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2014/08/26

ジェントリーフィケーション三河島のマッコリ醸造場で。

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前回は秋津から新所沢と小旅行気分で泥酔したIYT、今回は、台湾と韓国の大衆食に通じるYさんの手引きで、三河島の韓国料理店にしてマッコリ醸造場の「ママチキン」に舞台を移した。

そして、初顔合わせの、『台湾一周!安旨食堂の旅』(双葉文庫)の著者、光瀬憲子さんと、あとから、Iさんの会社の和食部門の事業部長Kさんも加わって、とにかく生マッコリを飲みまくった。

00118時にJR三河島駅集合だった。ロケハンやら打ち合わせを片づけて、早めに着いた。三河島は何年ぶりか、なんと、このホームも狭く貧相な駅の隣に、30数階の再開発高層マンションがドーンとそびえているではないか。ぎゃあ、ついに三河島もジェントリーフィケーションに呑み込まれるのか。

都心でも貧乏人が住めるところを残しておいてほしいなあ。だいたいね、町を面白くしているのは、一流だか中流だかのジェントリーな人たちではなく貧乏人だよ。

ペッと唾して、昔のままの安普請がひしめく路地に入る。かつてポシンタンがうまかった食堂は無くなっていた。ところどころ、ポツンポツンと、この地に似合わない、こじゃれた飲み屋ができている。これもジェントリーフィケーションの影響だろう。しかし豚太郎は健在だった。豚太郎、頼んだよ。

18時に駅でYさん、光瀬さんと合流。Iさんは遅れるというので先に店へ。Iさんは19時過ぎに、21時ごろにKさんも到着。

「ママチキン」は、うっかり通りすぎちゃいそうな地味な佇まい。だいたい西のコリアンタウンと比べると三河島は貧乏くさく地味、だけど安くて旨いってのがよいのだ。お店の中も、ようするに気取らない韓国大衆食堂。「ママチキン」のポスターパネルだけが、新しく光っていた。

おばさん、いや、おねえさん、いや、ママさんも、地味で、だいたい頭を剃っている。話していたら、オーナー家庭の一員ではあるが、本物の尼さんで、手伝いに来ているうちに尼さんのほうへもどれないでいるらしいとわかった。精進料理も巧みなようで、最低人数6人揃えば、ここで精進料理も作ってくれるというので、こんど食べに行くことにしたのだが、まずはマッコリとチキンだ。

生マッコリは店の裏の工場で造っている。ちゃんと醸造の免許を得ているのだから、都区内唯一の酒醸造場といえるか。やはり生マッコリは鮮度がものをいう酒だから、これはよい。一口飲んだ瞬間、乳酸菌の鮮度のよさがわかる。店の入口に、「周王山醸造場」の看板がさがっている、つまり「周王山」ってのが銘柄だ。

そして「チキン」。これは、フライドチキンあるいは唐揚げという類だが、どちらとも少しちがう。韓国では人気で、すごく食べられていると初めて知った。その韓国で人気のチキンを日本でもと始めたのだ。で、店名もわかりやすく「ママチキン」だが、ほかの料理もたくさんあって、どれも食べてみたくなる。

チキンは、甘辛のタレがかかっているのとかかっていないのがあって、どちらも食べてみたいからハーフアンドハーフにした。それからニラチヂミ。

注文すると例によって漬物とマッコリが出てきた。あちこちへこんでいるアルマイトの小さなボールで飲むのもよい。

最初はやかんから注いで飲んでいたが、とにかく、うまくてどんどん飲める。ボトルからやかんに移すのも面倒になりボトルのまま、ついにはYさんが自ら冷蔵庫からボトルを取り出して飲むようになったのだが。18度もある酒なのに、そんなにどんどん飲んでよいのか、と、誰も言わず。

チキンは、北九州で食べたトリ天がいちばん近い。もしかすると北九州のトリ天は、韓国と関係あるのか。トリ天より大きなカタマリだが、加圧調理はなく、そのまま揚げているとのこと。脂っこくなくあっさり、いくらでも食べられるのだ。だから、最初にこれを食べすぎて、ほかの料理があまり食べられなくなった。

光瀬さんのこれまでの、アメリカ、台湾、中国本土を股にかけた波乱にとんだ(仰天・爆笑)の話しも、よい酒のつまみになり(もっと聞きたかった)、自然に酔いの淵に流れる。

出店のたびにプレスリリースをいただいているのだが、Iさんは、この暑い夏の最中でも新規出店が続き、少々疲れているようであった。もうまもなく400店になるだろうに、一店一店が手づくりのように業態も店名も違う出店が多いから、優秀な才女で知られるIさんでも、こう出店が続いては大変だろう。ま、ほどほどに、といっても、ほどほどにできないのだから、仕方ないか。こんどはKさん管轄の和食の店にも行ってみよう。

22時半ぐらいまで飲んでいたかな。いつものように、ただただ愉快で楽しい飲み会だった。

ママさんは一人で、大忙し。ときどきテレビ見たり、ときどき話しに加わっては、また厨房へと。

ママさんがサービスしてくれた、カボチャとニラのチヂミもうまかったな。最後の写真、すごくうまかったのだけど、名前を忘れた。

そうそう、『台湾一周!安旨食堂の旅』は6月に発売になったばかりだが、続編の発行が決まったそうだ。けっこうなことだ。年内は、おれが余裕がないため来年になるが、なるべく早く、Yさんと光瀬さんとおれとで、韓国、台湾、日本の大衆食堂についてのトークをやる予定。

ママチキンのサイト。
https://sites.google.com/a/green-rd.com/green-road/mamachicken

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