜三郎さんに、タンク一つやるから自分で好きな酒をつくってみろといわれて始め、5年目で売れるものができたという、その名も「喜一郎の酒」を試飲。「喜三郎の酒」というのもあるのだ。本醸造は「三本線能代」。みな試飲。「喜一郎の酒」は、一口でいえば「やさしい」。4号瓶を一本買い求める。ほかの出店各社の酒も試飲し、話を聞く。しかし、ササキ女史は、ほんと詳しい。ほんの少しずつ飲んでいるだけだが、なんだかよい気分になる。

喜一郎さんとはあとでまた会って飲むことにして、19時ごろ、ひとまずササキ女史がおすすめの、豊島区役所そばの小料理屋へ。飲み始める前に、いつものように、大量に飲んでも具合悪くならないように、ササキ女史が持っているクスリを飲む。あな、おそろしや。

初めての酒を選びながら飲む。冷や、燗、どれも、なかなかよい。とりとめのない話。21時ごろ出て、さて喜一郎さんを待つ酒場は、どこがよいか。わかりやすいこともあり、鳥定へ。もう、あとはガンガン飲み、おしゃべり。「おつまみ横丁」の写真の鵜澤昭彦さん初対面も加わり、店じまいをして駆けつけた喜一郎さん。能代は行ったことないところだが、話を聞いているうちに行ってみたくなる。焼酎湯割りのおかわりを重ね、酔いも深まり、23時45分ごろか、お先に失礼。

Utisawa_oyajigakiきのう「わめぞ」で知った。これは、オススメだ。←左サイドバーの「アステア・エンテツ犬」を描いた、内澤旬子さんの「おやじがき」が本になり出版される。おれは以前に内澤さんが自家手製本で出したものを持っている。うーん、4、5年前か、谷根千あたりのどこかのカフェで内澤さんが個展をやったときに買ったのだ。3巻のうち1は売り切れで、2と3を買った。内澤さんの作品のなかで、おれがイチバン好きなんだな。

内澤さん、新聞見てないもので、最近まで知らなかった、朝日新聞の連載小説の挿絵を描いていて、おれの知らない世間では、「大画伯」「巨匠」といわれるひとになっているのだそうだ。ま、どうでもよい、この『おやじがき』、ホント、おれのようなカレセンになる前の、とかく加齢臭のように嫌われがちの「おやじ」たちにそそがれる内澤さんの「愛」にあふれる目線が、よい。彼女のイラストと文章なんだけど、たとえば、これはこのまま収録されるかどうか知らないが、おやじの出た腹と「ぷりぷり」のケツを描いて書いた「ぷりぷり」という題の文章は、こんなアンバイだ。

「スラックスはオフタイムおやじの必須アイテム。これねー、ずっとはき続けてほしいんです。チノパンなんぞはかないで。おばさんと違っておやじってどんなに腹が出ても不思議とケツがたれない。ぷりっぷりしてます。これを隠しちゃいけません。ミョーにえっちなところがチャームポイントです。」

周囲の冷たい眼を浴びがちなメタボ腹のおやじ、もう彼女なんかできないとあきらめているかも知れないオタク腹の青少年たちに、生きる勇気と希望をあたえるにちがいない。ほんと「おやじ愛」だよ。そして、これは、もしかすると、そんな「おやじがき」のような亭主、ナンダロウアヤシゲさんに対する内澤さんの愛なのかも知れない。

『おやじがき』(「絶滅危惧種中年男性図鑑」のサブタイトル)、イラスト・文=内澤旬子、にんげん出版から定価1300円+税で、11月下旬発売。

午後になっても、まだ酒が残っている。
なのに、あと数時間後に、また飲み始めなくてはならない。シアワセ。

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コメント

なんとまあ、内澤さん、忙しいところ、コメントありがとうございます。
ヘボヘボだなんて、ヘボヘボだろうと、大活躍じゃござんせんか。俺なんか酒のなかに沈殿したままヨタヨタで浮上しません。
「おやじがき」は、他に追従を許さない大傑作ですよ。すっかりほれ込んで、わかりやすいケースに入れて、ときどき見ていました。本も買いますよ~。
こんど、何ですね、俺のようなトシの「じさまがき」とか「飲兵衛がき」ってなものもお願いしますよ。

調子が悪いときは飲まないほうがよいです。かわりに俺が飲んでおきますから。そのうちまた。

しかし、このエントリーのコメントは、岡崎さんに内澤さん、二度とないかも知れない豪華な顔がそろったもんだ。

投稿: エンテツ | 2008/10/30 07:32

エンテツさんお元気ですか。おやじがきのことを忘れずにいてくださってありがとうございます。うれしいです。
あたしは単にへろへろに締めきりに追われてるというだけで、相変わらずのヘボでござんす。嫌んなるくらいヘボヘボです。
耳の調子がずっと悪くて音源が響いたり複数になる宴会に顔出せずにおりますが、そのうちどこかで。

投稿: 内澤旬子 | 2008/10/29 20:57

おおっ、岡崎さん、ありがとうございます。こちらこそ、お会いできて、楽しく過ごさせていただき、うれしかったです。なんだかうれしくて、好き勝手をいっていたような気もしますが、ご容赦。「銭湯酒場」も、いいですね。また、どこかでを、楽しみにしています。

投稿: エンテツ | 2008/10/14 11:45

いやあ、エンテツさんに会えてよかったです。エンテツさんが、缶ビール片手にどかっと腰を下ろした途端、周囲が「大衆食堂」化したのには驚きました。達人の力です。また、どこかで。

投稿: 岡崎武志 | 2008/10/14 10:20

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