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2015/11/27

『city&life』115号に「酒好きと酒と酒蔵と『町』または『ふるさと』」を書いた。

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第一生命財団が発行、アルシーヴ社が編集協力の、まちとくらしの研究誌『city&life』115号に、ひさしぶりの登場だ。

年に三回発行の同誌は「都市のしくみとくらし」について、ケーススタディを中心にまとめている。今回の特集は「酒とまちづくり」。おれは、エッセイを頼まれて、「酒好きと酒と酒蔵と『町』または『ふるさと』」のタイトルで、4ページ4000字ほど書いた。

昨日は、下北沢のアルシーヴ社で、京都の酒を飲む会をやるというので行ったら、ちょうど同誌が出来あがって届いていた。

編集部の巻頭言は「『酒の町」を味わう」と題して、こう書いている。

 国内には、清酒製造業を営む1500以上の酒蔵がある。だがそのほとんどが小規模で、生産量も少なく、限られた地域にしか流通していない。そこで近年、そうした酒蔵を巡り、その土地ならではの酒を味わい、その酒を生んだ土地の風情を楽しもうという「酒蔵ツーリズム」なる観光スタイルが盛り上がりをみせている。
 もちろん日本酒だけに限らない。ワインでも焼酎でもウイスキーでも、そもそも酒造りは、地域の歴史や風土、文化と密接にかかわっている。(略)

というわけで、いつも同誌の内容は充実しているのだが、とくに今回はタイミングもよい。

まずエリアスタディ「酒と地域のライフデザイン」として、三つの地域が取り上げられている。

山梨・甲州「ワインにまつわる遺産や風景を楽しみ、歩き、飲むのが勝沼流」
京都・伏見「京都で生まれ育った酒米を、京都の水と技術で醸す」
東京・阿佐ヶ谷「地域の『飲み屋文化』を活かした『阿佐ヶ谷飲み屋さん祭り』」

京都・伏見では、伏見酒造組合が取り組んでいる「祝(いわい)」という、「育てるにも酒を仕込むのにも難しい」京都独自の酒米の復活と、その酒造りに取り組んでいる。その中心である、増田徳兵衛商店の「月の桂」は、昨夜飲んだ。

ルポ1「地ビールづくりはまちづくり」は、近頃は「クラフトビール」と呼ばれる新しい潮流。小規模生産だからこそ、まちづくりに効く、と。

ルポ2は、「京都発、全国に広がる『乾杯条例』」について、「日本酒条例サミット in 京都」の取材を中心に、その動向をルポしている。

そして、おれのエッセイ。ワインや焼酎のブームに少しだけふれているが、「酒」は「日本酒」「清酒」にしぼった。

おれにしては、めずらしい、しっとり静かな文章で、かつての地酒ブームから最近の「純米酒ブーム」までを、自分の飲酒史もからめ語りながら、町の財産でもあり「まちづくり」に不可欠な場所の記憶の発掘と更新に、酒や酒好きはどう関わってきたかと最近感じている新しい動きについて(若干の懸念も述べながら)書いている。

最後は、このように終わっている。

「近頃の酒場のメニューには、酒の銘柄、種類や製法と共に、産地が明記されていることが多い。つまり産地を意識しながら酒を注文する機会が増えている。産地には産地の人びとの暮らしがある。その暮らしが成り立つ町があって、その酒が飲める。そのあたりに思いをめぐらしながら飲む酒好きでありたいと、私は思っている。」

編集関係者からは、大変おほめをいただいた。ま、うまく書けているかな、という感じではある。

レギュラーページの「スキマファイル」というのが、すごくおもしろい。都市にスキマを探しに行く、スキマ探検隊、6回目だが、「ドンツキラビリンス、向島・京島を行く」。

『city&life』企画委員は、以下のみなさん。
日端 康雄(慶應義塾大学名誉教授)、陣内 秀信(法政大学教授)、林 泰義(特定非営利活動法人玉川まちづくりハウス運営委員)、大村 謙二郎(筑波大学名誉教授)、小泉 秀樹(東京大学教授)、森田 弘志(当財団専務理事)、佐藤 真(株式会社アルシーヴ社)

『city&life』は500円。こちら、第一生命財団のサイトに案内があります。前号No.114特集「空き家―家と暮らしと地域のこれから」は、全文が公開されているので、こちらでご覧いただける。
http://group.dai-ichi-life.co.jp/d-housing/citylife.html

おれは、2008年8月発行のNO.88特集「美味しいまちづくり」では、「青森県八戸市『B級ご当地グルメ』でまちづくり」と「岩手県一関市「建物を活かし地産を活かす『食』のまちづくり」のルポを書き、2009年9月発行のNO.93特集「マチとムラの幸福のレシピ」では、「日本で最も美しい村―地域に生きる幸せを求めて」ということで、日本で最も美しい村連合に加盟の、北海道美瑛町、山形県大蔵村、長野県大鹿村をルポしている。

当ブログ関連
2009/09/27
「city&life」93号、発行。特集「マチとムラの幸福のレシピ」…ルポ「日本で最も美しい村」連合。
2008/06/25
『city&life』美味しいまちづくり、岩手県一関、青森県八戸。

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