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2017/10/18

リベラル、フード・リベラル?

2017/09/28「グルメと政治。」を書いたときは、民進党代表前原誠司が「「非自民・非共産」の野党勢力を結集」を掲げ希望の党に合流を決めたばかりだった。(9月28日、民進党両院議員総会で前原代表の提案を了承)

ところが、希望の党の小池百合子は、民進党からの「合流」を全員に認めるわけではなく、安全保障や改憲観などを基準に、一人一人「選別」「排除」する旨の発言をしたことから(9月29日の記者会見)波紋と反発が広がる。事態は急変、流動的になった。

民進党の枝野幸男は新党結成へ動き、10月3日に枝野代表の立憲民主党が生まれ、希望の党は凋落傾向、いま立憲民主党は希望の党と拮抗する勢力になった。

この流れの中で、「野党共闘」を模索してきた共産党は、自ら何人かの立候補を下げ立憲民主党ヘエールを送り共闘する体制をとったりした。政策協定なしの「共闘」もあるらしい。

そこで「リベラル」なる言葉が急浮上、話題になり注目されている。

だけど、それは、いわゆる「野党」の中のゴタゴタのことで、自民公明は悠々300議席をこえる勢いらしい。

とにかく、野党勢力においては「リベラル」がクローズアップされ「左翼」の存在感はうすまっているように見える。

もともとリベラル結集の野党共闘に積極的な動きを見せていた共産党の志位より、枝野がリベラル勢力のリーダーのように祭り上げられ、かつての小池のようにメディアを騒がしている。

この「リベラル」は、自民公明維新希望などの改憲勢力に対して、非改憲の勢力でもある。

そして、この選挙で改憲勢力が3分の2を占める流れもできつつあるようで、改憲のための国民投票まではいく気配が濃厚だ。

「リベラル」はにぎやかだけど、メディアでにぎやかなことは、流行のように上滑で終わる可能性も大きい。とくに首都圏の流動的な政治状況が長く続いているなかで、改憲勢力の地盤はけっこう堅く、一方で立憲民主党はかなりの不安定要素を抱えている。

まだまだ二転三転するだろう。

とにかく、「リベラル」ってのは、わかったようでわかりにくい。そこがアブナイと思うのだが、週刊金曜日のサイトにのっていた、このマトリクス図は、わかりやすいほうだと思った。

20171014001

これは、2017年10月14日4:40PMの「緊急対談 衆院選で問われる日本政治の新しい対決軸、リベラル陣営のリアリズムとは(山下芳生×中島岳志)」で使われていたものだ。

「週刊金曜日」という雑誌は、ほとんど見たことがなく、フード左翼的な、なんとなく「左」のイメージだったが、中島岳志が編集委員とはおどろいた。
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2017/10/14/news-7/

この図に個人的に興味がひかれたのは、自民党の宏池会がリベラルのⅡクラスターに位置していることだ。

四月と十月文庫『理解フノー』にも書いたが、おれは自民党の選挙に関わる仕事をしていことがあって、それは正確には、自民党というより宏池会の仕事だった。

1973年ごろから74年の参議院選その後、当時の宏池会は大平正芳が会長で、かれが大蔵大臣から首相になり、そして80年6月にいわゆる「40日抗争」の末に首相の座にありながら急逝するまで、なにかと仕事をした。

支持者ではなくビジネスとしての仕事だったが、大平には惹かれるものがあった。なので、大平が亡くなったのをくぎりに、政治関係の仕事からは手をひいた。

大平だけでなく、宏池会の議員には、知性による統治と平和を期待できるものがあった。天下のY新聞やA新聞の政治部記者より、はるかに紳士的な人が多かった。まったく、政治部の記者なんて、ヤクザより始末が悪かった。こんにちのヤクザな政治状況は、そういう政治部がリードしたようにも見える。Y新聞とA新聞を対立的に見る傾向があるが、とんでもないまちがいだろう。おなじ穴のムジナさ。

「ハト派」といわれ、ようするに「革新」ではないし「反共」ではあるが排除的ではない、自主憲法制定を謳うが平和志向であるという感じだったかな。

そういう印象もあって、この図での宏池会の位置づけは、おもしろい。

当時の自民党には、鯨岡兵輔という、自民党にしては異色の平和と軍縮に熱心な議員がいたのだが、かれなどもリベラルになるだろう。かれが属していた三木派は、どうなんだろう。

あの当時の派閥は、「同士的結合」のほかに、選挙区の事情による損得勘定がからんでいる議員もいて、ひとくくりにはできないのだが。

いまの宏池会は、どうなんだろう、栄光の保守本流もズタズタバラバラという感じだな。麻生なんていうトンデモな輩もいるし。宏池会の知性も地に落ちた感じがしないでもない。

パターナルは、いたるところにはびこっていて、「父権制」とあっても、男とはかぎらない。小池百合子にしてもそうだが、ちまたの女にもけっこう見られる。このあたりの権威主義は、食も大いに関係しそうだ。

枝野は、ここ埼玉5区から立っている。前回までは別の選挙区だったが、その選挙区に、おれが住んでいる地域が編入されたのだ。つまり枝野地盤選挙区に統合された。その結果、自民現職と立憲民主現職と希望新人の3人が1議席を争う。

ツイッターなど世間での枝野に対する反応に、「誠実」「情熱」といった人柄に対する好感が多いようだ。だけど、政治は、政策だからね。それと打算。

ところで、この図のように「左翼」「右翼」という軸ではなく、リベラル(寛容)とパターナル(権威主義・父権制)という軸、リスクの社会化(セーフティネット)とリスクの個人化(自己責任)という軸で、食を考えるとどうなるだろう。

速水健朗さんのフード左翼とフード右翼を重ねあわせてみると、おもしろそう。

フード・リベラルとフード・パターナルの軸は、それなりにイメージがわく。たとえば、カレーはリベラル、刺身はパターナル。そこにセーフティネットと自己責任の軸を交差させると、どうか。食の安全をめぐるいろいろな政策にも関係しそうだ。

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