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2009/11/14

おれの旅、オバサンの旅。

070前に書いたが、先月の12日は故郷の六日町に泊まって、翌日、ほくほく線で十日町、飯山線に乗換え長野へ出た。ずっと各駅停車で、そこからまた小諸まで、長野発小諸行きの各駅停車に乗った。

車両はボックス席と長イスのミックスだった。おれは長イスの進行方向右側に座った。そうすると小諸近くになると、正面の左側の車窓に、浅間山などが見える。(上の画像)

あとから乗ってきた50歳代中ごろとおもわれるオバサンの二人連れが、正面の長イスにすわった。おれと向かいあうかっこうだ。が、オバサンは話が忙しく、こちらを見る間がない。

ずーっと楽しそうに話している。話の内容からすると、大阪で同じ町内の小商いの奥さんたちらしい。1年に一度か二度、亭主に休みをもらっては、こうして旅をするのが楽しみらしい。もしかすると、幼馴染なのかも知れない。名古屋から特急で長野まで来て、小諸まで行って、小諸で軽井沢行きに乗換え、今夜は軽井沢に泊まる。前に一度、新幹線東京まわりで軽井沢に来たことがある。そんなことまで、どんどんおれにもわかってくる。

オバサンたちは車窓の外の景色には、まったく関心を示さない。浅間が見えるあたりになっても、振り返らなくては見えない位置だし、おれが座っている側の景色だって、まんざらじゃないはずだが、景色のことは話題にならない。

たしか一時間以上がすぎ、浅間が見えるあたりでは、大阪と京都と名古屋と東京、どこの人間が一番せわしないセッカチだかという話をしていた。そして、けっきょく、自分たち大阪の人間が一番せわしないという結論になって、大阪は商売のまちだからしかたないねん、ってなことで、あははははと笑っていた。

おれは、せっかくよい天気で浅間も見えるのだから、外の景色でも見たらどうかとおもったりしたが、旅の楽しみは、いろいろなのだなあと感じ入ることしきりだった。オバサンたちは、一泊か二泊か、ずっとおしゃべりするのが何よりの楽しみで、出かけてきているにちがいない。きっと、おしゃべりが、いい旅の思い出になるのだろう。そして旅から帰ったら、元気よく楽しげに店に立っているにちがいない。

おれはといえば、六日町をたって、ここまで、缶ビール呑みながら、外をボンヤリ見ていただけだ。外をボンヤリ見て、乗ってくる客をボンヤリみていただけだ。ときたま居眠りしながら。文庫本を一冊持っていたが、読もうという気もおきなかった。それでも、まったく退屈しない。とくに何を楽しむということはないのだが、退屈はしない。

浅間が見えても、とくに感動もなく、かりに見えなくても、さほど残念にはおもわなかったにちがいない。ただ、そうやって、ボンヤリ電車に乗っていればよかったのだ。

なにごとも、みんな、それぞれの楽しみ方があるのだな。自分の好みを押し付けるのはもちろん、すすめるのも、ほどほどにしないとおせっかいというものだ。あらためて、おもった。

◆関連 当ブログ
2009/10/13
六日町=万盛庵・大和屋旅館、飯山線経由、小諸=揚羽屋、泥酔紀行。

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