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2014/08/02

書店員さんたちと飲む、「大盛堂書店2F通信」で、いろいろ考えた。

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まずは、主な備忘メモ。7月26日、15時に赤羽でウワバミじゅんこさんと待ち合わせ。彼女が南浦和で19時からの飲み会まで飲んだ。赤羽のまるよしから蕨の喜よし。喜よしの本店は休みで西口店。先日初めてあったばかりの彼女の同僚というより後輩社員が会社をやめると聞く。いい仕事をしているいい有名会社なのに、と思ったが、若い身軽のうちに自分のやりたいことをやるのだとか。そういう「強い」若い男もいるのだな。とにかく、ウワバミ相手によく飲み、南浦和で19時ぐらいに別れた。

29日、北浦和にある埼玉県立近代美術館で開催中の「戦後日本住宅伝説 挑発する家・内省する家」展を見に行った。かなり、よかった。いろいろ考えること多く、カタログまで買ってしまった。後日、感想を書きたい。閉館の17時半までいて、18時開店の北浦和クークーバードへ。夕暮れ時を、飲みながら、ゆっくりくつろいで帰って来た。クークーバードは、落ち着ける、いい店だ。

31日、14時過ぎ、下北沢の某店へ。Jちゃんが辞めるというので、Jちゃんの作る料理を食べに行った。開店の苦しいときから、若いが小さな身体で奮闘してきた。その間に、たぶん失恋もし、結婚もした。立地の悪いこの店は彼女の力なくして成り立たなかったのではないか、Jちゃんのいないこの店はありえない、と思っていたのだが。とにかく、この店での、最後のJちゃんの料理を堪能した。彼女は忙しく、ゆっくり話しができなかったが、「次」を期待したい。

そして、きのう、1日。お世話になっている大盛堂書店の山本さんたちと飲み会。18時半から神田神保町の「酔の助」。

思わぬサプライズがあった。山本さんからメールで知らされた、飲み会のメンバーに、ある書店員の女性の名前があったのだが、それが知りあいのS女さんとは気がつかないで行ったのだ。というのも、彼女とは、ここ東大宮の酒場で知りあい、おれの本の販売でもお世話になったし、よく一緒に飲んだりした。1年半ほど前に結婚し、そのころ職場の書店は閉店、住まいも大宮から都内へ変わり、ということがあって、結婚後はあうこともなく彼女の旧姓しか覚えがなかったので、結婚後の姓名を見ても、記憶が結びつかなかったのだ。

ってことで、S女さんと思わぬ再会。抱きついてくる彼女に押し倒されそうになりながら、再会をよろこびあった。

S女さんは、Y書店の千葉の方の店で書店員をやっているのだった。しかも、以前と比べると、格段にたくましく成長していた。彼女は、「深窓の」というほどではないが、ハンパじゃないお嬢さん育ちで、少しあやういところがあったが、お嬢さんぽい髪型と一緒にそれらを捨て、「本屋愛」は、ますます強く堂々となっていた。

この間に、彼女は20代から30代になったのだけど、書店員さんたちのトークイベントに登壇し、山本さんたちとトークをしたり、書店のある商店街の海苔屋さんとコラボイベントしたり、果敢に元気ムンムンに、本屋愛を燃やしていたのだ。

すばらしく成長した娘を見る思いだったが、飲み会のほかのメンバーは、S女さんと同じY書店大塚店のI男さん、初対面。それから前から気になっていた空犬さんと、初めて会うことができた。そして、まもなく古本屋さんに転職するT男さん。

とにかく、22時ごろまで、がんがん飲み食いしながら、楽しく有意義なひと時だった。やはり、若い人たちらしく、仕事の話しばかりでなく、出会いや恋愛や結婚、ようするに生き方の話しになるのも、よかった。

山本さんには、このあいだは八重洲ブックセンターの方たちと飲む機会をつくっていただくなど、出版業界も書店業界も、あまり付き合いもなく無知に等しいおれにとっては、とてもありがたい。そして、山本さんの周囲に見えてきた、「本好き本屋好き」というのは、おれがこれまで偏見を持って見て来た、そういう人たちと違い、普通の商店の感覚、普通のまちのひとの感覚を持つ、おれにとっては「大衆食堂的」で、共感することが多いのだった。

昨日いただいた、山本さんが手製のフリーペーパー、「大盛堂書店2F通信」Vol.37を、今日あらためて読んで、その共感をあらたにした。とくに本好き本屋好きとはいえないおれだが、本や雑誌に関わるものとして、何かやれることがありそうと、山本さんや空犬さんたちの活動に興味を持った。

「大盛堂書店2F通信」は、見た目は雑駁な手作りだが、中身がシッカリしている。この号は、特集が「ブックンロールに行ってきた!」で、「毎年開催され5回目となる本と音楽を融合したイベント」のルポなのだ。6月27日、阿佐ヶ谷ロフト。

この主催者には、「空犬」、とある、だけ。つまり空犬さんの主催なのだ。

「ブックンロールとは?」「開催初年の2010年、もう本の世界は「不況」という言葉でセットで語られるようになっていました。元気のない、斜陽の業界とばかりメディアで言われているのを見ていて、そればかりでないのになと思ってました。「本の現場やそこで働く人たちは、今もこんなに面白いと伝えたい」。そういう気持ちで企画したのがブックンロールだったんです」

そして、このトークイベントの部に、先のS女さんが、MARZEN&ジュンク堂書店、BOOKS エール、リブロ池袋店、そして山本さんたちに混じって登壇している。トークテーマは、『30代、本屋の生きる道』。名言の数々が、載っている。

で、この号には本文よりボリュームがありそうな「特別付録」が、ホッチキスでとめてあって、それが、「Y書店S女さんからの手紙」なのだ。

「ブックンロールが終わって数日後、S女さんからトークメンバー宛に次のようなメールが届きました。読後、空犬さんみたいに感極まった方も…(もちろん僕もその中の一人です)。私信なんですけど、ちょっとこれは世に知らしめたいなという気持ちになったんですね」ってことで、それが掲載されているのだ。「とりあえず、次のS女さんの手紙を読んでみてください。そして、働きながら折にふれてその言葉を思い浮かべてみてください。仕事など悩んだ時のヒントになるのではないでしょうか」「S女さん達の様な書店員が全国に数多くいることに気づいていただけたらなと思います」

これはもう、渋谷の大盛堂書店へ行って、この通信を入手し、ぜひ読んでいただくしかない。それにしても、繰り返すが、S女さんは、20代から30代になるあいだに、大きな成長をした。それは、山本さんたちがいるような本屋業界の可能性でもあるだろう。

で、おれは、地元の東大宮のことを考えた。本好きや書店側だけでなく、普通の町の側も、「本屋」を考えるようにならんといかんなあと思った。

東大宮は、とくに特徴があるわけじゃないし、とくに文化の香りなんぞがする町ではないが、新刊本屋が駅周辺に3軒もある。しかも1軒はエロ本も揃っている。いまどきの雑誌などで話題になるような、おしゃれで文化的で賢そうな本屋じゃないけど、そういうふうに普通に本屋がある普通の町のことを、見直してみる必要があるのだな。ってこと。

それにしても、空犬さん、笑顔をたやさないおだやかな方だけど、すごい。『大衆めし 激動の戦後史』を持ってこられ、サインをさせていただいたが、恐縮。またゆっくり飲みたいものだ。
空犬さんのブログ「空犬通信」http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/

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