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2019/07/14

東京新聞連載「エンテツさんの大衆食堂ランチ」81回目、綾瀬・味安。

20190621

先月21日に掲載のものだ。すでに東京新聞のサイトでご覧いただける。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyoguide/gourmet/lunch/CK2019062102000188.html

味安へは、2017年4月に野暮な人に連れられて行った。なかなかよかったので、いつかこの連載で紹介したいと思っていた。綾瀬には、ときわ食堂もある。ここもなかなかよいわけで、こういうときは、どちらを先にするか迷うが、まずは駅から遠い方からというリクツをつけて、こちらが先になった。

 綾瀬駅から10分少々歩く距離だ。2車線だがクルマの通りの多い街道沿いにあって駐車場も備えているから、「ロードサイド型」といえなくはないが、間口はとくに広くはない。

しかし、なかに入ると、外からはうかがいしれない、入れ込みの座敷の広い店内で、たくましく飲み食いする人びとの熱気があふれているし、その人たちがお目当てにしているらしいとり唐揚げが、たくましい食欲にこたえるようにデカイ、うまい。

本文にも書いたが、これだけ広い入れ込みの座敷の食堂は、いまでは珍しい。座敷に腰をおろしあぐらを組んだり膝を崩したりすると、なんだかチマチマした抑圧から解放されたくつろいだ気分になるのだろう、周囲の目など気にすることなく、みんな素のままのエネルギーを発散させている。ああ、いいねえ、これだよコレ。

と、一人だからカウンターに座って、とり唐揚げ定食食べたいけど、近頃トシのせいか食が細っているから食べられるかなあと思案したのは一瞬で、空間にあふれる食欲に押されるように注文してしまっていた。

となりにおれより少し若い70歳ぐらいの男性が座った。お店の方の対応からすると常連さんのようだった。かれも、とり唐揚げ定食を頼んだ。かれは、定食が出てくると、まず、小鉢のひじき煮を丼めしにかけて、軽くまぜながら食べ始めた。手慣れたものだった。

なるほど~。そういえば、家じゃ、めしに納豆とひじきやきんぴらをのっけているのにと、思い出した。とり唐揚げに限らず、刺身や焼魚なども盛りがよいし、それに付いてくる、このひじき煮と漬物の小鉢が、けっこう量がある。おれは食べあぐね、しまいには丼めしが空になったあとも残ってしまい、これだけをせっせと食べていたのだ。バランスの悪いこと。70年以上も生きて、まだまだおれはダメだなあ。

それはともかく、綾瀬は、なかなかザラッとした猥雑味があって興味深い街だと、あらためて思った。以前は、たまに飲みに行ったのだが、よく感じとっていなかったようだ。綾瀬は足立区の南の端で、葛飾区と隣接しているわけだけど、足立の独自性が色濃いように思う。とにかく、おもしろい。だけど、もう足しげく通う元気がない。

そうそう味安さんに確認したいことがあって店へ電話をしたら、「本部へ」といわれ電話番号を教えてくれた。「本部」があるとは意外だったが、小さいながらもほかの飲食店や中古車センターなども手掛ける、地場の企業グループなのだ。地場の味わいが出ている。

当ブログ関連
2017/04/16
30年前のままの駅前酒場@綾瀬の短冊メニュー。
http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2017/04/30-2672.html

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