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2012/06/15

「オレの酒買い日記」と酒マーケットに首都マーケット。

Dscn0832今日発売の『食品商業』7月号に、「オレの酒買い日記」を寄稿していたので、掲載誌が届いた。

初めて日記風の文章を書いてみて、原稿ではなかなかおもしろく出来たと思っていた。編集さんや校正さんなどからも評判はよかった。しかし、レイアウトされ仕上がったのを読むと、最初思っていたほど、おもしろくはない感じだ。この雑誌、いつも著者校正がないので、レイアウトに合わせて直せない。文の調子が微妙にイマイチなのだ。今にして思えば、まいど文字組が同じなのだから、最初からそのつもりで書けばよいのだが、そのへんの判断が未熟なのだな。ま、とはいえ、内容的には、やっぱりおもしろい。

2012/06/06「飲酒マーケットはどうなるのだろう。悪評もPRのうち。」に書いたように、おれが日常利用する近所の店で実際に買った酒の買い物日記だが、たまたま一ヶ月ほどのレシートがあったので、それをもとにした「実録」を、少しばかりおもしろおかしく書いたのだ。

Dscn0833これは、サブ特集「酒マーケット」最前線 激変する市場・商品・売場」の一部だ。この特集は「高齢化もあり、成人1人当たりのアルコール摂取量は減少傾向に。その一方、飲食店での飲酒シーンを「家飲み」が取り込み続けている。2009年をピークに酒売場の数は減少に転じた。酒類トレンドも変化が激しい。酒マーケットの現況と先進企業の動向をレポート」というもの。そんな生々しいビジネスの話ばかりで情緒などないから、一服のくつろぎになるエッセイを入れたく思った編集さんの心遣い。

以前にも、ハードディスカウントストア特集の時に、そういう趣旨のものを書かせてもらった。こちらに全文があります。2011/07/19「おれとビッグ・エーのまったくもって妙な関係。全文。」

『食品商業』は、スーパー業界の業界誌なのだが、創刊は1972年のことらしい。おれが転職して食品マーケットに関わるようになったのは、その前年のこと。あれから40年が過ぎたのか。この雑誌と、同じ出版社の社名にもなっている月刊誌『商業界』は、よく読んでいた。

Dscn0834食品流通の世界は、ビジネスのなかでも、じつに即物的で生々しい。そして街と暮らしの舞台と舞台裏が、よく見える。今号のメイン特集は、首都を舞台にした、スーパーのライフとサミットの「対決」を取り上げている。「山の手サミット、下町ライフという構図」の分析がおもしろい。

いま全国的には長く続く不況と人口減という厳しい環境のなかで苦しんでいる。ところが「人口減の影響を受けにくい首都圏、ローカルから見ればうらやましいばかりのマーケット」なのだ。スーパーの競合は、「地方都市に行くほど厳しい状況である。東京都と埼玉県、千葉県などを比較した場合、東京の方が競争状況は多少緩やかといえる」。ま、つまり東京は、まだいくらか余裕である。

その恩恵のなかにある首都圏には、ピンとこない人たちがいるかもしれないが、ほんとに地方は「もうペンペン草も生えない」といわれるほど疲弊しているところが増えている。もちろんそこでも元気で生きている人々が大勢いる。その元気のもとを首都圏マーケットへの進出で得ようと、どの分野でも、極端な東京一極集中制度のもとで人口減の影響を受けにくい首都圏へのアプローチに力を注いでいる。商品や事業の展開はもちろん、名前や存在を知ってもらうためのイベントなど。したがって、首都圏の人々は、そのおかげで仕事を得て、一面活性化されているところもあるといえる。

たとえば、この特集のリードでも、さらりと書いているが、最近話題になっているイオングループの「まいばすけっと」の展開がよい例だ。地方進出に力を注いでいたイオンが、まさか「もうペンペン草も生えない」地方を見限ったわけではないだろうが、東京で「まいばすけっと」の展開を始め好調らしい。

いろいろなデータが載っていて、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の世帯年収分布に興味をひかれた。とくに「山の手サミットと下町ライフ」の背景。よくいわれる「西」と「東」の比較だ。半径1kmの年収分布を見ると、これは計算法は省略させてもらうが、メッシュデータに拠っている。

西のサミットの本部のある東京杉並区永福のそれは、1500万円以上7.6%、1000万円以上1500万円未満11.2%、700万円以上1000万円未満15.1%、500万円以上700円未満14.2%。500万円未満をまとめると51.8%。

東のライフの出店が多い足立区竹ノ塚のそれは、1500万円以上1.9%、1000万円以上1500万円未満5.7%、700万円以上1000万円未満12.6%、500万円以上700円未満16.7%。500万円未満をまとめると63.2%。

ちなみに、東京都の年収分布は、1500万円以上4.3%、1000万円以上1500万円未満8.4%、700万円以上1000万円未満14.5%、500万円以上700円未満16.1%。500万円未満をまとめると56.8%。

おなじ東京でも、これだけの「差」がある。

とりあえず、そういうことで、『食品商業』は大きな書店にはあると思います。

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