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2011/11/12

いま「本の雑誌」はどうなっておるのか!

Dscn060910日発売の『本の雑誌』12月号の、読者アンケート「この作家を応援する!」に、おれが載っているという情報があったので、これを入手した。

見れば、特集が「いま作家はどうなっておるのか!」ってもので、その一つとして、この読者アンケートがある。特集リードでは、こう申しておる。

「一部の作家を除いて、単行本の初版部数は一万部以下、三千四千も当たり前という時代に、それでも作家であり続けるということはどういうことなのか。作家がいなければ小説も読めないのだ、という事実を踏まえ、現代ニッポンの作家にエールを贈る特集なのだ!」

ザ大衆食のトップページに書いてあるように、おれは単なる下積みの、世間では「フリーライター」といわれる不安定自由文筆労働者」であるからして、「作家」とは縁もゆかりもないと思っていたし、「作家」になりたいと思ったこともないのだが、とにかく、ここで、このようにエールを贈られる立場になっているのである。

このエールは、つまりは売れない食えない作家、だけど、こういう作家がいなくなっては読者は読めなくなるのだから、エールを贈ろうというもので、キホン的に喜んでいいのか悲しむべきかワカラナイものであるような、じつに複雑な心境になるのだった。もしかして、沈む船に乗っている者へのエールか?

ま、とにかく、救いのないおれが、応援をいただくのは、うれしいことである。それに、おれは沈む船に乗っているつもりはない。業界は沈んでも、おれは沈まないのだ。なんせ、力強くめしを食って、力強く生きておるのだ。笑。

Dscn0612見開き2ページを費やして、それはあった。リードには、「世の活中者たちはどんな作家を応援しているのか。本誌読者四人の熱烈応援の弁を聞いてくれい!」というもの。

で、四人の読者が、それぞれ応援するのは、おれのほかに、山田詠美さん、井上ひさしさん、倉阪鬼一郎さん、である。もうエールがいらないほど、安定している名実ともに「作家」な人たち。そこに、どうして、おれの応援が入ってしまったのか。何かの大間違いではないかと思いたくなったのだが、それは、ようするに、熱烈応援の弁が面白いからにちがいないのだ。

おれを応援するのは、キング亀田さん。なんていうか、書評関係の投稿マニアというか、知る人ぞ知る方だ。たしか、前に一度、『暮らしの手帖』でおれの本を、なんだか忘れたが、やはり応援してくださっていた。

「軟弱な「ごはん主義」でなく硬派な「めし主義」が、とても共感できる作家である。〈普通の〉の〈普段の〉めしを熱く語らせたら右に出る者なし!だろう。しかし、遠藤さんの本は売れないらしい」と書く。いやいや、キング亀田さんも熱い方だ。

彼は、おれを応援するために、書店や大衆食堂などで、あることをした。それはまあ「トホホ…」で終わる愉快なことであるのだが。知りたかったら、本書をごらんください。

キング亀田さん、トホホなおれを熱く応援くださり、ありがとうございます。いずれ鶯谷の信濃路あたりで呑みたいものです。

ところで、『本の雑誌』こそ、いまどうなっておるのか!

これを買うために、大宮にある倉庫のような書店に行った。そこに行けば、本の雑誌社の本が、ズラッと棚を占めてあるはずなのだ。ところが、おれも、めったに本を買わないもので、おそらくこの大宮の書店は、今年初めて行ったのだと思うが、あるはずの場所にない。しかも、倉庫のような書店であるからして、棚の間の谷をウロウロしても、なかなか見つからない。で、若い男の店員さんに聞きました。「『本の雑誌』どこでしょう?」

すると、彼は、『本の雑誌』を知らないのである。そして彼は、ほかの彼よりやや先輩と思われる、若い女の店員さんに訊いた。すると、彼女は、パソコンで調べればわかるでしょ。おれは、そんなのほって、文芸書の倉庫のような棚を探した。そこにあった。

手にとってパラッと見ていると、かの若い男の店員さんは、ベテラン風の感じのよいお姉さん店員に導かれてあらわれた。お姉さん店員は、彼に何事か教えていたが、おれはレジに向かった。きっと、まだアルバイト入りたてなのだろうが。そして、こういうアルバイトがいないと書店は成り立たない状態なのだろう。

おれの周辺の普通の会社勤めの若い人たちの間では、すでに椎名誠さんの名前を知らない人が増えているし、もちろん椎名誠さんと本の雑誌のアヤシイ関係も知らない人も増えているだろう。なんだか寂しいようでもあり、ま、イマドキはこんなものなのかなあと思ってみたり。

それでだ。この特集の、冒頭の「文芸編集者匿名座談会 とにかく作家は大変なのだ」ってのを読んでみると、まあ、こういう人たちが出版界を引っ張り、そして同時にダメにしてきたのだろうなあという感じが、ヒシヒシ伝わるのだった。

ほかにも、面白い記事があって、ゲラゲラ楽しめるのだが、なぜか笑いはニヒルでアナーキー。展望がない業界であることは、よくわかるし、そのせいもあるのか、『本の雑誌』もイマイチ元気がない。それぞれ言葉の勢いはよいが、以前のような破天荒な広がりがなく、わりとチマチマ小さくまとまっている感じで、よーするに、いま「本の雑誌」はどうなっておるのか!と、エールを贈りたい気分になったのである。

どうでもよいから、『大衆食堂パラダイス!』、よろしくね。

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コメント

そうですか、休刊の話もあったとは。
そういえば、前から熱心な読者ではなかったとはいえ、ここ10年ぐらいは、あまり読んでいませんでした。
なんとかでも続いて欲しいものです。

投稿: エンテツ | 2011/11/13 07:31

本の雑誌も一時は休刊するかもというレベルで
ピンチだったそうです。
その号を読んだから間違いないです。
そのことを発表したあと、読者たちが戻ってきたのか
今はなんとかやっているようです。

投稿: KOW | 2011/11/13 00:16

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