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2010/06/18

思い切り食べ、思い切り飲む。生きる力としての欲望を我慢しない。

YOMIURI ONLINEの「本よみうり堂」の「著者来店」に、「名も知らぬ遠き島より」の山口智子さんが載っている。
http://www.yomiuri.co.jp/book/author/20100614bk1a.htm
その冒頭で、山口さんのモットーが紹介されている。つまり、「思いっきり食べて、寝て、欲望を我慢しない」がモットーの女優だそうだ。

まったく同じであるかどうかは、これだけでは判断がつかないが、『みんなの大衆めし』のモットーも、そのように表現することができる。

『みんなの大衆めし』は、小学館Webサイトで連載の「わははめし」を受け継いでいる。その「わははめし」は、「めしが3杯くえるおかず」がモットーだった。言いかえれば、思い切りめしを食べる、ということである。なんていうかな、もっと野性的に、食欲のままに、わっしわっし食べようということなのだ。

004前にもチョイと書いたが、いま発売中の『ミーツ・リージョナル』7月号は、酒特集で、「今飲みたい街の酒手札60軒」ってわけだが、「キチッと旨いハイボール、日本酒イベント席巻中、クラフトビールは樽生で、どこでもサングリア、爽やかカクテル入門....」と幅広く酒を網羅し、そして「特別企画<珠玉の酒エッセイ集>」である。

その珠玉の酒エッセイ集たるや、あがた森魚、安西水丸、いしいしんじ、太田和彦、大竹聡、勝谷誠彦、柴崎友香、夙川アトム、次松大助、山田かおり、山本精一といった、まさに珠玉のエッセイを書くにふさわしい人たちが、ズラリ。

と、そこに、まったく珠玉にならないパチンコ錆玉のエッセイを書くおれが、名前をつらねている。

いやあ、ほんと、謙遜じゃない。タイトルだけ見ても、おれは、じつに非情操的というか、文学的な装いすらない、ストレートに欲望丸出しなのだ。だってね、「もっと飲ませろ!」ですよ。もっと食わせろ! もっとやらせろ!と、同じレベルの表現ですよ。

ほかのみなさんのタイトルは。あがたさんは、「稲垣足穂とボブ・ディラン」。安西さんは、「酒を飲む人でよかった」。いしいさん、「バーの精」。太田さん、「酒が人間をつくる」。大竹さん、「落下する人々」。勝谷さん、「酒道家の嗜み」。柴崎さん、「酒と謎」。夙川さん、「お酒と言われても」。次松さん、「お酒についての肖像」。山田さん、「泥酔の果てに~オン・ザ・ロック」。山本さん、「酒と泪と泪と酒乱」。

どーです。みなさんタイトルからして珠玉ですね。ありがたそうです。なのに、おれは、ただ「もっと飲ませろ!」です。いやはや、じつは、こうなるだろうとは想像ついていたのだけど、想像通りこうなってみると、やはり、ウフフフ、まっとうなのはおれだけだったか、と、思ったりして。でも、まっとうでないのは、おれなのだ。

このようにみんなの想像や期待の範囲におさまる予定調和が、情操をわきまえたおとなの生き方というものですね。みなさん、そこんとこをわきまえている。

おれは、ああ、しかし、「もっとやらせろ!」と言ってみたいものだが、、、おっととと。

日本の飲食は、というか欲望は、長いあいだ主に文学と教育を通して、情操にからめとられてきたわけだが、「思いっきり食べて、寝て、欲望を我慢しない」がモットーの女優が、天下の大新聞に登場するにつけ、情操のありかたも欲望のありかたも、変化のなかにあるのかも知れない。

明日の土曜日は、神田神保町の路地と人で、「色気と食気」と題するトークイベントがある。毛利悠子さんが港千尋さんをゲストに招く。どちらも未知の人であるし、どんな話になるかわからないが、色気や食気について大いに語りあうことは、もっと必要だと思う。
http://rojitohito.exblog.jp/

当ブログ関連
2010/06/04「発売中『ミーツ・リージョナル』7月号、酒特集にエッセイを寄稿。」…クリック地獄

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