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2014/06/04

「食の職人」と「食の労働者」。

まずは、もう一度、2014/02/17「3月15日(土)、渋谷の大盛堂書店で速水健朗さんとトーク。」から。

このようなことを書いていた。……

2月5日に、『ブラック企業 VS モンスター消費者』(ポプラ新書)が発売になった。著者は今野晴貴さんと坂倉昇平さんだが、3分の1以上を占める最後の第5章が、著者と五十嵐泰正さんの鼎談になっている。「「おもてなし」っていったいなんだ??」から始まって面白い、示唆に富んでいる。「ブラック企業」も「モンスター消費者」も、飲食の分野が大いに関係するし、「おもてなし」にいたっては、『大衆めし 激動の戦後史』でふれた「日本料理」の伝統と大いに関係する。

五十嵐さんは、鼎談で、速水さんの『フード左翼とフード右翼』に言及しながら「エスカル消費」について述べている。五十嵐さんは、当ブログでも紹介している『みんなで決めた「安心」のかたち』(亜紀書房)著者であり、3月11日以後の「分断」の渦中にあった。

これらの本を読んで、速水さんと五十嵐さんの話を考えてみると、食をめぐる「労働」と「消費」それに「思想」ということになるだろう。「労働」は「生産」と「流通」「サービス」、その企業やネットワークと関係する。おれは、「専門」というのがないフリーライターであり、そのあたりを「台所」の問題として、つまり「生活」と「料理」あるいは「生活料理」の視点からくるんでみようとしている、ということになる。

『大衆めし 激動の戦後史』は、7章で、食の豊かさ、食育基本法、家事労働と料理と女と男、魚食の問題、食料自給率の問題、飢餓問題にふれているが、料理からの視点だ。しかし、まあ、その「料理」ってやつが、なかなかメンドウなのだ。で、わざわざ「生活料理」という言葉を使っている。

……以上。

『ブラック企業 VS モンスター消費者』を読んでから、「食の職人」と「食の労働者」のことが気になっていた。料理を「生活」からだけではなく、「労働」ということから考えてみる必要がありそうだ、と。家庭の料理だって、「家事労働」といわれたりするしね。

食に関わる「仕事」をしていても、ある仕事やひとは「職人仕事」や「職人」として敬われ、ある仕事やひとは、ただの「賃労働」と「労働者」として軽んじられる。こういう思想や文化は、どのようにして始まって、そのことに消費者は、どう関わっているのか。

チョコチョコ調べていたら、もしかしたら「モンスター消費者」というのは、「意識の高い人たち」で、とんでもない優劣観や差別観を持っているのではあるまいかと思い出した。どうも近頃の「意識の高い人たち」というのは、どんどんアヤシイ感じに思えてきた。知的で上品そうだけど、コぇ~。

ついに、27日のツイッターで、こうつぶやいた。

「「食の職人」は敬われ「食の労働者」は軽んじられる「文化」には胡散臭いものがあるな。」
「「職人」というと文化っぽくて、「労働者」は文化であらず、ってな文化を、「丁寧な仕事」や「手作り」崇拝の文化なんぞに感じるわけであります。」
https://twitter.com/entetsu_yabo/status/471211726835154944

これ、『美味しんぼ』騒動にも関係する。それから、人気のいろいろな生活文化誌などに…。「文化」は、いつからひとを差別したり支配したりするために使われるようになったのか…。昔からだって? そうかもしれんが、しかし、これほど「職人」は「文化」扱いされ、「労働者」が軽んじられるとは、やはりある種のモンスター消費者がいるのではないか、じつに文化的なモンスター消費者が。チヤホヤされてモンスター化した知的な消費者とか。いるいる。

ある高級な宴会場で聞いた話では、そもそも、その高級でおしとかやかな雰囲気の宴会場には、モンスター消費者などいないだろうと思っていたが、さにあらず。めちゃくちゃなクレイマーというのは、ふだんは上品で知的でおだやかな紳士淑女が、大変身するのだそうだ。

かれらは、いったん自分の思う通りにならない、少しでも気に入らないとなると、もうめちゃくちゃなことを言い出す。高学歴で意識は高い、しかし、なんでも自分の思う通りになるのがアタリマエと思って育ってしまった、年齢はオトナのおぼっちゃまおじょうちゃまが、とつじょ、モンスターの本性を露わにするのだとか。

おれが「コワイですね」というと、その話しをしてくれた男は、その場面を思い出したのか、じっとおれの顔を見つめ深刻な顔で「コワイですよ」といって、黙ってしまった。

チト話しがずれたようだ。

家庭で料理を作る「家事労働」をしているひとは、「職人」なのか「労働者」なのか、その「労働」はなんなのか。あっ、もちろん「家事労働」だから「家事職人」とはいわないのですね。

017写真は、ある社員食堂の厨房、「食の労働者」の仕事場です。

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