『雲遊天下』122号に、南陀楼綾繁『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)について書いた。
一昨日、『雲遊天下』122号が届いた。南陀楼綾繁『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)について書いているのだが、編集の五十嵐さんから、この本の書評を書いてくれとメールをいただいたときは、一瞬ウロタエタ。
なにしろ、南陀楼さんは、書評のプロだ。やりにくい。とは思ったが、この本については、いい本だなと思っていた。だから、その読後感ぐらいに書こうと、引き受けた。
約千字で1ページ、タイトルは「著者の外れぐあいに学べ」。
いい本だなと思ったのは、本とまちについて、けっこう大事なことを、大上段にではなく、南陀楼さん自身の本と旅の体験から語っているからだ。そこのところを、この原稿で十分紹介できたかどうかは、わからない。ほんとうは、もっと書きたかった。
「まちづくり」とやらにしても「本」についても、近頃は「外れる」ことを恐れすぎているのではないかと思うことが多い。もしかすると、「外れる」のは悪いこと、という価値観がのさばっているのではないか。
「外れる」ことは活力のもとであることを、忘れているのか、気づいていないのか。そんなことを考えることが多いところに、この本が届いたのだ。
南陀楼さんはツイッターに、「遠藤哲夫さんの『ほんほん本の旅あるき』書評は嬉しい。最後の2行でビシッと叱咤された気持ちに」と書いていた。
最後の2行。うふふふふ。
ま、読んでください。
『雲遊天下』の特集は「New Morning」。誌面がリニューアルされ、新しい連載も始まり、グッと充実した。ますますよい「外れぐあい」。どなたかが言っていたが、まさに「徘徊誌」という感じだ。
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