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2010/09/23

非文字文化のビジュアルと文字文化のビジュアルそして汁かけめし。

016きのうは、表参道にある、岡本太郎記念館と根津美術館へ行ったのだった。この2つは、どちらも地下鉄表参道駅から近いところにあって、まったく異質な文化や思想を抱いているし、また客層も見るからに異質だった。

つまりは、すぐ近くにある、別世界を短時間のあいだにまわった。こんなことができるのは、東京ならではだろうが、両方を一度に見てまわるひとは、いないのではないかと思われるほど、ギャップの激しい「芸術」なるものに一度にふれると、大いに刺激的で、想いは「汁かけめし」にまでおよんだのだった。

汁かけめしの根っこは、非文字文化の時代、つまりは古墳時代以前にある。「縄文」あるいは「原始」をモチーフにした岡本太郎さんの作品は、まさに非文字文化の汁かけめしと同質なのだ。とか、大いに妄想を膨らませた。

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「金持ちに買ってもらうために描かれる絵、銀行預金のようにしまっておくための芸術なんて、なんの意味があるのか!/芸術は大衆のもの。/岡本芸術の根幹にあるのはこの思想です。」と、館長の平野暁臣さんは、印刷物に書いている。入館料は600円とるが、写真撮影は自由というのも、その思想の継承か。

いっぽう、下の画像。駐車場に高級外車がズラリ並ぶ根津美術館は、「銀行預金のように」しまっておいた秘蔵私蔵の骨董を、もったいぶって公開した風であり、1200円の入館料で、展示室は撮影禁止だった。ここは、もともと古美術の展示であるから、岡本前衛芸術とは相容れないというか、対照的であるにしても、権威主義的芸術の展示場らしい造りである。いやあそんなに角ばらなくても、もっとお気楽にしたらどうですかといいたくなるほど角角重厚、鉄と竹をふんだんに使用して出来ている。それはそれで、「金持ち」たちの芸術観を継承するものであろうし、なかなか見ごたえがあった。

展示品のなかに、殷の時代からの、つまり広く活躍する漢字が成立する時代の青銅器が、たくさんあって、興味深かった。とくに、後世に残すことに執着するがゆえに、木や紙より青銅に刻む漢字の様式が確立したらしいことに、文字や文章に執着するものたちのプライドというより、異常ともおもえる欲望や権威主義を感じた。そういう精神は、漢字と一緒に、朝鮮半島、日本列島にも伝わり、朝鮮半島ではハングル文字によって漢字支配から脱却したが、日本人が、最も引きずっているのではないかと思った。

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コメント

漢字を一杯刻んだ中国の青銅器と日本の古墳から見つかった漢文を刻んだ鉄剣は、深い関係がありそう。

日本の活字文化や学界や文学界のヒエラルキーの源かも。

投稿: エンテツ | 2010/09/24 13:30

漢字の問題、いろいろ深く、

いまの日本も呪縛し続けているんですねー。

投稿: 須田泰成 | 2010/09/24 10:57

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