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2013/12/27

『大衆めし 激動の戦後史』にいただいた、お声、その5。書店員のオススメ読書日記。

ここのところ毎日のように『大衆めし 激動の戦後史』に言及があるツイートが見られる。いずれまたまとめておきたいと思うが、今日は、12月24日に読売新聞オンライン「本よみうり堂」に掲載の、本屋さんへ行こう!「書店員のオススメ読書日記」のことだ。

「本のことを知り尽くしている書店員さんがオススメを紹介する読書日記。読書好きな人必見のブログです」を謳うこのコーナーに、『大衆めし 激動の戦後史』が取り上げられた。筆者は、東京・渋谷の大盛堂書店、山本亮さん。
http://blogs.yomiuri.co.jp/book/2013/12/post-f6a0.html

すごくうれしい内容。それに、やはり、よく読む人は上手に書くものだなあと感心した。前のエントリーの河合知子さんもそうだが、本の読み方、書評の書き方の勉強にもなった。

そもそも前ふりからちがう、うまい。考えてみたら、おれなんぞは前ふりなしのことが多い。前ふりは幅広い教養がいるのだな。本をたくさん読んでいればよいというものでなく、なかなかおれには簡単に真似できそうにないのだが。

とにかく、山本さん、こう書き出す。「評論家の種村季弘は「天下に名のある美食家でも、私は大食いの記録をちゃんと残している人しか信用したくない」(『食物漫遊記』ちくま文庫)と書いている。確かに、小食の人より量を多く食べる人の方が、なぜか信用できる様な気がする。それは当たり前だが「食べる」ということが、基本的な欲求や味覚と、密に関わっているからであろう。」

そして、「最近「大衆食堂の詩人」こと、遠藤哲夫氏(通称エンテツ)の本を愛読している。人間最大の欲の一つ「食欲」に真摯に向き合っておられるのが、個人的に好きだ。なぜなら本書でもそうだが、屁理屈をこねるのではなく、またやみくもに大上段に構えず、核心に対して鋭く切り込んでゆく姿が爽快なのだ。」と、本の要約と評を展開。

最後の締めは、「ここ近年、スローフード、農薬、添加物、放射能の問題など、食べ物に関する問題や話題が大きく言われているが、現実を直視して問題に相対していく(当然のことだが、一番難しい)という、エンテツ氏の真骨頂を本書においても味わうことができる。」だ。

実際のところ、近年の食をめぐる動向は、グローバル化や政治もからんで複雑すぎるのと、見えにくい部分が多くなっているのとで、「現実を直視して問題に相対していく」のは、かなり難しくなっている。ともすると、安直な結論に頼り、考えることを怠りがちになりそうだが、踏みとどまって、日常の生活の中で考え抜くことをしなくてはならない。とくに『大衆めし 激動の戦後史』は、そのことを思いながら書いている。そこをくんでいただけたのは、とてもうれしい。

投稿日が12月24日だったので、おれにとっては、よいクリスマスプレゼントをいただいた気分だ。

山本亮さま、ありがとうございました。

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