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2010/07/03

『みんなの大衆めし』の核心と願い。

まりあさんは神戸のひとで、何年か前に一度お会いして、そのあとは、きょねん、「場所の力」シンポジウムのとき会場の大阪市立大学まで、ご主人のからすさんと来てくださった。それ以外は会ってないし、一緒に飲んで泥酔したこともない。

だけど、今回の『みんなの大衆めし』では、あたたい心遣いをいただき、ほんとうにお世話になった。こういうときこそ、近頃はめったやたら使われすぎて価値が磨り減ったようで使いたくなかった、「感謝」という言葉を使いたくなる。

ま、まりあさんにすれば、たいしたことではない、「自分でよい本だと思えば」のフツウのことなのだろうが、おれのようにイヤミな男にとっては、めったにないことで、冷淡に扱われてフツウ、今回もおれはまりあさんがイヤミに感じすることを言ってしまい、たぶんいくらか気分を悪くされたと思うが、とにかく、うだうだ書くとまたいらぬことを言ってしまうといけないから、やめておこう、まりあさんの愛嬌がありがたかった。

と、この文章が、いつもと少し違う調子で、なぜこんなふうになってしまうかというと、たぶん、いま金井美恵子さんの本を読んでいるからか。と、考えてみたり。なんとか、もとにもどそう。

で、まりあさんのおかげで、神戸・元町の海文堂といえば、地元で有名な大きな書店なんだが、そこの福岡店長が、店長棚に『みんなの大衆めし』をドーンを並べてくださるってことになり、瀬尾さんとおれの連名の色紙と版元がこって作ったスタンドPOPを送った。おりかえし、福岡さんからお礼のメールをいただいた。福岡さんも、何年か前、まりあさんたちに会ったときに、初めて一度お会いしただけなのだ。…と書いていると長くなってしまう。きょうは、あまり時間がない。簡単に終わろう。

まりあさんが、掲示板に、『みんなの大衆めし』について紹介してくださった。これが、まさに、この本の、というか、瀬尾レシピの核心にふれている。

『みんなの大衆めし』にのっているレシピをざっと見ただけだと、よくある料理が大半を占め、なーんだ作ったことあるものばかりだと思われかねない。さらに、チラッとレシピを見たぐらいでは、えっ、こんな作り方でいいのとも思われかねないかも知れない。

だけど、先日も紹介した中原さんや、まりあさんのように、よくふだんの食事のしたくでおかずを作っているひとは、この本の瀬尾レシピの特徴が、すぐわかるはずなのだ。そして、ふだんあまり料理をしてないひとは、このレシピのまま作れば、ほとんど失敗がない、楽しく料理し、うまいめしが食べられる。

とにかく、まりあさんは、このように紹介している。………


先日買った『みんなの大衆めし』さっそく作ってみました。
確かに、マカロニサラダのマカロニは8分茹ででしたが、10分のほうが美味しい。玉ねぎのスライスに今までは塩したことなかったんですが、少し塩してしんなりさせたほうが美味しいですね。

ほとんど、作ったことのある料理ですが、ここがツボみたいなところがわんさかあって、1,050円は安い。


………引用おわり。

とかく料理本というと、新奇のレシピを追いかけがちだ。大げさに言えば、明治以後の日本のメディアの主流は、新奇ばかりを追いかけてきたといえる。その一端が、食文化にも反映していると言える。新奇ばかりを追いかけていると、自らの姿を見失いがちになるように思う。近年は、「レトロ」という新奇を追いかける傾向もあり、古い大衆食堂や大衆酒場を食べ飲み歩き回る傾向もあるが、では、自身のスタンダードについて、どれほど理解あるいは把握しているだろうか。

それから、料理や味覚のことになると、とかく教条的すぎる。いまや、外食ですら、ガイドブックなどにしたがった、教条的悦楽の追求で、どの店でどういう楽しみ方をするかのスタイルまで教条的である。自らの精神や感情の自由な躍動が乏しいように見える。そこでも、自らの姿を見失いがちであるように思う。自炊にせよ外食にせよ、もっと精神を自由に働かせ、楽しむべきだろう。

おれは、まりあさんの掲示板の書き込みのあとに、このようにレスをしておいた。

『みんなの大衆めし』に掲載の料理のほとんどは、みなさんご存知のありふれたものばかり、それをどううまく食べるかというところに、瀬尾さんの研究があると思います。新しい料理を覚えるのも楽しいですが、ながく愛されてきたスタンダードをよりおいしくというのが、この本の願いといえます。


海文堂さんのサイト
http://www.kaibundo.co.jp/
海文堂書店日記
http://d.hatena.ne.jp/kaibundo/

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