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2012/11/20

不定期連載「酒飲みハンセイキ」その1を掲載の『食品商業』12月号発売中。

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「おれは1943年生まれ、69歳だ。62年春、高校を卒業して上京、1人暮らしの酒飲みを始めてから半世紀。来年には、堂々と酒を飲める20歳になってから半世紀でもある。その半世紀を振り返っての反省記を書いてみようということだ。無駄に飲んできた気がしないでもないが、あまり反省のない、記憶も断片的なハンセイキで、個人的な体験談である。」と書き出す、酒飲みハンセイキ。

「シニアは何を飲んできた?」ってことで、3回にわけて不定期連載予定の、その1は「酒量も高度成長期編」。大人になった60年代70年代が中心だが、酒を飲み始めたのは、その前からなので、「越後雪国酒どころ/終戦から10年のころ」から始まる。

3ページびっしりの文章は、締め切りまで時間がなかったこともあって、チョイと荒っぽいが、密造酒が幅をきかせていた戦後から高度成長期は、あらためて丁寧に資料にあたって書いてみたい気持になる。80年代、90年代は、もっとおもしろくなる。いまから資料にあたって、よく準備をしておこう。

『食品商業』は月刊のスーパーマーケット(SM)業界誌であり、年に2回盆暮れに酒特集を組んでいる。夏の7月号では、「読みきりエッセイ」ってことで、「オレの酒買い日記」を寄稿した。サブタイトルが「もうすぐ69歳の「うめぇ」安酒ライフ」だ。

今回の特集では、あの『カップ酒スタイル』(ちくま文庫)の著者、いいざわ・たつやさんも書いている。かれは、ご自分のサイトで、スーパーの酒売場を巡って書くという、真摯で貴重なことをしていた。それが、大いに生かされた内容。というか、もうこれがメイン記事の重みを持っているのだ。

編集さんも、特集扉のリードで、「いいざわ・たつやさんは、自分で日本酒を買って、自分で飲んで、発信してということでは、最もシャープな書き手。著書『カップ酒スタイル』は、酒売場担当者、バイヤーにとっても、考えさせられることの多い一冊だ。今回、お書きいただいたのは「SMの日本酒売場」の話だが、非常に汎用性の高い内容だと思う。」と評価している。

その編集さんが付けたであろうタイトル「企業の良心も地域の酒事情もすべては「日本酒売場」に表れる」。いいざわさんは、日本酒愛好家としての寄稿。肩書の「フリー・ドリンカー」が、愉快。

とにかく、久しぶりに読むいいざわさんの文章は、あいからず現場の鋭い観察に支えられていて、さすがだ。近頃は、サイトを閉鎖するような印象もあったのだが、少しずつでもよいから、続けてほしい。かれは、おれよりさらに「硬派」というか、カネが動きやすいエンターテイメント系には注目されにくい地味なことをコツコツやってきたのだが、ほんとうの「日本酒愛好家」として貴重な存在であり、もっと多くのみなさんに読んで欲しい。昨今の飲酒文化は、エンターテイメントだけのバカ騒ぎを続けていても、すでに発展性がなくなっている。もっと、しっかり、酒を楽しみたい。

ってことで、『食品商業』は、業界誌なので、たいがいのひとは普段お目にかかることはないと思うが、大きな書店にはあります。それに、今回は、いいざわさんとおれが書いているし、メイン特集が「小の進撃 SMの反撃」で、これが、近頃激しくなっているコンビニ対スーパーマーケットの「食卓争奪戦」を描いていて、とても質が高く、かつ面白い。

キレイゴトなオイシイ食べもの話ばかりに接していると、かえってインチキが見えなくなりますからね、ときにはこういう生々しい食ビジネスにふれておくのも大事だと思う。売場や食品を見る目が強くなります。この内容で1120円は、安い。

よろしく~。

いいざわたつやさんの「自棄酒マン」のサイトは、こちら。
http://homepage1.nifty.com/cupsakemania/
日記の11月15日に、「実は、9月頃には拙サイトを閉鎖しようと本気で考えていたのです。すっかり活動が停滞して書くネタもないし、ウェブサイトを維持するのに多少なりともお金がかかっていたので。再起しようと思ったのはバイトを始めたこともありますが、『食品商業』の編集氏から執筆依頼をいただいたことが大きな理由でした。生きてるのか死んでるのかもわからんような私ごときに依頼をくださったこと、感謝に堪えません。また、依頼をいただくにあたって本誌でも連載をされている遠藤哲夫さんが(今回も、また)仲立ちをしてくださったようで、すっかり不義理を働いているので恥ずかしくてとても直接は申し上げられませんが、この場を借りて厚く御礼申し上げます」と。ま、仲立ちといってもたいしたことをしたわけじゃなく、コツコツ続けていたいいざわさんの実力があってのことであり、コツコツ続けていればチャンスがあるってことでしょうか。

ただ続けるにもカネがいるわけで。できたら、ときには、派手なエンターテイメント系にちょっかい出して、少しでも食い扶持の足しを稼ぎながら、大事なことをコツコツ続けられるとよいのだが。ま、それぞれ自分にあった仕事のスタイルってのもあるから、無理せずにだな~。と、なんだか自分に言い聞かせるかんじになって、オシマイ。

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