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2012/07/07

再開発ドンガラガッチャンの天王寺界隈で4軒ハシゴ酒取材。

Dscn0929大阪市のJR環状線の最南端、天王寺ターミナルの再開発は、約40年かかって、その姿をあらわした。

再開発はどういうものかということがわかっていても、見なれた風景、歩きなれた街、通いなれた店が、実際に消えて、まるで別物であるかのような街が出現してみれると、大いに戸惑うものだ。何も考えず足の向くまま、そこにいけば気の置けない食堂や酒場があって、知った顔に会えたのに、いまではないのである。という喪失感は、おれも東京で何度か体験した。天王寺界隈で生まれ育った人たちのなかには、この現実を、どう受け入れたらよいか、まだ戸惑っている人たちもいるようだ。

ということで、どや、チョイと天王寺界隈を飲み歩いてみようじゃないか。天王寺といえば、太田和彦さんはじめ、居酒屋ファンのあいだでは「聖地」のように思われている、「名店」という呼称も恥ずかしくない『明治屋』があったのだが、そこは、外観も内装もそっくりそのまま移動したとはいえ、再開発のモールの中におさまっている。その近所にあった、雑駁な大衆酒場も立ち呑みも、である。

これまでは、『明治屋』だけが注目される傾向があったけど、この天王寺界隈は、それだけじゃないし、そんなもんやない。ってことで、5日に大阪へ行って、16時半すぎから、4軒飲み歩いて取材した。

最後の4軒めの店を終わったのは0時ごろだっただろう。途中から記憶がなく、昨日朝目が覚めたら、着の身着のままでホテルのベッドの上だった。しかし、なかなか、よい店ばかりだった。それに、天王寺ターミナルは、1960年代中頃一年間、おれは毎日のように利用していた。確かに再開発で、かなり変わってはいるが、そこで乗り換えのチンチン電車は、天王寺に最も似合わないと思われた超高層ビルの谷間に健在である。そのように、変わらない人々の暮らしと気質も息づいているようだった。

ハコは、建て替えれば変わるが、生き物であるニンゲンは、そうはいかないのだなあ。ドンガラガッシャンと潰しては建て替えられる、そのわきで、企業ニーズで造られた大きな建物や施設から受けるストレスを発散させるように、自分の小さな安息の場を見つける。そして、土地に根を張った、いい酒場、いい飲食、いい語らいが続くのだ。そこには、東京とはもちろん、大阪でもいわゆるキタやミナミといわれる地域ともちがう、街の文脈があるようだ。強いて言えば、「大阪府天王寺市」であるローカルな息遣いだ。土地のことは土地のひとに聞けで、いろいろな発見があった。

8月1日発売のミーツ・リージョナル9月号、天王寺特集に載る予定。原稿書きが、大変だ。

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