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2009/12/06

年末の居酒屋で。

030となりの席の3人の男たち、30歳中ごろといったところか。2人は、どこかのチェーンの本部か地方本部あたりのスーパーバイザーらしい。大手筋の、それなりにデキル男たちであるようだ。もう1人の男は、その同僚だったが、独立して同じような業種の経営者になっていると思われる。おれの耳に届く話からは、どんな業種か、なかなか判断がつかない。おそらく物販系ではあるようだ。けっこうなカネが動く取り引きをしている。

経営者の男の会社は、状態が悪い。だけど、積極策で打開しようと、従業員を増やした。その増やし方に、ほかの男2人は、大反対なのだ。積極策で現場の人間を増やすのはよいけど、従業員を雇うのではなく、女房を店に立たせろという。そんな経営の状態で、従業員を雇うのはまちがっているし、女房を「社長夫人」でございと遊ばせておくのもまちがっている。男2人は、ときには激しい口調で、ときにはおだやかに、経営者の男に意見する。「もし自己破産しても、おれたちのいうことに耳をかさなかったのだから、助けてやんないよ」

聞こうとしなくてもきこえる話を酒のつまみに、おれは思った。どうやら、経営者の男は、女房に店に出てくれとは言い出しにくいらしい。たぶん、2人の男たちの言うことが正しいし、そうすれば、決定的な危機を回避できるかも知れない。だけど、なぜ、女房に言い出しにくい状況になっているかは知らないが、そんな状態なのに頼んで店に出てもらっても、よい結果は生まれないような気もする。そのことも、たぶん、経営者の男は、わかっているにちがいない。経営者の男には、自分の会社の経営の破綻と、それに続く離婚まで、もう見えているのかも知れない。女房は、たぶん夫が借金火達磨になっていることも、なにも知らず、クリスマスのことを考えているのだろう。

30男のチャレンジの行方は、はたして? でも、まあ、チャレンジはやってみたほうがよいのだ。チャレンジがやりにくい日本ではあるけれど。30代の『ボーイズ・オン・ザ・ラン』も、いろいろ。この3人の男たちは酒飲みながらも真剣で、気持がよかった。カネがからむメンドウを話し合える相手がいるのはいいことだ。

男たち、不況にめげず、本気にやろうぜい。大衆食堂のめしをくいながら、チャンスをうかがうのだ。と、「小説大衆食堂」を妄想してみたり。

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