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2012/03/23

岩手・盛岡の『てくり』14号のマップ。

Dscn0513きのうの続き、マップのこと。『てくり』は、当ブログで何度か紹介し、2010/11/24「「ふだん」を上手に語る『てくり』の魅力。」のように、ほぼ絶讃という感じで、惚れている。

『雲のうえ』は、フリーペーパーであるが、いわゆるシティ・プロモーションのために、市の財源でスター級の有能なプロが編集に関わっている。端的に言えば「観光客誘致」の一環でもある。北九州空港を利用するスターフライヤーでも配布され、発行部数も万単位で多い。

『てくり』は、おそらく零細経営の「まちの編集室」が編集・発行し、一冊500円で販売される。B5サイズ、本文36頁だから、ほぼ『雲のうえ』のボリューム。各号は、「観光客誘致」というより、表紙の肩書きにあるように、「伝えたい、残したい、盛岡の「ふだん」を綴る本」である。

その意味では、きのう引用した「日々の暮らしや街の表情からみれば、北九州は、方々で急速に消滅しつつある土地のにおいや陰影といったものを、まだ残している。地理や歴史がつくるひときわ濃い風土が、血や肌に熱を感じさせる。他に類のないこの風貌のなかに酸素を送りこみ、魅力的な未来を築く方法はないだろうか」という牧野さんの言葉は、この雑誌にもあてはまるように思う。むしろ、『雲のうえ』の最近の何冊かより、『てくり」の方が、「らしい」と思ったりする。市の予算や「観光客誘致」といったことに縛られずにすむこともあるのだろう。自立的な編集で、地域の生活と読者にドッカリ根を張った仕事が魅力的だ。

で、最新の14号は、この雑誌にしては、めずらしくベタな観光特集という感じであり、めずらしくマップ付きのガイドページがある。題して、「盛岡カルチェラタン」。

Dscn0514_2

盛岡市の中心部は、北上川に近い盛岡駅から離れ、北上川の支流の中津川沿いにある。その中津川の両岸を、パリのカルチェラタンに見立てる「大胆なこじつけ(?)のもと、「盛岡初心者」さんが、半日でこの界隈を満喫するためのエリア別ガイドブックです。」

おれは、盛岡へ行ったとき、一人でこの地域の半分ぐらいはブラブラした。その時は、たまたま、市の中央部に鮭が上り白鳥が来る川がある県都なんて、めずらしいから見ておこうぐらいのものだった。それが、なかなかよかった。盛岡好感度が、ドーンとアップした。これからは、この川沿いを中心にした街が、盛岡の魅力とにぎわいになっていくのではないか、そうなるとすれば…と、岩手公園にある盛岡城址でボンヤリ妄想したものだった。

Dscn0516ところが、あとで、右岸地域にある古い飲食街の桜山再開発問題が起きたとき、盛岡市の都市計画を調べたら、「お城をシンボルとした、風格とにぎわいある魅力都心」を標榜する「「お城を中心としたまちづくり計画」案」なるものがあって、これがモンダイの根源だな、中津川を中心に発想しなきゃ今日的でも未来的でもないだろうと思って、毒づいたこともあった。(2010/10/20「「まちづくり」、もっと「毒」や「菌」を吐きたいのだが。」)ついでだが、桜山再開発計画は白紙撤回となった。でも、「お城を中心としたまちづくり計画」は、生きているらしい?ま、それなりの事情があるのだろう。

Dscn0517今回『てくり』がこの中津川を中心にしたエリアを取り上げたのは、直接的には、川沿いにてくりがプロデュースする「shop+spaceひめくり」をオープンしたことがあってのようだが、そもそもそのことも含め、エリアマップの中心に城跡があるより、中津川があるほうが、はるかに自然だし未来性があると、あらためて思った。マップの中心に何を置くかは、大事なことなのだな。仮に市としては「お城を中心としたまちづくり」であったとしても、中津川を中心にしたマップは、ますます必要とされるに違いない。

『てくり』には常設ページもあって、その一つ、「東京ではなく、富良野でもない。/盛岡で働き、暮らす理由。/あなたはなぜ/ここにいるのですか?」は、この本の顔、つまりは盛岡の顔でもあるように思う。

Dscn0518最近、表4を飾る連載、はやしみかんさんのエッセイ「なんだりかんだり、のんだりくったり」が、すごくおもしろく、『てくり』の楽しみの幅が一層広がったような気がしている。

ま、とにかく、手にして見てもらわないことには。
http://www.tekuri.net/

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