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2012/11/17

会田誠展のち渋谷で飲む。

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今日から森美術館で公開の「会田誠展:天才でごめんなさい」の内覧会・レセプションが昨日あって、行って来た。

近頃、森美術館の展覧会のたびに、内覧会・レセプションの招待状をいただいているのだが、インターナショナルに著名な作家の内覧会・レセプションなどは遠い世界のことのようで、かなりズウズウシイおれでも気後れしちゃって参加意欲がわかない。だけど、なぜか会田誠さんの場合は、インターナショナルに著名な作家でも親近感があり、野次馬根性が先に立ち、行ってみようかな、ついでに森美術館のレセプションなるものをのぞいて見るのも悪くないのじゃあるまいか、なーんて思った。

で、そんな感じをFBに書いたら、飲み友達のHさんから、会場で会って飲みましょうのメールが届いた。となれば話は違ってくる、内覧会なんぞどうでもよい、展覧会も後日観に行けばよい、飲むの優先だ~と、会場で落ち合うことにした。

内覧会・レセプションは、17時から19時半まで。おれはチョイと片付ける仕事があって、会場に着いたのが17時半ごろだった。

ところが、これまで印刷物でしか見たことのなかった会田作品が、ナマで観ると、ますます面白いのだ。作品についている彼の文も、読ませる。どんどん引きずり込まれて、シッカリ観ることになった。途中で、ハタと、待ち合わせが会場入口のチケットカウンターで18時半なのに気づき、終りの方は流し気味だったが、「18禁」の部屋の展示まで逃さず見た。

チケットカウンターにもどるべく、というのも、この美術館は、展覧会場は53階なのに、チケットカウンターは3階なのだ。そこへ行く通路がまたややこしい。エレベーターに向かう通路を急いでいるとHさんと遭遇。彼女は、まだ勤務中、一緒に飲むことになっているNYから旅の途中の女子を探しに会場へ行くところ。おれは先にチケットカウンターに降りて、もう1人のS男子を待つことに。そして、会社が終わったSさんと落ち合って、また53階、じゃない、レセプション会場の52階へ。

こんなことはグダグダ詳しく書く必要はないな。とにかくNYからの旅女子はどうなるかわからんことが判明、3人で渋谷へ。

まずは、おれが70年代80年代よく通った、70年代のまんまのバー「祖父たち」へ。ほんと、ここに来るたびに思うのだが、煙草の煙で煙る店内も、煙草を吸う男たちも、あのころと変わらない景色というのが、うれしい。もちろん男たちは、すでにあのころと同じ男ではなく、年代が入れ替わっているのだが、この空間に溶け込んだように、同じに見えるのだ。

バーなのに、名物がおでんというのも同じで、うまい。そもそも、メニューも変わっていないのだ。今回は、3人とも腹が空いていたこともあって、おでんを始め次々と注文。こんなにいろいろな料理を食べたのは初めてだ。おでん以外も、なかなかうまい。

00522時ごろ。おれは家が遠くて、めったに渋谷では飲まないから、ここまで来たら、やはりのんべえ横丁へ行きたいってことで、急ぎ場所を変える。最近数年は、渋谷で飲むと、祖父たちからのんべえ横丁コースだな。のんべえ横丁の線路側は、かなり新しい店に入れ替わっている。以前に、青山、六本木、渋谷で勢いのあったビストロダルブルも、ここでこじんまりと続いている。

金曜の夜でもあり、めざす1軒目は満席、2軒目、1階のカウンターは満席だったが、「2階は?」と聞くと、店の方が2階の先客に相席をお願いしてくれて無事に着席。先客は間もなく帰り、三畳一間の小さな下宿より狭い畳のボロ部屋の普通の家にある座卓で、家呑みするように落ち着く。時間がないので、燗酒を頼み、それでも愉快に楽しい会話をかわし、23時丁度に店を出て、埼京線で赤羽へ、宇都宮線の終電に間に合う。ほどよい酔い加減だった。

どんどんオシャレに変わる渋谷の、それも駅そばに、こういう飲み屋が残っているのも、うれしい。

脳ミソのマッサージにならないような芸術はクソだと思っているおれにとっては、会田作品は、とてもよいマッサージになった。会田誠さんは、パーフェクトは100点満点とは限らず、50点のパーフェクトも70点のパーフェクトも10点以下のパーフェクトもある、もちろんその逆もある、という多義性や多様性を、よくわかっているひと、というか、巧みに表現するひとだなと思った。まるであらゆるアイデアや技法の展示会のよう。脳ミソも技も、すごく器用に思えた。器用なだけじゃなく、破壊力もすごい。

ともあれ、さすが活動範囲も広い話題のひとだけあって、レセプションも大賑わいで、さまざまなひとたちであふれていた。そのう、よく美術館で見かけるような背筋を伸ばし静かに気取った気位の高い雰囲気ではなく、たいがいのひとがまるでブランド安売りに群がるように、酒や食べ物に群がり、大声で話し合っていた。その光景すら、会田作品であるようだった。

近頃そういう群集に慣れていないおれは、びびって飲むことも食べることもせず、Sさんと解散した国会と政治情勢などを語りあいながら、ボーゼンと眺めているのだった。

会田誠展は、もう一度観に行くつもり。最初の写真は、撮影許可になっていた展示の一つ。タイトルは忘れたが、顔はおにぎり、股のあいだから出るウンコ、このキャラを使った小話の動画が、左のモニターに流れている。
http://www.mori.art.museum/jp/index.html

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